“ なんちゃって “ にもほどがある『CASINO』JLモデル ★Reprise★ 『その16』 | FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

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『その15』から つづく。)



この終盤に至って想定外の事案が発生。

 ● 1-5:GK-3ピックアップを移殖。

実際にやってみたら『GK-3』がテースピースの長さに収まらない。


以下、詳細です。

『CASINO Coupe』は ギブソン『ES-339』と同サイズとのことで、フルサイズの『CASINO』 より小振りなボディが特徴。
スケールは同じなので ナット~ピックアップ~ブリッジ の位置関係は同じなのですが、ネックジョイントの位置はかなり異なっております。

(↑ 遠近の差がありますので正確な比較にはなっておりません。)

今更ですが、このサイト ↓ の画像が分かり易いので勝手にリンク。

 ● GuitarQuesut (イシバシ楽器):
 『EpiphoneよりCasinoのボディをサイズダウンしたモデルCasino Coupe登場!』

ヘッド~ブリッジ はそのままに、ボディを全周ぐるっと一回り小さく切り落としたイメージです。
改めて比べてみると、ぱっと見の印象として両者の ブリッジ~テールピース の距離の違いがけっこう目立ちます。

無理やり現物を並べてみると ↓ こんな感じ。

実は、ブリッジ〜ボディ・エンド の距離はほぼ同じくらいなのに『Coupe』はテールピース自体が小さいので、ブリッジ~テールピース/テールピース~ボディ・エンド の比率が不自然になってます。

ってことは、『Coupe』にフルサイズの方と同じテールピースを装着すれば結果的に “ オリジナル “ の見た目に近付くと同時に、『GK-3』取り付けのスペースも確保出来るという一石二鳥(Reprise)・・・のはず。


早速 リプレイス用の部品を調達。
数多のメーカーから『トラピーズ・タイプ』と称して販売されているこの形状のテールピースですが、名前の由来はオリジナルのメーカー名ってことでしょうか。ネットで調べてもよく分かりません。
最初に目に付いて、しかも安かったのでこちら ↓ をチョイス。


大きさの違いはこんな感じ。



こうした状況でやはり気になるのは、テールピースの取り付け部分の互換性(= ビス穴の位置関係)ですね。
そこはもう現物で確認するしかない。

キンチョーの瞬間。

あぁ、残念。 「泥沼入り」決定です。

画像 ↑ では下側のストラップピンの穴位置で合わせていますが、実際にはステーの角をボディに載せた時に上の 2つの穴の方が合って/下のストラップピンの位置がズレることになります。
従ってボディ側のストラップピン用の穴の開け直しが必要。

 

まずは仮留めして穴位置をマーク。

元の穴は 3mmプラ棒+エポキシ接着剤 で埋めます。



ステーの穴も元のストラップピンの木ネジより全然小さいので拡張が必要。
木ネジ(丸皿頭)の実測が φ3.8mm くらいなので、呼び径は恐らく φ4mm と思われます。
ステーの穴を φ4.2mm に開け直し。

★ 注意 ★
この ↑ 穴加工、私はハンドドリルでチマチマやってるので手抜きをしていますが、電動ドリルなどを使う場合は大き目の捨て板にがっちり(& ちゃんと密着させて)固定しないと、薄板を貫通する瞬間に部品を一気に丸ごとドリル刃に持って行かれるので危険です。ご注意下さいませ。

木ネジ用の下穴はφ3.5mm くらいが妥当かな~と思ったら、φ3mm でちょうどよい(~ ビミョーに緩い)くらい。プライウッドだから無垢板よりも緩くなりがちってことでしょうか。
一気に攻め過ぎなくて正解でした。


あと。
このテールピース、恐らく CASINO 専用とかではなく “ 汎用 “ という位置付け故かとは思うのですが、ステーがフラットなままです。

ボディのボトムがフラットなギターって、『ボ・ディドリー・モデル』くらいしか知りませんけど。
しかも、実際に弾いてる人は『漏電銀座』の『逆柱いみり』大先生 くらいしか観たことありません。

『CASINO Coupe』のボディ・エンドの R に馴染ませるために、万力に挟んで少~し曲げます。


一応それっぽい仕上がりに。


更に、サイド~トップ へ跨る角の曲げ角度も ちょっと開き気味なので、トップにほぼベタ付けになるくらいに曲げます。
仕上がり状態が ↓ こちら。




ブリッジ周辺の細かいところのお話も。

まず、『Coupe』のオリジナル状態のポスト。

ボディに埋め込まれたアンカー(小さい円盤と一体)/全ネジシャフト(非固定)/サムナット(大きい円盤)の構成。
ビンテージものの「サムナット 2枚使い(左右で計 4枚)」の雰囲気に近付けるためにこちら ↓ を購入、


下側の追加サムナットがアンカーの円盤の厚み分トップから浮いてしまうのは仕方ないとして、これを締めることで全ネジシャフトがしっかり固定されるので、安定度はかなり増します。
(この『Coupe』のデフォルトの全ネジシャフト、すり割りが着いていて便利です。もしかしたら希少かも。)


あと、ブリッジの取り付け向きについて。
『ABR-1』の正しい向きはナット固定ビスの頭が上向き(ヘッド側を向く)です。

ただ、『GK-3』は取り扱い説明書に依ると

 ~ ブリッジになるべく近い場所に取り付けます。

ということなので、ブリッジが正しい向きだと GK-3ピックアップ とビス頭とが密着してしまい、オクターブピッチ調整がままなりません。(『CASINO』の場合、元々リアピックアップがジャマになるのでビスを回し難かったりしますが・・・。)

そこで、ブリッジの上下を入れ替えてビス頭を下向き(ボディ・エンド方向を向く)にすることにします。

《Before》


《After》

これで『GK-3』とサドルの距離を詰めるのと同時に/オクターブピッチの調整がし易くなって一石二鳥(Reprise 2)。

・・・と思ったら。
この向きだとブリッジ後ろ側の 1~3弦がビス頭に干渉してしまいます。

この状態で弦が安定していてくれれば問題ないのですが、もしチューニングに悪影響ある様でしたら考え直します。
(現在オクターブピッチは未調整なので、サドルの位置次第で多少状況が変わる可能性あります。)



そして、『GK-3』をテールピースのワイヤー部分に固定。

(裏側からスポンジ両面テープと布ガムテープで。)


改めて弦を張ると ↓ こんな感じ。

妙に貫禄が増してる気がする。

テールピースとブリッジの距離が縮まったことで恐らく弦のテンションが変わるなど音質や演奏性にも少なからず影響はあるはずなのですが、特に「Before/After」で弾き比べたりしたわけではないのでよく分かりません。(恐らく、弾き比べてみたところで私にはその違いは分からないと思いますけど。)


因みに。
弦を張ったところで この『Coupe』と『’65 リイシュー』とで音を比べてみましたが、『Coupe』は中〜高域がかなりこもってます。いわゆる “ ウォーム “ な音ってことでしょうか。
(それぞれ、生音がそのまま電気音にも反映されている様な印象です。)

前述のリンク先のサイトでは

 ~ 新登場のカジノクーペのサウンドは正にCASINO!!

という評価なんですが、少なくとも手持ちの 2本はさすがの私にもハッキリ分かるレベルで違ってます。
そもそもどの音が「正しい CASINO の音」なのか私にはよく分かりませんし、個体差なのかも。
いずれにしても それぞれにキャラクターのある音色なのでどちらが 良い/悪い というお話ではありませんけど。


あ、そうそう。
『GK-3』取り付け前の “ 素 “ の状態を撮り忘れたので、フルサイズの『CASINO』との見た目の比較は出来ませんでした。


まあいいや。



ということで、次回、いよいよ『最終回』の予感・・・。
(あくまで “ 予感 “ です。)




『その17』に つづく。)




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