私は丸眼鏡を愛用してはおりますが、どちらかというと 天国も地獄も “ ある “ と信じてるタイプです。
しかも、自分自身は九割九分『地獄行き決定』だと思っているので、日頃から蜘蛛には出来る限り親切に接しようと心掛けております。
そんな私ではありますが、子供の頃から つい 20年前くらいまでは蜘蛛が大の苦手でした。
アシダカグモ ってヤツでしょうか。
デカいのは、手を目一杯広げたくらいのサイズの。
昔は、部屋の中で見掛けたら掃き出し窓を全開にして半狂乱で屋外に追い遣っておりました。
小さな ハエトリグモ とかは特に気にならないんですけどね。
あるきっかけを境に蜘蛛に対する恐怖心は払拭され、蜘蛛が同じ部屋の中に居ても恐怖/不快感は全く感じなくなりました。
ちょっとした荒療治ではありましたが、効果覿面。
まあ、そうは言っても積極的に蜘蛛に触れてみようとは思わないし、不用意に踏んづけてしまわないように気を使ったりもします。
近くにいないにこしたことはないとは今でも思っております。
一方。
というか、そもそも “ 対比 “ で語るべきものかどうかはアレですが・・・。
ゴキブリ。
近年、ネット上ではその字面だけでも不快感を覚える方々が多いのか『G』などと称されるケースが多いとお見受けいたします。
まあ、私はそんなデリカシーは持ち合わせてはおりませんのでそのまま『ゴキブリ』と現しますけど。
家の中で見掛けるのは、概ね 1年に 4~5回ほど。
ってゆーか、” 4~5個体 “ ってことですかね。
同じ個体と思われる輩が数日間に渡って出現することもあるので、目撃回数で言ったらその数倍にはなるかと。
ゴキブリに関しては、蜘蛛とは大分扱いが違っておりまして。
以前は見掛けたら半狂乱で「排除」しようとしてました。
んが。
これまた蜘蛛のケースとほぼ同様の荒療治で恐怖感は払拭。
蜘蛛の場合と違うのは、どうしても衛生面での不安が残るので、不快感の方はイマイチ払拭し切れず。
そういう意味で、基本「排除」の姿勢は変わっておりませんでした。
・・・と思いながら暮らしてましたが。
ここ最近、心境に変化がございまして。
昨年末にキッチンで見掛けたゴキブリ。
「排除」すべく新聞紙を丸めて構えたところ、とりあえず物陰に隠れはするものの、程なく這い出して来て私の足元に向かってふらふらと近寄って来る。
どうやら、けっこう弱ってるらしい。
こちら側が恐怖心と敵意剥き出しで対峙していると、向こうも敵意を持って向かって来るものと勝手に思い込みがち。
よく言われる「ゴキブリがこっちに向かって飛んで来たら恐怖倍増」というのは私自身も経験あります。
確かに怖い。
もしかしたら彼らにも “ 威嚇 “ の意図もあるのかも知れませんが、そうは言っても例えば「鋭い牙で噛み付く」とか「毒針を刺す」といった直接的に肉体的なダメージを与える機能は備えていないと思われます。
通常は、光の当たらないところで極力外敵に姿を晒さないようにひっそり暮らしているに違いない。
我々人間を どの様に/どのくらい 認識しているのかは不明ですが、少なくとも「見つからないにこしたことはない。」とは思っているんじゃなかろうか。
(思ってはいないにしても、本能にプログラムされてると思う。)
ひっそりと暮らして行くには、それ相応の 能力/労力 を要するものだと思うのです。
そう考えると、私にその姿を見られてる時点で既に「ひっそり暮らす能力」がかなり減退しているのではないかという説が成り立つ気がする。
その他にも思い当たる節がありまして。
普段あまり頻繁に立ち入らない物置部屋で何度か経験ありますが、部屋のど真ん中でゴキブリが腹を見せてひっくり返って死んでたりします。
若しくは、死んでいると思って近寄ったらまだ生きていて足をばたつかせるものの、既に自力では起き上がれないくらいに衰弱している。正に「虫の息」状態。
ちょっと唐突な気がして、
「何故に こんなところで?」
と不思議に思っておりましたが、「ひっそり暮らす能力」が失われてふらふらと彷徨い出て、そのまま息絶えた(息絶えようとしていた)結果と考えれば納得です。
キッチンで見掛けた個体、ムリに「排除」しなくても 2~3日放っておけば勝手に息絶えて、数年後に冷蔵庫の裏でひからびた状態で発見される・・・というシナリオでよいのではないか。
ただ、やっぱり気になるのは「衛生面でどれくらいの実害があるのか?」というところ。
ネットで検索してはみましたが・・・。
いわゆる『まとめサイト』の類いかと存じますが、恐らく同一ソースのコピペと思しき 当たり障りのない記事ばかり。
例えば病原菌の媒介の “ 可能性 “ などには触れてはいるものの、個人の実体験や専門機関による研究結果みたいな芯のある記事には終ぞ辿り着けず。
飲食店とかだったら「実害」抜きでも「印象」だけで致命的なダメージを受けかねません。
が、ウチの様な一般家庭で、しかも乳幼児がいるわけでもない環境だったらそんなに気にする必要もないんじゃなかろうか。
なんとなく・・・。
・・・といった経緯で、ゴキブリにも極力親切に接することに方針転換。
そんな風に暮らしていれば、『地獄行き』が ほぼ決定の私ではございますが、お釈迦様のご配慮により『蜘蛛の糸』に加えて『ゴキブリの触角』という心強~い選択肢が与えられるに違いないのです。
恐らく『蜘蛛の糸』には地獄の亡者が殺到してかなり危うい感じになります。
一方の『ゴキブリの触角』は みんな「おえ~~~っ!!」ってなって近寄らないはずなので、私の独り占め状態。
余裕のよっちゃんで『極楽行き』ですよ。
但し、ゴキブリの触角 はちょっと油で滑るので取り扱いに要注意。
あ、そういえば・・・。
年末の個体。
2~3日で決着を見ると踏んでおりましたが、意外にもしぶとく。
4日経っても 5日経ってもまだキッチンを徘徊している。
6日目で遂に限界を越え。
7日目に「排除」させていただきました。
つまりは、
~ 仏の顔も三度まで
というお話。
・・・ではなかった気がする。
因みに。
恐怖心克服のための荒療治、気になる方は直接スズキにお尋ねくださいませ。
(一切責任は持てませんが・・・。)
■ FJスズキ ■