洗面所にある2つの電球は共に年末取り替えて、1つは半年で早々に消えた。残りの1つはまだ煌々とついている。同じ店で同じメーカーのものをまとめて買ったにもかかわらずだ。片割れが死んでから2ヶ月経っても以前健在。ここの電球がすぐに切れることは分かっていた。他の部屋よりまめに消灯を心がけ、1つとなった今は逆に点灯のまま放っておくことが多い。それでも命のともし火は絶えない。こうも寿命が違うものなのか。早世の相棒の分まで生き様を見せようというのなら立派だ。

3安打3本塁打3点で全部ソロだが効率良く。前の試合に続いて英智と中村紀が打った。ウッズはといえばあいかわらず巨人戦に強く、まるで自宅で寛いでいるかのように、バッターボックスは彼のソファだった。または敵地であるにもかかわらず東京ドームの主であるかのように、悠然とした態度で相手を見下す。

高橋尚を相手に山井で勝てたのは大きい。明日明後日、朝倉と川上で連敗は考えにくい。気づくと現在、1軍にいる左腕は多くいる。信頼を置けるセットアッパーがこれまで固定できなかったが、小さい体を目いっぱい使う高橋聡文の好調が、その躍動感よろしくチームに勢いをつける。けれんみなく、マウンドで跳ねる姿がほほえましい。岩瀬につなげる左腕は喉から手が出るほどほしかった。その岩瀬、ビジターのユニフォームを来ての登板の際は、解説者が必ず「今年は本調子でないからつけいる隙がある」と口裏を合わせたような決まり文句をいう。聞き飽きた。人と違う見地から発言してこそプロの解説者だろうが。岩瀬が本来の姿でないことなど、誰だって知っているのだ。それでも岩瀬は解説者を黙らせるのだ。

5回以降の中田の投球は圧巻だった。回を追っても球速は衰えず、横浜打線を全く寄せつけない。見下したような3球勝負を吹っかけて谷繁の強気のリードも冴える。終わってみれば完勝のムードすらあった。

中盤までは一進一退。英智が忙しかった。荒木が戻って森野が外野に固定された現在、残りの外野2つは猫の目のように入れ替わる。守備力で群を抜き、打率も残している英智を固定できないのはそういうところ。そこがまた英智であり、憎めないのだが。

「なまじ勘が働くだけにそれを過信して、大した情報も得ていないのにしたり顔で知った風な口をきく傾向が女性には強い」と、ブンレツさんが言っている。それを聞かされた僕としてはなるほどと、しかし当の本人も同じではないかと、むしろ顕著なのではないかと指摘した。彼女にすれば自分は別格らしい。本質を見抜く力、予想の的中率の高さは一線を画すと自負しているようだ。たちが悪いと思った。自らを省みることの大切さを再確認した。

乱調の下柳を攻めあぐねて辛勝。川上の内容は最高だった。金本の一発は仕方ない。高橋の投球はみなぎっていた。逆転も覚悟していただけに躍動感が頼もしい。岩瀬、岡本、平井の3人を除いて、今季の中日中継ぎ陣は猫の目のごとく1,2軍の入れ替えをおこなっている。安定した左のセットアッパーはほしいところだ。

巨人戦に続いて阪神戦でも勝ち越せたのは大きい。これで後半戦の星は五分となる。エンジンのかかりは悪いが、巨人か阪神を走らせなければそれで良い。

掃除しようと思ってから掃除し終わるまで5時間かかった。実質、片づけと掃除機の時間は30分に満たない。合間に雑誌や漫画を読んで、ゲームして、メールして、一服して、爪を切って、鼻毛を切って、ジャンベを叩いて、踊って、むしろ日常生活の合間に掃除を挟むといったほうが的確だ。僕はよほど嫌いなのだと改めて感じた。しかも、床のあちこちにまだ毛が落ちており、せいぜい5割きれいになった程度だろうか。身が入ったためしがない。
トイレに冷房はない。大概がそうだと思う。この暑い中で踏ん張ったその瞬間、汗がまるで音を立てて吹き出るかのようだ。ぷっくりと浮いた玉の汗が、皮膚の上でばらけて尻を拭く頃には顔と首、全体的に滑り気を帯びている。あごから垂れて脱いだ下着にちょうど落ちる。小便をもらしたみたいになっている。トイレットペーパーは顔をこする時に最も消費する。例えばそれが家ならば、あえて尻を拭かず、ウォシュレットも使わず、浴室へ直行するのも手だ。表面の全てを洗い流す。