友人の女性とはぐれて彼女を探す。一人の男、日本人ではないアジア系の彼が彼女の居場所を知っているといって近寄ってきた。狭い路地に連れられ、彼は僕に迫ってきた。僕はゲイではないので拒否する。それでも彼は彼女のもとに案内すると、僕を雑居ビルの地下へといざなった。細い階段を下りながらしきりに触ってくる。いくら払いのけても彼はしつこかった。その地下のフロアにはドアが3つくらいあっただろうか。その1つを開けて中に入るよう促された。そこには彼と同郷とおぼしき女性が数人、テーブルを囲んで談笑していた。僕が怒ってその部屋を出ようとすると、彼は力ずくでそれを止めようとする。僕のあちこちにキスしながら。彼を殴り、髪をつかんでコンクリートの壁に打ちつけた。鈍い音がしてうめき声を上げている。やり過ぎたかと思ったが、友人を探すことを優先してそこを後にしようとした。先の階段を上っている途中で振り返ると、毒のように赤い血で顔を染めた彼が追ってきていた。必死で逃げた。走る先が嘘のように白い。そこが夢と現実の境い目だった。

ジャンベを担いで多摩川に。和泉多摩川駅で降りる予定が、下北沢で快速急行に乗って新百合ヶ丘まで連れて行かれた。電車での失敗には事欠かない。快速急行という名前からして、急行よりも停車駅が多いと思って飛び乗った自らの浅はかさ、先入観に嫌気が差す。多摩川を車内から見下ろす予定などなかったのに、往復で2度見ることになった。

台風の影響で流木やら何やらが川岸に散乱している。水かさは多く、流れも急だった。そんな中で暮れるまでジャンベセッションし、夜は花火をした。今年初だが、考えてみたらここ数年やった記憶がなかった。

携帯で試合の経過を逐一チェックしていた。2点リードされたまま終盤7回を迎え、チャンスで1点しか取れなかったところで携帯を閉じる。いつも諦めが早い。中継ぎに苦労するヤクルトは我慢がきかず、8回にも中日は塁上をにぎわせていたことを知ったのは、そろそろ試合が終わった頃だろうかと死に様を見るためだった。まめに更新し、中村紀が逆転打を放ったことが記されたのを見るやガッツポーズして、出先、辺りを見回して人の視線を気にする。

昼に皿うどんを食べながら、僕が生きてきて最も衝撃を受けた食物はそれだということを確認した。小学校の3年か4年かそこらで出会ったその時を思い出す。

まずその形状。油で揚げた固い麺に、これは食すものなのかと、食卓に並べたブンレツさんに猜疑の目を向けた気がする。彼女もまた、九州の物産展で買ったというそれは、得体の知れないものに対する好奇心で手に取ったという。恐る恐る口に運ぶ。中華丼の具のようなあんが載せられ、細く固い麺は真ん中だけが湿って柔らかくなっている。あんがかかっていないカチカチの端とシナシナの中とを一緒くたにすれば、二つの感触が広がって、さらにはとろみによる熱さで舌の上がはがれる。平らげて、ブンレツさんの分からもう4分の1もらったように覚えている。

記憶をそこから辿ったところ、それに勝るものは個人的にない。当時のことを二人で話して懐かしんだ。


昨年と比べると数段に弱いという印象を受けながら中日を見ている。それでも3強の一角に入って優勝争いを続ける。決め手に欠くのは阪神も巨人も同じで、どうにかこの地位にいるという共通の意識があるかも知らん。

山井が再び高橋尚に投げ勝った。先発は先々週と同カードになるのだろうか。山本昌には早く白星をつけてもらいたいという、川上には給料分の働きをしてもらいたいという、心境は違えど切実に願う。セットアッパーが軒並み厳しい今、スターターが負担を軽減しなければならない。打線は割と活発。満塁で李を迎え、立浪に替えろなんて愚痴りつつ、すぐさまテレビに向かって謝った。

ここのところ三軒茶屋に行っていなかった。久しぶりに、そこへ通ずる商店街を走ると軒並みが若干変わっている。惣菜を扱う小さな店がなくなっていたように思う。というのも、その店に気づかなかったので定かではない。以前はそこで鮭のかまを買っていた。脂がのっていて美味だった。もう食べれないとすると寂しい。そのくせ今日は存在を忘れて、帰ってから思い出す。厳密にいうと、空腹になってふと思い出した。夕食の後にまた忘れる。

生ママディ ママディ・ケイタのジャンベ・プレイを目の当たりにできた。イベントはサバールというアフリカの太鼓と踊りのTangana jerで始まった。細い撥を使って、甲高い音が響き渡る。次に、ファイヤーパフォーマンスの和火が繋いだ。ディジェリドゥとヒューマン・ビート・ボックスにのせて、火をつけたポイが幻想的に舞う。

事前の情報ではママディは登場するが、叩くかどうかは半々だということだった。YOUL & WARA.BAのライブの後に彼が登場し、ステージにいる彼と同郷のジャンベ・フォラは直立不動に迎えられ、尊敬の眼差しを浴びていた。3分だけ叩くといって結局は長丁場のパフォーマンスを披露した。ジョレの大合唱はしばらく頭を離れないだろう。