“ なんちゃって “ にもほどがある『CASINO』JLモデル ★Reprise★ 『その5』 | FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

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『その4』から つづく。)

 

 


前回 作業の方針を決定した、

◆ 課題1 (『なんちゃって JLカジノ 2』新規製作)
 ● 1-2:塗装をマット仕上げに。

の項目。
こちらは 今のところ進展はないので進捗報告はありません。



次の、

 ● 1-3:ペグをグローバータイプ(ゴールド)に換装。

については並行して作業可能なので、じわりと進めます。
但し、このミッションは こちら ↓ とセット。

◆ 課題2 (『なんちゃって JLカジノ 1』オリジナル復元)
 ● 2-2:ペグをクルーソンタイプに戻す。


・・・というか、こっちを先に片付けないとその先へ進めません。



ビジュアル的に言うと、この ↓ 左右の機体のペグを入れ換えるというお話。


・・・なんですが。

単純に「入れ換え」ではないので また長~くなりますが、以下おさらいを含めた説明。



まず、第一弾プロジェクトの『なんちゃって JLカジノ 1』。

オリジナルの『Epiphone CASINO ’65年モデル』を『ジョン・レノン モデル』化した際。
改造前の画像が残っておりませんので、度々引用させていただいている『シンコー・ミュージック・ムック 「エレキ・ギター・ブック 2」』より。

これ ↑ を、こう ↓ しました。


ペグを、『クルーソンタイプ(シルバー)』から『グローバータイプ(ゴールド)』に換装。

今回のミッションにて、これをまた「オリジナル = クルーソンタイプ」の方に戻します。
パーツはしっかり保管しておりますので、 “ 外して “ → “ 戻す “ だけ。

(ピックガードについては引き続き自宅内を捜索中。)



ただ。
実はそれほど簡単ではない。


最初の改造で、マシンヘッドの木部に手を入れております。


左がオリジナルの『クルーソンタイプ』/右が『グローバータイプ』のペグ。



クルーソンタイプ(左) はヘッド裏側からポストを通して裏側の木ネジ(2本)で固定。
表側はブッシュの穴でポストを支えている状態。
ブッシュは直径 8.5mm 程の穴に圧入でヘッドに固定されています。

一方、グローバータイプ(右)。
全体的な構造も含めて グローバータイプ の方がガタが少ないなど、造りが近代的(?)でチューニング精度も高い・・・と思います。
恐らく『ジョン・レノン』も実用性重視で グローバータイプ に換装したのではなかろうかと思います。
(知りませんけど。)
ポストの根本を囲むスリーブ(直径 9.9mm)の内側にネジが切られていて、表側から特殊な外ネジのナット(?)でヘッドをガッチリ挟み込む形で固定されます。更に裏側固定には木ネジ(1本)も。
ヘッドの穴直径はこのスリーブに合わせて 10mm。


因みに。
『クルーソン』とか『グローバー』というのはそれぞれの形式のモノを開発したペグのメーカー名で、以降それらを真似て作られた他メーカーのものも大別してその構造に応じてそれぞれ『〇〇タイプ』という呼ばれ方をすることが慣例となっております。
あと『グローバータイプ』の方は近いモノで『シャーラータイプ』とか/或いはそれらをまとめて構造的な切り口で『ロトマチックタイプ』と呼ばれたりもします。昔は『密閉型』とかも言われてました。


そう。
このペグのボスト部分の径の違い。
クルーソンタイプ から グローバータイプ に換装する際、ヘッドの穴径も拡げております。(詳しくは次回。)


『 ’65年モデル』オリジナルの クルーソンタイプ に戻すためには、この穴径も元に戻さないと(小さくしないと)ブッシュがゆるくて嵌まらないという理屈。
ただ、同様の需要は世界的にもあるものと思われ、大きい穴径の方に合わせた クルーソン用のブッシュ という ちょっとややこしいパーツも販売されております。

当初はそういったモノを利用しようと考えておりましたが・・・。


このペグのタイプの違いに関しては、プレス部品中心の クルーソンタイプ と/鋳造部品中心の グローバータイプ とでは重量も違うため、ギターのサウンドに大きく影響する・・・とも言われております。
『CASINO ’65年モデル』の “ オリジナル “ に拘るのならば、ここは クルーソンタイプ のサウンドキャラクターを重視すべきかと。


とはいえ。
私の個人的な好みで言えば、むしろ グローバータイプ の造りの “ かっちり感 “ を重視したいところ。
せっかく苦労して穴を拡げたので、そのまま グローバータイプ が使えた方がよい。

その反面 “ 見た目 “ の問題もあるので、ここはちょっと悩ましいところ。
(既に「サウンドの違い」のところは検討項目に入っておりませんが・・・。)




思案の結果が ↓ こちら。


つまみの形が “ クルーソンっぽいオーバル形状 “ の ロトマチックタイプ です。
軸部分は明らかに太いのですが、マシンヘッドを正面から眺める分には まあ許せる範囲かな~と。

因みに、第二弾連載の『Rickenbacker 325 “ 風 “ JLモデル』のベースとなった『Monogram MR-850G BLK』がこれに似た ロトマチックタイプ の装備だったので、換装せずにそのままで継続使用しております。




今回新規購入した『GOTOH』製のペグに関して。
自宅に着荷してから結構長い期間放置していた後に開梱してみたところ、「ロック機能付き」タイプでした。

(ポストに弦を巻き付ける量がほぼなくなるので、チューニングが狂い難い。)

『CASINO』の場合、ペグ以外に もっとチューニングの精度に悪影響のある要素がありそうなので、ロック付きペグの効果もあまり期待できない気がするのですが・・・。

(トレモロも付いてないし。)

発注時の自身の判断が謎です。
その時は “ そんな気分 “ だったってことなのか?

とはいえ、せっかくなのでこれを使ってしまうことにします。
見た目は フツーの ロトマチック より更にゴツくなってしまうものの、これまた表から観る限りはあまり気にならないのでよしとする。
(・・・あ、でも むしろ弾いてる時は裏側の方がよく見えるよな~。)




次回、実際に『なんちゃって JLカジノ 1』の方にこのペグを取り付けます。






『その6』へ つづく。)




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