“ なんちゃって “ にもほどがある『CASINO』JLモデル ★Reprise★ 『その8』 | FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

  不定期更新
  FLOATING JAM & FJスズキ の 『日常と非日常』



『その7』から つづく。)



◆ 課題1 (『なんちゃって JLカジノ 2』新規製作)
 ● 1-3:ペグをグローバータイプ(ゴールド)に換装。

の方に着手いたします。


まずは「Before」。
現『CASINO Coupe』のマシンヘッド。




各回 工程の順序が入れ子になっていてアレですが、『その6』で『なんちゃって JLカジノ 1』から外したゴールドの『グローバータイプ』のペグを『~2』に転用いたします。

(写真、右の方。)



『その6』では、過去に『~1』でペグのポスト穴径を拡げた際に「やらかした」お話を くどくどと綴っております。
同じ轍を踏まぬ様に、前回とは異なるアプローチを思案中。(後述)



まずは、現状の『クルーソンタイプ』ペグを外します。

ペグ本体はヘッド裏の木ネジを外せば OK。

プロのお仕事も意外と「やらかし気味」だったりして。

3弦用の穴(左上)の裏側、結構ガビガビです。


次に、表側の金属ブッシュを外します。
ブッシュはヘッドの穴に圧入されている状態。
ネット検索していたら、どうやらブッシュ外し専用の工具もあるらしい。ヘッドの表側にプラスチックのカップをあてがって、裏側からネジ式で押し出す仕組みの様です。

前回企画の『~1』で『CASINO ’65年モデル』のブッシュを外した際、あまり苦労したという記憶は残っておりません。
ってことは、恐らくヘッド裏側からドライバーで軽く叩き出すくらいで外せたのではなかろうかと。
そんな経緯から、あえて専用工具を入手するまでもないと思っておりました。
(まあ、その時の衝撃がヘッドのクラックの原因のひとつだった可能性も否定は出来ませんが・・・。)



で。
いざヘッド裏から叩いてみたところ・・・。

 「うっ・・・。」

ちょっとやそっとでは外れなさそうな固さ。
力任せに強行したら、それこそヘッドへのダメージが心配なレベル。


・・・ってことは。
やっぱりネジ式でじわ~りと圧力掛けないと無理かも。



即興で工具を用意いたします。

真っ先に思い付いたのは、もう 40年くらい前に買ったオモチャみたいな万力。
プラスチック製でちょっと頼りない感じではありますが、模型作りなどの中ではかなり重宝しておりました。

久々に引っ張り出そうと思って「在るべき場所」を見てみても・・・無い。
最近 私の中で頻発しているヤツです。

何年(何十年)間も「あそこに在る。」と記憶していたはずのモノが、数年振りに いざアクセスしようとすると「やっぱり無かった。」というパターン。

(『CASINO ’65年モデル』のピックガードが正にそれ。)



何とな~く薄っすらとした記憶だと、そのプラ製の万力が壊れたので ちゃんとしたオトナな万力を購入したという気がしなくもなし。(それとても 20年くらい前のお話ですけど。)


仕方がないので ちゃんとしたオトナな万力の方を利用します。


その際に裏側からブッシュを押し出すのにちょうどよいモノを物色。

あった!
どこのご家庭にもある ↓ これ。

タミヤの『透明プラ材 8mmパイプ』。
あつらえた様にヘッドの穴にピッタリで、ブッシュの径を均等に押し出すのにちょうどよい(はず)。


表側はペットボトルキャップを利用してブッシュの周りを囲う形で受けることに。

ヘッドにキズが付かないように厚手の布をかませます。(← 実は、厚手のウェスとしてよく利用する使い古しの靴下の首のところ。)



これらを万力でぎりぎりと締め付けると・・・

結果、こんな風に ↓

ブッシュが押し出されます。



・・・なんですが。

オトナな万力で目一杯締め付けるくらいの力が要りました。恐らくプラ製の万力では太刀打ち出来なかった可能性大です。(それ以前にストロークが足りない気もする。)
またもや 事前の脳内イメージとは食い違う感触を味わうことに相成りました。



そして。
実は、今回も「やらかして」しまいました。(苦)


ブッシュと同時に、ヘッドの塗膜まで逝ってしまった・・・。


恐らく一般的な感覚では “ 取り返しのつかない “ レベルのお話であろうという認識もなくはないのですが。
私の中では、

 「あぁ、また “ なんちゃって “ の上塗りね・・・・。」

くらいの感覚。
まあ、『~1』の場合とは違って木部まで逝ってしまっている訳ではないので。

 「塗膜の破片、接着剤で貼り付けとけばいいんじゃね?」

ってことで。

(そのうち怒られる。)



・・・と思ったのですが、朗報です。



改めてホンモノの『ジョン・レノン』使用機のマシンヘッド、よ~く観てみると・・・。

(シンコー・ミュージック・ムック 「エレキ・ギター・ブック 2」』より)


ポスト穴周辺の塗膜、かな~り派手に逝ってしまってるじゃあございませんか。
結構な割合で地肌が剥き出しになっております。

そうそう!
私が目指したのは “ そこ “ の再現です!! 間違いなく。
接着なんかしなくて OK じゃん。

(ホントに怒られる。)



ってことで、気を取り直して(?)そのまま作業続行。
小さいクラックも含めると結果は「1勝・5敗」でございました。



でも実際のところ、これって前述の専用の工具を使ったとしても 起こり得るんじゃないのか?
ブッシュのフランジ外周ギリギリをきっちりカップで押さえ込んだとしても、実際の穴はフランジの内側の一回り小さいところにあるので、一段奥の方から塗膜を持ち上げてしまう格好になるはず。
それとも、もっとちゃんとブッシュを真っ直ぐ押し出せば こんな事故は起こらなかったのだろうか?

もし 3回目の『JLモデル』制作の機会があれば教訓としたいと思います。(それは無いな・・・。)




そして今回、重要なのは むしろ穴径の拡大の方。
こちらこそ『~1』の時の様な悲惨な事故は避けたい。
(「事故」というよりは、ゴリ押しした結果の「人災」か?)



元々の『クルーソンタイプ』用のヘッド穴は直径 8mm強。
これを 10mm に拡げないと『グローバータイプ』は取り付けられません。

が。
実は『その5』で『グローバータイプ』の説明を書いている時に気付いておりました。

確かに、グローバータイプ のペグ本体根本のスリーブを差し込むためには 10mm の穴径が必要。

ただ、これってヘッド裏側の方に限ったお話。

表側のナットの外ネジの径は 7.8mm です。
従って、こちらは クルーソンタイプ の穴径そのままでも通ります。


ってことは、穴が 10mm 一定でヘッドを貫通している必要は無い訳で。
裏側のスリーブが収まる分だけを拡げてやればよいのでした。


で、今回は ↓ こちら。

電動ドリルではなく、テーパーリーマーで穏便に済ませようと思います。

 





ああ、穏便だ〜。
もっと早く気付いていれば・・・。



同時に、引き続き

 ● 1-2:塗装をマット仕上げに。

の一環として、ペグを取り付ける前にヘッド裏をマット仕上げ(+ ヘアライン)にしております。

 ↑ これが ↓ こうなりました。





ということで、今回分の「After」。

 





(実際には『グローバー』ではなくて『GOTOH』製です。)

ヘッド裏のビス穴、各ペグ下側はそのまま流用可能。
残された上側のビス穴は放ったらかしです。

考えてみると、グローバータイプ のワッシャーが大きいのって、もしかしたら クルーソンタイプ からのリプレイス時にこういう事故が多発するので そのリカバーの意味も兼ねているのかも知れない。
(考え過ぎか?)
 

 



因みに。

 

ヘッド表側 両サイドの面取り部分に関して。

『CASINO Coupe』のナチュラルフィニッシュモデルは元々この面取り部分が無着色でしたが、ジョン機は 一旦塗装を剥がした後に黒で塗り足している様にも見えます。
また気が向いたら筆塗りで黒く塗るかも知れません。


あと、トラスロッドカバーのネジ穴がビンテージの CASINO は 2つ穴/対して 現行品は 3つ穴です。
ここはあまり気にしないことにします。




『その9』へ つづく。)





■ FJスズキ ■