1/12(土)のライブ 2件ハシゴの後、東京に一泊。
明けて 1/13(日)の予定は、勝手に自分の中で 二転三転して 落ち着いた先が上野でございます。
(実際は、タイトル程には浮かれてはおりませんので ご心配なく。)
前回の東京行きの際、主に時間調整目的で「国立科学博物館」の『チョコレート展』に行ってみようかと思っていたところ、 TV「メレンゲの気持ち」で石ちゃんがレポートしてるのをうっかり観てしまって興味が萎えるという事故(?)が発生。
今回改めて、
「企画展以前に、そもそも『科学博物館』って観たことないじゃん。」
と思い至りまして。(いまさらながら。)
昔から 断片的には雑誌とかで「こんなものが展示されてます」的な情報はちょいちょい見掛けてはおりましたが、行ったことなかった。
しかも、よくよく考えてみたら 常設展を本気で観るなら「時間調整」とか言ってるボリュームじゃありませんし。
どうせ 10:00 開館だろと思って宿で うだうだしてましたが、実は 9:00 開館だと知って慌てて出発。
「美術館/博物館は 9:00 開館にすべし!」というのが私の自論なのですが、久々に叶いました。
" 10:00 " という 俗世間が動き出す時刻の前に、ほんの少しでも静謐な空気を味わいたい・・・、みたいな。
・・・などと思いながら 9:05 くらいに上野駅着。
駅構内に上野駅界隈の美術館/博物館のチケット販売所があり、見ると軽~く 100人超の長蛇の列が!
一瞬、「しまった、出遅れた!」と思ったものの、チョコレート展がそれほど盛り上がってるとも思い難い。
どうやら、美術館でやってる『ツタンカーメン展』の方の入場券を求める人々らしいと判明。
ならいいか、ということで直接 科学博物館に向かうと案の定 すんなり入場可。
それでも、思ったより朝早くからお客 入ってるんだな~という印象。
さすが東京。
明確なお目当ては無かったので、この際だから企画展の方も観てしまうことに。
『チョコレート展』。
展示内容は確かに " 科学博物館 " 的な掘り下げ方で、TVで紹介されていたのは いわゆる " TVウケ " する部分のみでしたね。
でも、実際にお客を呼べるエンターテインメント性の高い要素というのは やっぱり " TVウケ " するところと ほぼ重なってるんじゃないかとも思います。
そんなにチョコレートを掘り下げたいか? と問われれば、「・・・」ですし。
展示の企画もいろいろ大変なんだろうな~、と。
ある意味目玉(?)の展示に「チョコレートの彫刻」というのが多数ありましたが、普段からの素朴な疑問として
~ 食材を使った造形物などの、「どこ」に「何」を思えばよいのか?
というのがありまして。
確かに、完成した彫刻作品は充分観賞に堪えるレベル以上のものではあるんですが、「チョコレートで作る」というところの意味というか意義というか。
純粋に " 造形物 " と捉えれば 完成品を観たところで「へ~。」で終わり。
恐らく、
~ 本来 彫刻やら造形に適さない素材を駆使して、苦労して完成させました。
というところがミソなんでしょうけど。
さらにその素材が「食べられるもの」であるところがもう一段 ミソなんだと思うのですが、どうもそこが腑に落ちない。
多くの人々が子供の頃から「食べ物は粗末にしてはいかん。」とか「食べ物で遊んではいかん。」と言われて育っていることと思われます。
『食材を使った造形物』に もし何らか惹かれる要素があるのだとすると、それは むしろその背徳感みたいなところにウズウズさせられてしまうってことなんでしょうか。
(但し、この彫刻群が 後にどう扱われるのかは知りませんので、" 祖末 " にされているかどうかは不明ですけど。
「スタッフでおいしくいただきました。」ということになるのかも。)
例えば、街興しイベントとかで「巨大○○で世界記録に挑戦!」とか言って やたらとでっかい/もしくは大量の料理を作る話もよく聞きます。
少なくともこちらは「食べる」ことが大前提の " はず " だと思うので前の話とは似て非なるものなのでしょうが、こっちはこっちで そこはかとない違和感を覚えてしまうのですが・・・。
まあ、それはまた別の機会に。
ん? チョコレート展をそんなに掘り下げるつもりはなかったんですが。
(って、そんなに 掘り下がってないか・・・。)
『チョコレート展』の展示は スルーに近い感じで ほぼ通り過ぎて終わったのに続き、常設展の方も 結果的には とりあえず一周ぐるっと回るので精一杯。
またいつか改めてじっくりと、とか思いますが、かつて同じようなことを思った施設に改めて出向いたことって・・・。
ほぼ無いな~。
『国立科学博物館』、私のツボにはまった展示。
★ THEATER 360 (日本館 1F)
球形の 360度全面スクリーンで観る映像作品、約 5分 × 2本。
比較的早い時間だったので、待ち時間無しで入れました。
愛知万博で使った施設を移設したものだそうで。
タイトルは 月変わりで、今月は『マントルと地球変動』と『宇宙137億年の旅』。
ドーム中心に掛かる橋の上で鑑賞しますが、吸い込まれる感覚が楽しい。
橋の床は両端のみが透明で、中央は不透明。もしこれが全部透明になったら浮遊感 5倍増だと思います。恐らく安全上の理由とかで出来ないんでしょうけど。
(転倒者とか、酔う人が続出しそうだし・・・。)
★ 系統広場 (地球館 1F)
多様な生物の系統を辿る形で標本が展示された円形のスペース。
内容そのものより まずこの SFチックなテイストがツボです。
そんな中で私の大好物は、透明樹脂を駆使して作られている微生物の拡大模型。
基本的に「透けているもの」を観るとゾックゾクします。
(但し、あまり一般的な意味での「透けているもの」ではなく、あくまで " 造形物 " に限定しておきます。)
★ 蟹の標本 (地球館 1F)
一見グロテスクな海洋生物などに関して、
~ 最初に食べてみようと思った人はエラい!
という話とほぼ同義なのですが、改めていろんな『蟹』の形を観るにつけ、
~ あの足を折り取った時に、強酸の体液が " 吹き出さない " ということをイメージできた人はエラい!!
と思いました。
どう見ても 強酸 吹き出すでしょ、あれは。
★ 蝋人形 (日本館 2F)
縄文~中世~近代 に至る『日本人』の様態/生活を蝋人形で再現。
つまり、それぞれの時代における『日本人』の背格好や顔付きなどを骨格標本から類推して再現したリアルな蝋人形に、その時代考証に即した衣装や小道具を持たせた展示なんですが・・・。
ガラスケースに収められてはいますが、全方向からかなりの至近距離で観れます。
で、その蝋人形の あまりのリアルさに驚愕!
正直、これまで『蝋人形』ナメてました。
『蝋人形』と聞いて私が思い浮かべるのは、おおよそ
1.博物館などの展示 (等身大のジオラマ仕立て)
2.マダム・タッソー (蝋人形館)
という感じ。
「1.」に関しては、「ちょっとリアルに作り込んだ " マネキン " 」くらいの認識しかなく、実際にそういうレベルのものがほとんどだったと思います。
あるいは、かなりリアルなものもあったのかも知れませんが、至近距離で観られる展示というのにはお目に掛かったことが無かった。
「2.」に関しては、実物は見たことありませんし、あくまで「有名人の○○さん にソックリ」という " 肖像 " としての文脈で語られることがほとんどだと思います。
そんな経緯からの思い込みで、
「蝋人形」=「マネキンに毛が生えたもの(毛を植えたもの(?))」
くらいの認識しかなかったのですが・・・。
今回、ここの展示物を観て一気に認識を改めました。
" 生物 " としての再現が あまりにリアル!!
顔はもとより、手の甲の血管の浮き上がり方とか、ヤバいです。
当博物館内にはあらゆる動物の剥製やら昆虫の標本やら、「ホンモノ」が多数展示されているわけで。
だとしたら この人形が「ホンモノ」でない理由も見当たらない。
「ホンモノではありません」とかいう断り書きもされてないし。
・・・ 剥製?
ショーウィンドウのマネキンの代わりに人間の剥製が使われていた・・・、というのは 江戸川乱歩 の『白昼夢』ですが、もしや『リアル白昼夢』?
以上。
展示物のラインナップからして " 童心 " に帰って、例えば
「おぉ~~っ! ティラノサウルス!!」
とか、
「おぉ~~っ! 零戦!!」
というのが比較的健全な反応だという気もしますが、私の場合は子供の頃から その辺りに心ときめいた経験が薄い気がします。
ただ、『透けているもの』とか『人間の剥製(じゃなくて『蝋人形』?)』を観て " 童心 " に帰ってテンション上がってるという意味では、決して ティラノ や 零戦 の人たちには負けてませんよ!
何故なら、
『透けているもの』といえば、『変身サイボーグ』。
『人間の剥製』といえば、やっぱり『江戸川乱歩』。
ほら、やっぱり 子供の頃に心ときめかせたものばっかりじゃございませんか!!
・・・という、FJスズキ の『国立科学博物館』初体験でした。
やっぱり、タイトルと同程度には浮かれてましたかね。
(もう「出入り禁止」かな~。)
因みに。
『剥製』の話は、次回記事への布石でもございます。(予定)
■ FJスズキ ■