昼に皿うどんを食べながら、僕が生きてきて最も衝撃を受けた食物はそれだということを確認した。小学校の3年か4年かそこらで出会ったその時を思い出す。
まずその形状。油で揚げた固い麺に、これは食すものなのかと、食卓に並べたブンレツさんに猜疑の目を向けた気がする。彼女もまた、九州の物産展で買ったというそれは、得体の知れないものに対する好奇心で手に取ったという。恐る恐る口に運ぶ。中華丼の具のようなあんが載せられ、細く固い麺は真ん中だけが湿って柔らかくなっている。あんがかかっていないカチカチの端とシナシナの中とを一緒くたにすれば、二つの感触が広がって、さらにはとろみによる熱さで舌の上がはがれる。平らげて、ブンレツさんの分からもう4分の1もらったように覚えている。
記憶をそこから辿ったところ、それに勝るものは個人的にない。当時のことを二人で話して懐かしんだ。