体に力が入らないのか、ブンレツグランマの口からよだれが漏れる。最近は足が遠のいてしまい、久しぶりに見た姿がそれでいささかショックを受けた。ブンレツさんによると先週辺りからこうらしい。頭がクリアかどうかはその日の体調によって大きく左右されるということで、今日はかなり良いほうのようだ。それ如何にかかわらず締まりは常にない。そんなグランマにとって気がかりなのは僕の恋愛事情 で、会う度に励まされる。しっかり見極めろと、よだれを垂らしながら僕を励ます。

コフィーコフィーは麻薬組織に復讐を誓った。看護婦のかたわら娼婦を演じ、ポン引きに取り入り、徐々に大物を始末していく。麻薬は警察も癒着する。友人だった警官カーターも賄賂を拒否したために再起不能にされ、彼女は孤高の復讐者として悪に立ち向かった。1対その他の構図は勧善懲悪で構成も単純だが、70年代のイカしたアフロ・カルチャーをベースにアメリカの暗部をえぐる。低予算を思わせる作りも、逆手にとってチープシックが魅力となる。

底辺から這い上がるきっかけすら与えられない黒人が麻薬に手を染めることはごく自然な流れだった。コフィーの恋人で下院議員のハワードは知識層の黒人として現状打破を掲げているが、彼もまたコフィーの敵である麻薬組織の元締めヴィトローニと繋がりがあった。

主演のパム・グリアをはじめ女優陣は乳房も辞さない乱れっぷりで、15分に1度の割合でたわわな胸を露出させる。演技の未熟さは美貌と色気と体を張ることでカバーした。ゴージャスなファッションに散弾銃を抱える姿は日本でいうと薬師丸ひろ子と長澤まさみが演じるところだろうか。

イメージ通りの音を出せず、そうすると力任せに強打して指が腫れる。しかもそれが使うことの少ない親指というのは、間違った叩き方をしている証なのだ。向上心が欠けている僕ではあるが、ことジャンベに関しては上達したい意識が強いものの、そう簡単ではない。

講師の山崎剛司氏は毎回メンテナンスの仕方も教えてくれる。湿気は皮を伸ばすそうで、天気がぐずつく今は強く張りたい願望を抑える。熱が入っている時期に叩けなくなるのは痛い。痛いのは指だけ、破裂するのは血管だけで充分だ。

ノスタルジアアンドレイ・タルコフスキーの美しい映像はどこか幻想的で、恐怖心を煽らせる。1カットは執拗に追うことで狂気を帯びた。石畳と古い建造物、それにもやがかかるだけでこの世に見えない。殺伐として精気を感じさせない演出がまた現実離れを思わせる。

ロシアの作家アンドレイが通訳の女性を連れてイタリアのトスカーナを旅している。湯治場のある村にたどり着き、そこの狂人ドミニコにアンドレイは惹かれ、彼に近づきその世界観を聞いた。厳密には廃墟ではないが、ドミニコはそれに近い家で暮らす。屋内で火を焚き、水が滴り落ちている。ドミニコの支離滅裂な言動や乱雑な部屋はそれでいて理論整然としているような、一つの哲学が完成していると感じるのは錯覚だろうか。とりわけ、人工と自然が渾然一体となった部屋の、耽美的な小宇宙に魅入った。

救済の願いをアンドレイに託してローマに行ったドミニコは、広場で平和を訴える演説をし、ベートーベン歓喜の歌が流れる中その演説とドミニコが終わった。託されたドミニコはその約束、ロウソクの火を絶やさず湯治場を渡りきる遺志を継いで実行しようとする。容易でなく、病に犯された身で延々と続くその行為が前述の狂気の絶頂となる。タルコフスキーは世界の終わりを憂う。おそらく、その恐怖にさいなまれていたに違いない。

下北沢 に置いたびあんち号に誰かが手をかけている。舌打ち一つ、足を速めて絡もうとしたが、隣の自転車が彼女の愛車のようで、移動させているだけだった。「この自転車、軽いわ」と友人らしき人に言っていて後ろから近づきつつ僕は誇らしげ。「どうも」にこやかに声をかけて彼女は驚いていた。「すみません、ちょっとどかそうと思って」「いえいえ、こちらこそすみません」と滅多なことでは怒りません然とした柔和な顔をする。「いい自転車ですね」と言われた日にはますます穏やかになり「一張羅ですから」と答えた。そろそろメンテナンスに出そう。

オリックスが阪神より先に法大・大引を、日本ハムが巨人より先に日大・長野を指名する中、中日はヤクルトや西武に狙われた浅尾と、オリックスに狙われた菊地を指名できた。高校生ドラフトも含めて今年は順風満帆だ。4名前後と言われていたが指名は6人にのぼり、やはりことが上手く運んだのだろう。

 希望枠:田中大輔・捕手・右打ち・東洋大
 3巡目:浅尾拓也・投手・右投げ・日本福祉大
 4巡目:菊地正法・投手・左投げ・東邦ガス・22歳
 5巡目:岩崎達郎・内野手・右打ち・新日本石油ENEOS・22歳
 6巡目:清水昭信・投手・右投げ・名城大
 7巡目:西川明・内野手・左打ち・法政大


高校生ドラフト
 1巡目・堂上直倫・内野手・右打ち・愛工大名電
 3巡目・福田永将・捕手・右打ち・横浜高

自由枠の田中は体こそ小さいが守備は折り紙つきで、ポスト谷繁を期待されている。荒削りながらそのポテンシャルの高さから、浅尾を現段階ではかることはできず、伸び代に夢は膨らむばかり。左腕王国も過去の栄光として、若手サウスポーの台頭は待たれて久しいが、菊地の存在が活性化に繋がってほしい。

麦の穂をゆらす風サッカー・ワールドカップの年に、あるミュージシャンのインタビューを見た。それが4年前か8年前か、そのミュージシャンの出身地ががスコットランドだったかアイルランドだったかは忘れたが、インタビューアーの「あなたの国は出場していませんが、応援している国はありますか」との問いに「イングランドを負かすところ」と間髪入れずに答えていたことは鮮明に覚えている。

イギリス軍の命令に背き、ケルト語で話したがために少年が殺されて物語は始まる。1920年前後、アイルランド革命が起こる頃だった。少年の死は回避できる、家族を省みない無能で無知なものだったが、誇りを貫いた果てとして同胞の義勇軍の胸に焼きついた。アイルランドのコークからロンドンへ医学留学する予定だったデミアンは葛藤の末、地元のリーダーである兄テディと共に戦うことを決意する。

圧倒的不利の戦いを強いられる中、無益な死が続く。迫られて密告し、仲間に処刑された少年は、母親が文盲だからと遺書を書かなかった。涙しながら発砲する執行役のデミアンとは幼馴染で、その母親には二度と顔を見せるなと言われる。抵抗の結果アイルランドはイギリスと講和条約を結んだが、それは完全な独立を求めるものではなく、条約の賛成派と反対派でかつての仲間同士が対峙するというさらなる悲劇を呼ぶこととなった。

生きるよりも重要な信念があり、それに殉じる。また、因果応報ともとれる最後が待っていて、冒頭と中盤での二人の少年の死と去来した。

いつものベーカリー へ行くと、白い塊が陳列されてある。「あ、シュトーレンだ」思わず声が出た。女主人は「季節だからね」と微笑みながら。ドイツ人は冬、クリスマスまで毎日これを薄切りにして食べ、その日を心待ちにする。ということをここで教えてもらった。中にドライフルーツが詰まって、粉砂糖でコーティングされたシュトーレン。ずしりと重く、日持ちする。会計をしながら、ここで3回目の冬を迎えたことに気づいた。

超造形魂オークションで競り落としてしまった。超造形魂 は原作カラーとアニメカラーがあり、原作のほうを全て揃える。PC周辺が賑やかになり、集中力はより散漫になった。しばし眺める。無意味に並び替える。悦に浸る。

全てを集めないと気がすまないところに、自分が一人っ子であると顕著に感じる。きりがないだけにフィギュアはできれば集めたくなかった。買ってしまったものは仕方なく、浪漫堂 に手をつけなかっただけ良しとする。

真ん中を叩く低音は平行に接触しないと体裁の悪い音が出る。中音が最も難しく、下手な限りは高低との識別がつかない。しならせて打つ高音はしっかり叩けるが、指が赤く腫れるのは正確にヒットしていないということだろう。ククを1st(低、中中、高)と2nd(高、高中、中中)のパートに分けて練習した。アンサンブルはつられてしまう。ミスしてリズムを失い、頭で考えようとすると戻れない。それならば身を委ねて叩き、そうしている間に心地良くなり、ふとトランス状態に入ることがある。これがアフリカン・ビートなのだろうと、勝手に解釈する。