5階に住んでいる。夕飯前の小1時間の予定は、向かい2軒先のクリーニング店でシャツを受け取りついでにごみを捨て、一旦戻ってから半額セールのツタヤまで自転車で行くこと。ごみ袋とクリーニング伝票を持ってエレベーター前に立つと、それが可動していなかった。先の大きな地震が影響したか。今は承知した。しかしこの後のツタヤはどうしようと思いながら階段を下りる。自転車を持ってここを昇降するのはきつい。歩いて行って見たいものが貸し出し中だったら浮かばれない。ただでさえ人の多い店で、セール期間となれば品揃えが悪いことは目に見えている。思案しながらクリーニング店に着くとそこは閉まっていた。10分遅かった。だんだんと苛立ってくる。帰ってからエレベーターの管理会社に電話をしたが、何度かけても繋がらない。どうもどこのエレベーターも運転が停止しているように思う。無駄な行動ばかりして沸々と怒りがこみ上げる。

短気な人間は下手になだめると逆効果になる。同調するか放っておくに限る。たぎった血を助長するためにProdigyを選んだ。一時期は阿呆のごとくこればかりを聞いていたことを思い出す。1994年は高校生だった。硬質ドラムンベースで沸点に到達し、滑るまで暴れ踊り、シャワーを浴びて跡を濁さず。

PRODIGY
Music for the Jilted Generation
もう朝焼けが眩しくなってから布団に入ると小鳥のさえずりと蝉の鳴き声が聞こえた。セミは今年になって初めてだ。まだ1匹だけで、連鎖反応は起こさない。先走って少し寂しげである。それでもかなりうるさく、なかなか寝つけない。短い命、せめて他の蝉と呼応し合って証を響かせればと、眠りの妨げに対してセンチメンタルになる。そのやかましさに腹を立てることはあるが、蝉は好きだ。涙すら出る。

ユニットバスシンドローム 別れた恋人を忘れられないフジモトは、ユニットバスの天井裏に彼女との写真を置いていた。友人たちはそんなフジモトのことを心配している。友人の一人ダイスケが誕生日を迎え、彼の家でサプライズパーティーを開いた。フジモトはダイスケを驚かすためにユニットバスへ隠れる。そこの天井裏にはなぜか女性がいて、彼女シノハラは幽霊だという。

フジモトとケンタら友人がダイスケのためのパーティーを企画しながら、フジモトには内緒でそれは失恋パーティーも兼ねていた二重構造のサプライズ。複数の場面をカットを細かく刻んで同時進行するシーンは幾つもあった。セリフと映像を分断し、時間軸を交錯させる編集が巧妙である。

自殺したシノハラだが、この世に未練を残して留まっている。「全部忘れたくて死んだのに、今度は忘れられたくなくてここにいる」とフジモトに話す。ケンタを言いくるめ、3人で彼女の実家に向かった。忘れる踏ん切りがつかないフジモトにはシノハラがどう写る。その日は彼女の命日で、家族と親友の姿を見つめるシノハラを、フジモトが見つめる。

幽霊は生前に関わりがなかった人にだけ見える設定で、家族や友人はシノハラの姿が見えない。飲食はしないが人間と接触できる。定義がはっきりとしないものである幽霊に約束を決めることは、ややもすると説明的になりやすいが、流れが滑らかな会話で消化した。

プロデューサーとして友人が携わり、その縁で鑑賞に至ったわけだが、劇場のシネマアートンはこじんまりとしていて居心地が良かった。アンティーク調で狭い階段を上るとオープンテラスもある。晴れた午後にそこで100円で売られているおにぎりでも食べながら一人佇むのも乙かも知らん。上映後のイベントで本作の監督・山口智と「月とキャベツ」の篠原哲雄のトークショーがあった。インディペンデントの厳しさを知る。しかしスタッフが家族的で充実してそうだった。

地味魂~マイナースピリッツ~ 」のヲッさんが開発したネタバトンを受け取った。3問の御題に対してボケを答える企画で、今までにないプレッシャーを感じる。それをあらかじめ言っておけば楽になれそうなセリフ「いや最初から狙ってなんかいないよ」と、あらかじめ言っておく。

第1問
進●ゼミのCM
「数学終わったらスイカ、数学終わったらスイカ…英語終わったら○○」
英語終わったら何?
-綿棒。英語やる前に海に行って耳がガサガサいっている、様。

第2問
今年のフジ25時間テレビは鶴瓶師匠がメインに。さて、来年は誰?
-押尾学。むしろこっちは「愛は地球を救う」ほうか。

第3問
あなたの将来の夢は何?
-卍丸。伊達や酔狂でこんな頭をしない、そんな男になりたい。

追記風
あまりにハードルが高いバトンなので、こちらからは回さないスタンスを取りたいと思います。もしネタバトンをやってみたいという方がいらっしゃいましたら、お気軽に受け取ってください。

オールスター前に中日投手陣オールスターで7連勝を飾る。阪神も負けて最高の形で前半戦を締めた。これで5差。後半は1週間で1ゲームずつ縮めてジワジワと追い詰めていきたい。

チーム状態と川上先発で今日は負ける気がしなかった。球宴出場もあり6回で降板、去年に続き前半戦最終試合は川上-山本昌リレーとなる。10年前はこれが山本昌-今中のリレーだったなと懐かしむ。僕が小学生の頃から第一線で投げ続けている昌。解説の鈴木孝政氏が「性格も素敵性がある」とのたまっていた。相変わらずのアレである。同じように長く活躍している立浪に彼は「立浪のルーキー時代に指図されて泣きそうになった」と解説し、そのさらけ出す姿は涙ぐましい。身を捨ててこそ浮かぶ瀬がある。山本昌の後を継いだ岡本と高橋聡で完了したかったが、ピリッとせずに結局岩瀬を仰ぐ。それでも二人はここまで頑張った。

立浪がようやく仕事をし出した。昨日一昨日と最高の最低限の仕事をこなし、今日は今日とてミスターツーベース。帳尻といえば残るはアレックスで、3年連続の,294の21本達成のためにペースを上げてないと。

ホーム ブンレツグランマが特別養護老人ホームへ。気持ちの切り替えは早いので、病院とで揚々と別れを告げていた。最初が肝心らしく、装飾品を身につけ、髪も短く切っていた。内容は分からなかったが、何か自慢を吹聴しているようだ。入院するまで半年近くいたホスピアに途中寄って、そこでも同じような話しをしている。どうも余計なことまで言っている。そういう時は声が大きくなる。どこに行ってもやらかすことは怠らない。

エビフライを食べた。エビフライを見る毎に思い出すのが、中学か高校の現国の教科書に出てきた“えんびフライ”。その当時を一緒に過ごした友人と再会した時 にも、話の流れは忘れたが、なぜかそのフレーズが話題に上った。「えんびでねくて、エビフライ」と言うだけで、あるいはその一文を頭に思い浮かべるだけで吹き出してしまう。

ストーリーの大筋は覚えていても、作者とタイトルが記憶にない。食後、“えんびフライ”で検索をかけた。三浦哲郎という作家の「盆土産」という短編だと分かってすっきり爽やか。

みかとせいじゅん 第14回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でのプログラム、日本映画公募短編集を鑑賞した。4つの作品からコンペティションも実施される。

まずはゲイの同級生に恋した女子大生を描いた「五色」。ゲイだと知らずに恋心を抱いた彼女は、そうと知ってはじめは戸惑いを見せて偏見を持ち、謀らずも彼を傷つける。始まりとこれからが、握手という形でクローズアップした。

「みかとせいじゅん」は不器用な愛の表現しかできない男女を綴る。ろうあの女の子みかと付き合いながら、暴力が原因で別れた男に復縁を迫られるせいじゅん。20分足らずの作品にもかかわらず、人物像が明確だった。身勝手だが一途な愛を見せるみかに対して、その愛に応えず男とよりを戻そうとするせいじゅんの言動は悲劇でもある。テンポの良さとみかの無垢なキャラクターがコメディの要素で悲喜が交じる。

ミュージカル仕立ての「マチコのかたち」は、同じドレスを着た女性二人がレストランのトイレで遭遇し、親交を深めて愛のかたちを探る。猥雑で個性的なキャラクターが彩った。

「ヘテロ薬」はオムニバス形式で一貫性のある人情劇を展開した。レズビアンやゲイであることに思い悩む人々が、メジャーになれる薬を手にする。マイノリティの辛さを笑いに変換させる、ユーモア本来の姿があった。

上映後に監督のトークショーが催され、生の声を聞けたことが嬉しかったが、仕切りがグダグダで弛みが残念である。4作品は濃度の差が激しかった。「みかとせいじゅん」山岡大祐監督のコメント「ダブルのコミュニケーション障害」(だったかな)が印象に残り、膨らませた長編も見てみたい。

俵に足がかかってから中日は4連勝で粘りを見せる。岐阜長良川球場で朝倉が2年連続の凱旋登板、地元で初勝利を上げた。最終回、ベンチで大あくびする姿がどうにも頭が悪い。6年目にもなってそろそろいっぱしになってほしいのだが、あれを見るとまだ時間がかかるように思ってしまう。ファンや首脳陣の期待を背負っているのだから、エレベーターは早く卒業しよう。

打線の調子から見ても、オールスターまで全勝が夢ではなくなってきた。最低でも5.5ゲーム差に追いつきたい。それにしても英智の打率はどうにかならないものか。せめて自分の身長は越さないと。表示される度に萎える。

八幡湯 八幡湯 太子堂5-21-4

のれんはかかっていないが、男性側に「男舞」、女性側に「湯女」と記されていた。そこを通ると浴場から灯りが強く入る。窓を多く設けて光を取り込んだ。開放的である。サウナが備えられているために水風呂も設置されている。普段ならのぼせるので長湯はしないのだが、あえて長く浸かり、ふらふらになりながら水風呂に入る。心臓に負担がかかるのが認識できた。それでもこれは快感である。見上げると窓から煙突と青空が見える。あまりに心地良くて眠くなってきた。他に座風呂とバイブラ、薬湯、電気風呂があった。水風呂と交互に入って長居する。

先刻まで番台に座っていた男が、下着姿でサウナに敷かれているタオルを取替えに来た。使用済みのタオルを抱えてボイラー室に入り、程なくして今度は全裸で浴場に現れた。客が減った頃合いをはかって彼も入浴する。彼の動きは全てが手際良い。そんきょの姿勢で体を洗う。濡れた手ぬぐいを絞り、そこから切られる水がビシッとまたキレが鋭い。無駄のない動きが粋である。

脱衣所に張り紙があった。「他店で盗難が多発しています。大金を持参しないでください。エサをやるようなもの。不審者がいたら声をかけてください。嫌がります」とある。どこか、おかしみがある。微笑ましく思いつつ、ロッカーの鍵を開けたままタバコに火をつけてテレビを見ていた。吸い終わってから荷物を片付けると、銭湯に入る前にタバコを2箱買っておいたはずだが、1箱しか見当たらない。出たか。財布はやられていなかった。その程度の被害なら何も言うまい。

テレビは大相撲を写していた。普天王関が3勝目をあげる。相手の攻めに耐え、誘いにも動じずに堂々とした内容だった。番台は女性に替わっており、常連らしい淑女と相撲談義に花を咲かせていた。横綱・朝青龍関の傲慢な態度に苦言を呈している。淑女は横綱の仕切りを真似たりして、それが愉快で僕も話に混ぜてもらった。「朝青龍を負かす力士は出てきませんかね」と問うと、渋い顔をして「しばらくあいつの天下でしょ」と答えて「湯女」をくぐった。