涼しい。長袖を着てみた。まだ早かった。少しでも動けば体は温まるのだ。5月の終わりから9月の半ばまでは例年、半袖だけでいける。半ズボンの範囲はさらに広く、4月から11月までくらいだろうか。
最近、どこかの何かで「半ズボンを穿いている大人は仕事ができない」というコラムを読んだ。なるほど僕を例にとってみたらその通りかも知らん。だからといってそのような凝り固まった偏見を持つコラムニストが僕に与える影響力など微塵もなく、僕が彼と接触することもないと思えば、読後は心境の変化などないまま明日穿く半ズボンをどれにしようかと考える。
ワークショップが終わって、仲間の一人が知らない人からメールの着信があるといっている。それは僕の携帯にも着信していた。先月の代々木公園で取材と撮影を受けて、その雑誌が発売されたという知らせだった。掲載されたらしく喜び勇んで二人、書店へ向かう。ジャンベを背負ったまま店内をうろつくのは迷惑行為だった。頭を下げつつそれを探すが見当たらない。再度メールを確認すると、発売は明日と記されていることを見落としていた。恥ずかしい。いい歳をして、そんなにも雑誌に載った自分を見たかったのか。
英智の代打で立浪が出て、塁に立ってからは藤井に替わってそのまま守備へという黄金パターンが、代走を飛ばす形となった。値千金の代打満塁本塁打とはやはり立浪は恐ろしい。河合リレーも決まって快勝した。このまま貯金週間にしたい。
ところで実況アナウンサーが「直接的に繋がる」という発言をして、違和感を覚えた。「直接繋がる」がしっくりくるのではないだろうか。「的」を使うのであれば「間接的に繋がる」か。対義語でも使い方が違う。直接は文字通り直接、間接も文字通り間に挟んで間接。何にせよ繋ぎの野球こそが中日の身上だ。打線然り継投然り。
再三のピンチをしのいでチャンスを迎え、大量の先取点を奪う。追いすがる阪神を振り切り、先の巨人戦から続いた今週の6連戦を5分とした。これからも厳しい戦いを強いられるだろう。
球数が多くなろうとも中田はスタミナがそれをカバーする。悪いなりにも試合を作った。親指と人差し指で帽子を被り直す繊細な指使いから、終盤でも球威が落ちないストレートを思うと、タイトル争いも視野に入るのではと感じてくる。しょっちゅうボールを叩きつけなければ。
一期JAMメンバーの結婚式二次会パーティーでライブ披露。一身上の都合により遅刻寸前だった。間に合って胸をなで下ろす。しかしライブ前から汗にまみれていた。最初から遅れることは分かっていたので、自分を味噌的なポジションと捉えて緊張は全くしなかった。ジャンベ6人にケンケニとディジェリドゥという構成で30分弱のパフォーマンスだっただろうか。時間は把握していない。一期JAM本隊としては初舞台で、結果は成功だったと思う。この充実感は定期的に催そうというバイタリティに繋がる。
訪れたことのない町だがそこを知っている。以前、見た夢に出てきた。その以前というのがいつだったか覚えていないが繋がった。急勾配の、すり鉢状のそこの真ん中に立って町並みが360度、見渡せる。住宅街だった。店はない。電車も走っていない。すり鉢の外にあるのだろうか。自分がどうやって来たのかは分からなかった。僕が重石になっているかのように、歩けども歩けども底に位置する。世界は僕を中心にまわっていないことも知っている。



