まったく余計なところで泥沼にハマる。【Ibanez RR550】(その2) | FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

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『その1』から つづく。)


『Ibanez RR550』のリペア、” やれるところまでやってみる “ お話。

実用に支障のある「ポットの固着」と「ポジションマークの浮き」の解消は必須として、それらと並行して分解掃除などしてみようと思います。



とりあえず全体を点検して、メニューの洗い出し。
ただ、余計なところまで掘り始めるとキリがないので、どこで折り合いを付けるか(= どこまでなら見て見ぬ振りが出来るか)によって作業ボリュームは大幅に変化いたします。


 ~ どうせ趣味なんだから ” 楽しい “ と思えるところまでで止めちゃえばいいじゃん。

と思う反面、

 ~ どうせ趣味なんだから、無責任な立場でやりたい放題やっちゃえばいいじゃん。

という考え方もあるな~。


まあ、やりながら考えます。



上の方から順に見てまいります。


● マシンヘッド

・ペグはメッキの剥がれや錆も目立ちますが、下手に磨くと今以上にメッキが剥げるので一度取り外して汚れを拭き取るくらいに。
・トラスロッドカバーのビスは交換?
・ナットは弦を張り直した際に特に支障なければスルー。(私には触れられない領域なので、必要ならプロに依頼。)

それにしてもこのヘッドの角度、なんか恐いんですけど。

ギブソン系のヘッド角の付いたギターは、テキトーに壁に立て掛けたりして うっかりコケさせると、こんな ↓ 災厄を招きがち。

(友人が、「ネックが折れたので好きにして。」と送り付けてきた Epiphone の 335 タイプ。いずれはコイツのリペアも・・・ってのは、流石にド素人にはハードル高過ぎか。)

『RR550』はペグ直列の長~いヘッドにも関わらず、フェンダー系とは違ってしっかり後退角の付いた仕様。飛び出したツノの意匠が更に長さを足しております。
ホンモノではありませんが、『レスポール・タイプ』(画像 右)と比較すると ↓ こんな感じ。

角度は『RR550』(画像 左)の方がやや浅め。

壁に立て掛けたりした場合にはボディの底が 2点接地なので、一般的なシェイプのギターに比べると安定しててコケにくいという特徴はありますけど。万が一 後ろ向きに倒したりしたらテコの原理でそれはもう大変なことになるでしょう、きっと。
ただ、ネック構造は「3ピース」らしいので 一応そこで強度は稼いでいるってことなんでしょうか。
とはいうものの、やっぱりこの見た目の不安定さたるや・・・。


そういえば、『RR550』ってよく部屋の中であちこちぶつけがちなんですが、これだけ全長が長ければ当然か。



● ネック/指板
・剥がれたポジションマークを再接着。

・ネックの反りは見た感じでは問題無さそう。弦を張り直した際に特に支障なければスルー。(これも私的にはあまり触りたくない領域なので、どうしても必要ならプロに依頼。)


● ブリッジ

『Hard Rocker Pro』という、この世代の Ibanez のオリジナルのシンクロナイズド・トレモロ・タイプです。
あぁ、部品点数多い・・・。
分解掃除だけでも なかなかの手間。

・こちらもメッキの剥がれが目立ちますが、そこはスルー。
・深いところにホコリが溜まっているので、とにかく一旦全部バラして掃除。
・サドルのイモネジや位置調整用ビスは、入手可能なら新品に交換。
・サドル上の弦プレートを固定するビスは、前オーナーが何らかの理由でテキトーな汎用ビスに交換してしまった模様。入手可能なら本来の「黒」に戻す。

このブリッジ、ヘッド側から弦を通して/サドル裏から表へ通して折り返し/プレートで弦を挟んで固定 という片側ロック式になっております。
(ヘッド側のロック無しでどの程度効果を期待してよいのかは分かりません。)
弦高は現状より もう少し下げようとは思っていますが、このブリッジ、「フローティング」前提の仕様ってことなんでしょうか。もしユニットをトップにベタ付けになるまで下げた場合、サドルをかなり不自然な高さまで上げる必要がありそうです。(実際にやってみてないのでアレですが。)


私は シンクロナイズド・トレモロ は『フローティングさせる派』でございます。一応アップ方向が必要なので。
ってゆーか、フローティングさせることが即ち「シンクロナイズド」という意味なのだろうと思ってますし。
ただ、「フローティング」させた状態って理論的には『全ての弦の張力のバランスが取れた(つまりは “ シンクロ “ した)一点』でのみしかチューニングが合わないんじゃないかと思うので、実践的には『奇跡的な偶然』に期待するしかない・・・と思います。
あと、ベンディング(チョーキング)も理屈としては ほぼピッチが合わない気がします。(弦を引っ張り上げれば上げるほど ブリッジが緩んでテンションが下がって来るわけなので。)

更に言うと、ステージで使用する際には弦が切れたら致命的。(固定式ブリッジなら、軽くチューニングし直せば後は強引に乗り切れなくもない・・・はず。)
従って、少なくとも現場までは予備のギターを持ち込むようにしております。

う~む。今更ながら「フローティング」って、よほどアームアップに拘りが無ければ むしろデメリットの方が多い様な気がして来た。
強くピッキングした時の “ 腰砕け “ な感じも なんだか煮え切らない様な・・・ブツブツ・・・・・



え~と。


それはそれとして。
実は、この『RR550』のトレモロ・ユニット、ちょっとした謎が・・・。

ボールエンドが並ぶネック側の縁が湾曲しております。


んが。
同時代の “ 同じモノ “ と思われる『RS1000』の方は湾曲していない。



別仕様?
それとも何らかの事情で前オーナーによって曲げられた??
分厚い鋳造部品だし、もし意図的に曲げたのでなければ本体にも少なからぬダメージを及ぼす “ 大事故 “ だったと思うのですが・・・。

う~〜む。




思いの外 長くなったので、一旦ここで分割。

『その3』に つづく。(予定)




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