エンターテイメントがてんこ盛りだった。最初から最後まで見せ場をふんだんに用意してある。アルフレッド・ヒッチコックは息をつく暇を与えない。
ロジャー・ソーンヒルはキャプランという男に間違えられて誘拐された。そこから怒涛の展開が始まる。崖から車ごと落とされそうになり、そこでは一命をとりとめたが、キャプランを追う組織から執拗に狙われる。殺人犯の容疑もかけられ、警察もソーンヒルを追う。アクションとサスペンス、両方の王道を踏襲した。ニューヨークからシカゴ、サウスダコタと渡り、その地と道中でイベントがある。主人公のソーンヒルは場所を移すたびに新たな発見を得て、もしかするとこれはロード・ムービーともいえるのか。
原題の「North by Northwest」を「北北西に進路を取れ」とするのは意訳だと思われるが、乙なタイトルである。アメリカの地図を広げて地理関係を確認し、タイトルと内容とそぐわない気がしても、それはさして問題ではない。想像力をかき立てられた。
母は一粒種の僕に心血を注いだ。母はまず女児を身ごもったが、僕の姉になるはずだったその子供が陽の光を浴びることはなかった。母は親の愛を知らない。母はそのせいか、僕のための犠牲や苦労を全くいとわなかった。母は僕にとって唯一、全幅の信頼を寄せている人間だ。
母は元来体力がすこぶるない。母は病弱でいろいろ患っている。母は15年前に乳がんになりかけた。母は10年前に脊椎を痛めた。母は5年前からげっぷが絶え間なく出るようになった。母は最近リウマチになった。母は脳の血管が切れるという遺伝を恐れている。母はそれでも、バイタリティがある。母は僕にとって絶対的存在だ。
母に腸がん の疑いがかけられた。母は、以前に乳がんのことがあったからショックはさほどなかったと言っている。良性の可能性は低いらしい。
季節は夏、カメラマンのジェフリーはレースの撮影中、事故に巻き込まれて足を骨折した。彼には美しい恋人がいる。彼が住むアパートの窓から正面と左右にアパート、その隙間から通りが少しだけ見える。アルフレッド・ヒッチコックは、最初の2カットでこれらの情報を全て詰め込んだ。車椅子で部屋から出られないジェフリーが、ビルに四方囲まれた裏庭とアパートの住民の私生活を覗く。ヒッチコックはさらに、カメラを一室から出さなかった。
右手に見える一室は作曲家が一人で住んでいる。正面ではハイミスが一人酒、階上にはセールスマンと病床の妻、3階の夫婦は犬を飼っている。その隣の家は上にグラマラスな若い女性、下に太った中年女性がいる。左手のアパートには新婚夫婦が越してきた。ジェフリーは次第に彼らの暮らしぶりにのめり込んだ。そして彼らの中で不審な動きをする者がいた。場所はそこから動くことがなく、住民の動向が時系列のまま同時進行する。ヒッチコックが創造神として、立体的セットとキャラクターを完璧につかさどった。
相性が悪いのか、入場門にてその日が休園だと知らされたことが2回ある恩賜上野動物園に、3度目の正直で入園できた。祝日でかなり賑わっている。外国人も大勢いて、しかも様々な人種が訪れている。さながら人間模様も観察できた。ベビーカーが邪魔くさい。子供を乗せずに荷物を置いて、人の足をひく。
どうも僕はシチュエーションコントが好きらしく、動物のしぐさにいちいちアテレコをしていた。今日は調子が良いと、それは勘違いかもしれないが。入園料600円でボリュームある満足感を得た。しかし閉館時間を見誤って、夕方早々に動物たちは宿舎へ戻ってしまった。象
が闊歩する姿を見れず、テンションが一気に下がる。先までの饒舌が嘘のように、僕は歩き方までふてくされた。
特にこれといって用事もなく、レンタルショップを徘徊したついでに借りてきた映画を見てその後は読書を勤しもうかと午前中、といってもぎりぎり12時になっていない時間に起きて、そう思っていた。特にこれといって用事がないということは、ブログで映画と小説、計2つの記事を更新しようと、意気込んでいた。
テオ・アンゲロプロスの作品「永遠と一日」。この邦題は素晴らしい。数年前に鑑賞して、途中で眠ってしまった苦い経験があるが、映像はもちろんのこと「永遠」と「一日」という言葉のコントラスト、その美しさが焼きついている。僕はひどく無駄な一日を過ごした。
今日は、ビデオテープをデッキに入れることもなければ、読みかけの本しかも短編小説を手に取ることもなかった。それすらも億劫に感じたのだ。無駄に酸素だけを摂取して人類に申し訳ない程の一日だった。 なぜそんなにもだるかったのだろう。いちいち理由を求めてみる。しかし言及しようと試みても、それすらももだるく、眠ることにした。
ゆちんこ姉さん
に誘われて“破壊宙vol.3
”代官山UNITにて。今まで体感したことのないものばかり、キワモノが揃って個性溢れるアクトだった。
関西の出演者が多かった。変則3ピースのtrio los fegccioは、ギターのビジュアルと片方のドラムのパフォーマンスが微妙で、ツインドラムの必要性も理解に苦しんだが、それでもシンプルなメロディとリズムでのれる。曰く実験サウンドのnanycal Zはキテレツっぷりについていけなかったが、砂十島NANIのドラム教則ビデオを持つだけはあって凄まじい。大所帯の1★狂は和テイストを織り交ぜながらのごった煮サウンドだった。トリは54-71。スネアがきつい。キックが重い。以前見た時
よりもグルーヴが感じられた。
彼女とは朝霧jamに行く
際、mixiで車の同乗者を募集して知り合い、ブログなどで交流はあったが再会は朝霧以来だった。終了後食事。
ネットレンタルのDISCASに移行しようと思っていた
が、品揃えの悪さと月に8本も見ないだろうということで迷っている。近所のレンタルショップは2つある。最寄の店はアダルトとアニメで半数を超え、品揃えが悪いくせに値段もそう安くないので論外。自転車で10分弱の三軒茶屋ツタヤは準新作の多さが鼻につく。他の店舗はどうなのだろうと、近場で知っている範囲、大きいツタヤを回ってみた。
恵比寿店
新作 当日340円、1泊390円、2泊490円
準作 当日340円、3泊390円、7泊490円
旧作 当日340円、7泊390円
ツタヤのHPではビデオの在庫が都内随一とうたっている。果たしてそうなのかと、それほど多いようには思えなかった。新作と準新作の作品が少なく、旧作になるタイミングは早そうだ。
渋谷店
新作 当日340円、1泊390円、2泊440円、3泊490円、7泊600円
準作 当日340円、1泊390円、2泊440円、7泊490円
旧作 当日280円、7泊390円
新作まで一週間レンタルがあることに驚いた。しかし高い。僕が嫌いな棚の並べ方として、細かいジャンル分けというものがある。アクションの中でハードボイルド、マフィアなどを区分して何の意味があるというのだ。品は多いがセンスが感じられない。
新宿店
新作 当日340円、1泊390円、2泊440円、3泊490円
準作 当日340円、3泊390円、7泊490円
旧作 当日340円、7泊390円
僕が知る限りではここが最も素晴らしい。難点は貸し出し中のものが多いこと。さらには微妙に遠いこと。雨の日は自転車で行けない。電車だと乗り換え1回、4駅離れている。
三軒茶屋店
新作 当日300円、1泊360円、2泊410円、3泊460円
準作 当日300円、3泊410円、7泊460円
旧作 当日300円、7泊380円
他のツタヤに比べると値段は安いほうだと分かった。しかし、くどいようだが、準新作が多すぎる。2003年公開作品が旧作扱いでない。横暴だ。
渋谷、新宿、池袋、銀座有楽町界隈。映画館が多いこの4つの都市が、東京映画四天王だと思う。そこへ自転車で行く僕は立地的に恵まれている。しかしレンタルして家で見るとなると間逆で、何と治安の悪いことか。
「HAPPY SMILE! with fireflies
」のsugarさんから指名を受ける。自分を何かに例える行為は、プロファイルしているようだった。
1、自分を色にたとえると?
曖昧な色で、黒の濃度が高いグレー辺りかと思っていたら、sugarさんが僕に抱くイメージカラーと合致した。
2、自分を動物にたとえると?
現象の象。ノソノソとした図体で砂遊びや水浴びする様は、相通ずるものがある。
3、自分をキャラにたとえると?(漫画でも映画でも可)
リチャード・ニクソン暗殺を企てた「男」。理解者がいることで救われている。壊れる可能性がなくはない。
4、自分を食べ物にたとえると?
餃子はくささが即ちうまさである。もしくは、こってりしたものとして背脂がのった豚の角煮に、刻み生姜を添えて。
5、次回す人5人を色でたとえると?
回さないから例えない。
追記桟敷
次に回す5名の方をピックアップして、色に例えるのも一興だったのですが、やはり回しません。そこの一貫性は持ちたいと思います。そんなスタンスであるにもかかわらず、たくさんのバトンをいただきまして感謝感激雨あられでございます。表現が古いですかそうですか。
僕がトランクス派になったのは中学1年生の春からで、白ブリーフ卒業は早いほうだと思う。それにはのっぴきならない理由があり、要するにインキンタムシになったためである。締めつけて蒸れるなんてもってのほか、風通しが第一だ。ちょうど性に目覚めた頃、病院で看護婦に言われるがまま白のブリーフ、記憶が曖昧だがややもすれば「何年何組何某」と書かれたパンツを下ろすのは屈辱だった。
トランクスを穿いて風通しに敏感になり、薬を毎日塗ってすぐさま治癒した、とも言いがたく、今でも時折かゆくなることがある。逆に、着膨れする寒い季節のほうが危うい。僕は今、かゆい。
空いている電車の、シルバーシートに腰掛けた。コートの裾からは手首まで覗いていた。脈が打っている様子が分かる。ウォークマンのリモコンのディスプレイで1分を計った。95。
送られてきたメールに、僕の気分は急降下させられていた。憎しみに変えることで自我を保っていた時期があった。顔を見たら今でも逆上する可能性がある。その送り主、新たな門出に向けて多忙を極めているだろう。その送り主、僕は彼女を異性でありながら親友だと思っていた。特別視してほしかったわけではないが、ただ寂しかった。切り替えよう。
Dear T。ひどく疲れた。夜のしじまに思い出すのはY my dear、太く短い君の指。
- The Beatles
- The Beatles The White Album

