3安打3本塁打3点で全部ソロだが効率良く。前の試合に続いて英智と中村紀が打った。ウッズはといえばあいかわらず巨人戦に強く、まるで自宅で寛いでいるかのように、バッターボックスは彼のソファだった。または敵地であるにもかかわらず東京ドームの主であるかのように、悠然とした態度で相手を見下す。
高橋尚を相手に山井で勝てたのは大きい。明日明後日、朝倉と川上で連敗は考えにくい。気づくと現在、1軍にいる左腕は多くいる。信頼を置けるセットアッパーがこれまで固定できなかったが、小さい体を目いっぱい使う高橋聡文の好調が、その躍動感よろしくチームに勢いをつける。けれんみなく、マウンドで跳ねる姿がほほえましい。岩瀬につなげる左腕は喉から手が出るほどほしかった。その岩瀬、ビジターのユニフォームを来ての登板の際は、解説者が必ず「今年は本調子でないからつけいる隙がある」と口裏を合わせたような決まり文句をいう。聞き飽きた。人と違う見地から発言してこそプロの解説者だろうが。岩瀬が本来の姿でないことなど、誰だって知っているのだ。それでも岩瀬は解説者を黙らせるのだ。
5回以降の中田の投球は圧巻だった。回を追っても球速は衰えず、横浜打線を全く寄せつけない。見下したような3球勝負を吹っかけて谷繁の強気のリードも冴える。終わってみれば完勝のムードすらあった。
中盤までは一進一退。英智が忙しかった。荒木が戻って森野が外野に固定された現在、残りの外野2つは猫の目のように入れ替わる。守備力で群を抜き、打率も残している英智を固定できないのはそういうところ。そこがまた英智であり、憎めないのだが。
乱調の下柳を攻めあぐねて辛勝。川上の内容は最高だった。金本の一発は仕方ない。高橋の投球はみなぎっていた。逆転も覚悟していただけに躍動感が頼もしい。岩瀬、岡本、平井の3人を除いて、今季の中日中継ぎ陣は猫の目のごとく1,2軍の入れ替えをおこなっている。安定した左のセットアッパーはほしいところだ。
巨人戦に続いて阪神戦でも勝ち越せたのは大きい。これで後半戦の星は五分となる。エンジンのかかりは悪いが、巨人か阪神を走らせなければそれで良い。


