1泊2日の旅行に出かけた。貸切露天風呂、部屋食、手頃な値段と場所を考慮して伊豆は伊東の旅館へ。道中で規模の大きい廃墟を発見してしまった。僕はテンションが上がったが、彼女はどうにも冷ややかだった。次の機会に訪れるとしよう。
海に面したこの旅館は貸切露天風呂が幾つもあり、まず最上階のそれに入った。全裸で仁王立ち、景色を眺めつつ見下ろすと、海岸を歩く中年カップルがいた。女性のほうの様子がおかしい。表情までは確認できないが、どうもチラチラと見られているような気がした。試しに手を振ってみる。向こうも手を振った。丸見えのようだ。
風呂上りに町を散策し、東海館で伊東の歴史を学ぶ。老舗の旅館だった東海館は経営不振で廃館になり、市に譲渡されて観光施設になった。なかなか趣深い。
宿に戻って夕食をとる。その量が半端ない。食べ過ぎてしばらくは動きたくなかったが、旅館の風呂を制覇しようと、膨れた腹を突き出して館内を歩いた。しかし2度も浸かれば充分満たされ、だるくなって断念した。
朝のラッシュとは逆方向に乗り、3人掛けの座席の連結部分寄りに座った。向かいは全て埋まっている。その真ん中で若い女性が口を開けて寝ていた。凝視すると目も半開きである。それではどの角度から見てもブスだ。しかし僕もしょっちゅう車中でよだれをも垂らす。次の駅に着くと対面に座っていた男性が降りた。彼女は目を覚まし、そこに移動した。まぶたを上げると瞳は大きく、綺麗な人だった。
向かいの3人掛けの、逆の端に座っている厚化粧の女性は急行1駅をかけてマスカラに夢中になっていた。次は口紅を塗りたくる。この口紅を塗る様というのは、どんなレディでも醜く見えてならない。しかし車内くらいで化粧をすることは全く構わない。今後彼女の人生に関わる確率は微々たるもので、逆もまた然り。互いがあずかり知らぬ関係であるからして、迷惑さえかけなければ何ら問 題はない。眼中にないとの意思表示にもなり得る。
口紅を塗り終えるのに同じく急行1駅分、先の目口半開き女性はそこで降りた。
9つのラブストーリーが同時進行し、バイオリズムが足並みを揃える展開でリズミカルだった。
全体的に博愛の香りが漂ったが、ロートルとなったロックスターのストーリーがそれを消す。過去の栄光も地に落ちてすっかりうらぶれた歌手がヒット曲のリバイバルをリリースし、クリスマスソングで起死回生を狙う。歯に衣着せぬ喋りが功を奏し、チャート1位に返り咲いた。彼は散々文句をぶつけたマネージャーへの愛を伝える。エルトン・ジョンの名前を出されて、そのガチンコは笑っていいものか。
親友の花嫁に恋をしてしまった男に共感を得た。彼女に察せられて気まずくなるが、クリスマスに気持ちを伝えて「これで満足だ」と吹っ切る。全編を通していえる「クリスマスだから」actuallyいいではないかと、最も輝いていた。
クリスマスの5週間前からその当日までの愛の群像。ブンレツさんのセレクトであるイギリスのラブコメディをクリスマス5週間前に。リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、アラン・リックマンなどイギリスを代表する俳優は、多くの舞台を踏んでいると思わせる技量だった。アメリカン・ギャルを演じたエリシャ・ガスバートといえば、24時間リアルタイムで奮闘中の父と同じ会社で働く姿とは打って変わって、ビッチもよく似合う。
近所の銭湯は行き尽くした。以前、薦められた銭湯まで自転車片道30分。ギアをマックスにして大量の汗をまとい、準備は万端である。
アクア東中野 中野区東中野4-9-22
営業時間の3時を少し回ったばかりにもかかわらず、既に客で賑わっている。老人が多く、バラエティ豊かな睾丸がそよいだ。年輪を刻んで変形具合も機知に富んでいる。
打たせ湯、寝風呂2種、座風呂2種、中温湯、高温湯、水風呂と、様々な湯が堪能できる。浴場に大画面のテレビまであり、長く楽しめた。屋外には薬湯と全長10m弱のミニプールまで付いている。体を温めてからプールで潜水などをいそしんだ。全裸で泳いだのはおそらく初めてだ。しかし、やはり、季節は厳しく、軽く頭痛をもよおした。
帰りは蒸れないようスピードを落とした。前方に自転車を確認しては、仕方ない。
皆がけばだったセーターを着てつんつるてんのズボンを穿いている。東京タワーの建設が始まり完成するまでの、昭和33年の春夏秋冬を織り交ぜた下町人情群像劇。VFXを駆使して当時の町並を再現し、小道具にも細心の注意を払って古き良き時代をアピールした。
作家を目指す茶川は、飲み屋のおかみ・ヒロミに入れ込んでいる。酒の席で、知り合いの子供・淳之介を預かってくれという彼女の頼みを断れなかった。茶川の家の向かいにある鈴木オートは、集団就職で上京した六子を住み込みで雇った。彼女は最初こそ馴染めなかったが、主の則文、家庭を支えるトモエ、やんちゃな息子・一平の鈴木家に愛され、東京の暮らしにも徐々に慣れていった。彼らが暮らす夕日町三丁目は、貧しいながらも活気に満ちていた。
暗転のタイミングがテレビドラマのようで、そちらで続編なども作ってほしいところ。キャラクターを膨らますことはたやすく感じた。中でも氷売りを演じたピエール瀧が、時代の波に飲まれて今後どうなっていくのか。それより気になったのは瀧の腹がこんなにも出ていたのかということ。
15世紀のフランスの英雄、ジャンヌ・ダルクが聖女に加えられたのは没後500年近く経った1912年で、本作はそれから間もない頃に製作された。タイムリーな作品である。
イギリスに捕まったジャンヌに自らが異端児であることを認めさせようと、裁判官は言葉巧みに彼女を責めて署名を迫る。四面楚歌の中、敬虔なクリスチャンであるジャンヌは神を信じて孤軍奮闘した。法廷サスペンスの極みが80年前にあった。
フィルムの状態は悪いが、クローズアップでジャンヌや裁判官の表情が細かに分かり、秒単位での心理を汲み取る。ジャーナリスト出身というカール・ドライヤーの片鱗か。学がなくとも高貴で美しいジャンヌとはとは対照的な、老獪な教会の人間たちの一様に醜い表情を映すパン。ジャンヌ・ダルクを演じたルイーズ・ルネ・ファルコネッティの大きな眼に溢れ、こぼれる涙が、鮮烈だった。あおり気味に撮って彼女の慟哭が、サイレントでも聞こえるようだった。
ここがユーロスペースとしてはこれで見納めとなるだろう。早めに整理券を受け取って、近くのドトールに行きタバコをふかし、同じように一人でコーヒーを飲んでいる客を見て、「あの人もユーロに行くのかな」と思いながら店を出て、劇場の扉の前で順番待ちをしている時にドトールで会ったその人を見つけ、「やはりな」とほくそ笑むことは、もうない。カップルや友人同士で来ている客は少なく、人は溢れているのに劇場の外でも会話が聞こえなかった。作品も無声映画で今日は終始静寂の中。
mixi経由だがアメブロガー同士の同志「Lily Rose Garden
」きょうぢさんからいただく。言葉は、プレッシャーを勝手に感じる。力が入った。
1:好きな言葉は?
片隅に「ユーモア」を常に忘れず。
2:あなたの口癖は?
「さくっと」「めんどい」「マジ(です)か」。日に5回は言っている。あれやそれなど指示語で済ませようとする傾向もある。
3:あなたにとって最大の褒め言葉は?
「良い」「うまい」「タフガイ」「ナイスガイ」の中から選べない。
4:普段、出来るだけ使わないようにしている言葉は?
ものを無くすのは自分以外の誰の責任でもないので「どこにあんだよコラ」と怒鳴り散らさないように心がけている。
5:最近、言われて一番腹の立った言葉は?
「すぐに返事よこせよ」と、メールの返信率が5割を切る男に言われた。
6:一度言ってみたいが、きっかけが無かったり。
「今日も来てくれてありがとう」。誰も来ない
。
7:普段何気なく使ったりするけど、実は意味を理解していない言葉は?
音楽に関する用語は大体全てあやふやな理解のまま多用する。
8:普段の生活において、思ったことの何%くらいを実際に言葉に出してる?
ある程度までははっきり言う性質なので、75%くらいは言葉にしている。口は軽い。秘密は僕に言わないほうがいい。
9:面と向かっては言えないけどメールでなら書けることってどんなこと?
つじつまが合う言い訳は、とっさに口から出てこない。練りに練った文章で書く。家族や友人への感謝の気持ちや、恋人への愛の言葉も、メールや手紙だと饒舌である。
10:プロポーズとして、言いたいor言われたい言葉は?
「結婚しよう」。シンプルにいく。
11:今日で死ぬとしたら、最後に誰に何を言いたい?
家族か友人か恋人か迷う。付き合いの長さからブンレツさんに「ごめん」。先に死ぬのはできれば避けたい。
12:人生において「ありがとう」と言った数と言われた数は?
果たしてその数を覚えている人はいるのだろうか。感謝されることはせずに生きているので、確実に言った数のほうが多い。およそ2倍程度だと思う。
13:現時点で最後に発した言葉は?
「くさっ」と先ほど屁をこいた。
14:あなたにとって言葉とは?
最も重要なツールである。言葉にしなくとも察しろなどとは都合の良い話。
15:このバトンを誰にわたす?
このバトンを誰に渡す。
プレ追記
日々快便です。小まめに何度もトイレに行く僕です。ことバトンに関しては別、便秘なのです。きっちり止まります。しかし固く閉まった門もイチジク浣腸を使えばスルリと出ます。このバトンをやってみようではないかと手を差し伸べてくださる方を、イチジク浣腸に例える僕のことをまさしく「恩を仇で返す」というそんな現象です。
睡眠時無呼吸症候群のためか霊感が強いためか、寝入りばなに嫌な思いをする。得体の知れない恐怖が襲ってきてうなされる。左脳が活動していないのだろう。助けを求めようと声を発しようとしても、言葉が出てこない。ほぼ毎夜パニックを起こしている。「あー」とか「うー」とか叫ぶとブンレツさんが心配そうにドアを開けて僕を起こすこともある。これはソウウツシニアやソウウツカズン、ソウウツアンクルにもあるようで、遺伝的なものらしい。
うまく呼吸ができず、腕などを捕まれ、胸などを抑えつけられる錯覚。小さい頃は睡眠自体が怖かった。朝になるとすっかり恐怖感はなくなっている。今ではすっかり慣れて今日もまた布団が恋しい。寒くなってとりわけ愛しい。

