朝青龍の8連覇はならなかった。見応えのある場所だった。北桜や北勝力、時津海など日本人中堅力士の活躍が嬉しい。混沌としていた優勝争いも絞られて、勝ち星の差1で栃東を追う白鵬は正直厳しいが、器としては横綱のそれだと思う。案外、琴欧州よりも近いのではないだろうか。その琴欧州は年末年始にメディアに引っ張りだこで稽古不足は否めず、それは本人の意思とは無関係で同情の余地があった。

アメブロガー普天王 は勝ち越しを決める。来場所は返り三役の足がかりとしたいところ。

さなぎ 大阪在住の「有害ブログLv50 」まきすけさんが東京ぶらり一人旅を敢行中。オフ会が催された。自分で「現象です」と名乗る時がとても恥ずかしい。かといって本名を言っても通じないというもどかしさ。関西の人間はちょっとのどもり、つっかえを見逃さない。言い直そうとしても時すでに遅し「え、今なんて?」とくる。以下参加メンバー。

走るのに疲れたら、歩けばいいじゃん! 」ishidaさん
オヤバカ男の言いたい放題 ~ストレートすぎてスマソ~ 」タイホナさん
Tokyo Beautiful Days 」あらいさん
日本文化人のポジションから川崎と大久保の違いを教えてくれたけぐりさん
厚顔無恥、傍若無人、挙動不審、頭脳明晰のやくそ君

二次会の韓国カラオケ店で食べたサナギが印象的。何が印象的かというとツンデレで知られるまきすけさんが全く食べられなかったこと。味は小エビのようだった。今までブロガーの方とお会いしたことはあったが、純粋なオフ会は初めてだった。やくそ君以外は皆良い人たちで楽しかった。最も面白かったのはそのやくそ君だったわけだが、そんな彼と漫画喫茶で一夜を共にする。

部屋を掃除していると、まだ封を開けていないタバコが出てきた。複雑な心境 だ。

日に1kgずつ増えているような気がする。これ以上は危険である。太らずに禁煙など虫の良い話ではあるが、それを実行せんと自転車にまたがって、当てもなく走った。

普段通らない道を選んで、タバコ店が目に入る。「ここはブラックデビル が売っているかな」と覗こうとして、いやしかし発見したとしても買ってはいけないことに気づく。仕方がないのでコンビニに寄り、菓子を買って帰った。

食べたいものがあって近くの中華料理店に行った。カウンターに座る。店員の男女が言い争っているのかどうなのか、おそらく中国語だと思うのだが、とにかく日本語ではないので内容は分からない。ただ、激しい口調だった。メニューを見ているふりをして少しの間、様子をうかがった。女性のほうは日本語も流暢に話す。男性のほうは調理場から怒鳴られていたが、顔色は全く変えない。僕の予想としては、彼は最近日本に来て、古くからの友人だった彼女を頼って働き口も紹介してもらった、という感じだと思う。彼は彼女にだけ横柄な態度をとる。彼女は彼にだけ素っ気ない。

「チャーハンとギョーザ」あらかじめ決まっていたものの、あたかもたった今決めたかのように僕が大きな声でそう言うと、隣の中年男性がこちらを見た。僕はチラッとだけその彼を見ただけだったが、彼はまだ僕を見ている。何なら絡んでも構わないシチュエーションにもかかわらず、僕がそうしなかったのは、その中年のかぶっている帽子があまりに不恰好で、雰囲気も危ない人のような気がしてならなかったからだ。視線を感じながら、おそらく中国人のおそらく友人の男女を目で追った。

「はいチャーハンとギョーザてす」中国人(推定)の男がそう言ったので、僕はおしぼりやコップをどけた。しかし、そのチャーハンとギョーザは変な帽子の男の前に置かれた。全く同じメニューを頼んだ僕に親近感が沸いて、なるほどそれで見ていたのか知らん。ばつが悪そうに食べる変な帽子を、今度は僕が凝視する番である。どう食すのか見てやった。次、僕は違った要領で食べるために。

「チャーハンとギョーザおまちどうさまてした」日本に来て1年以上(推定)が経った彼女が、僕の前に置く。チャーハンとギョーザを交互に口へ運ぶ変な帽子に対して、僕は左手のレンゲでチャーハンをすくい、右手の箸でギョーザをつまんでしょう油、酢、ラー油に浸してからレンゲの上に乗せ、口に入れた。結果的に、新たな食べ方を身につけることとなった。

プルーフ・オブ・マイ・ライフ イギリスの監督や役者は舞台出身者が多く、土壌がしっかりしている印象がある。演出ジョン・マッデン、主演グウィネス・パルトロウで上演された舞台が、そのままに映画化された。この二人といえば「恋におちたシェイクスピア」で、まず間違いないだろうと疑うことなく鑑賞した。

父のロバートが死んでキャサリンは塞ぎこんでいる。天才数学者といわれていたが精神を病み、キャサリンは死ぬまで世話をした。自らも数学の道を進む彼女にとって父親は師でもあった。ロバートの部屋で重大な発見が記されているかもと、教え子で数学者のハルがノートを漁っている。彼はキャサリンに恋心を抱いていた。心を閉ざす自分を思いやるハルに、キャサリンはノートを導く。

Proof、証拠、証明。ハルがキャサリンの主張を最初信じなかったことが、事態を混乱させる。証拠がないというハルに、結果論ではないと答えるキャサリンは正しかった。塞ぎこむキャサリンの思い出として回想シーンがまめに入る。ロバートが、正常に戻ったと思われた時に数式を解明したと喜んでいた。その式は彼が正常でないことを証明した。悲しいプルーフが彼女を追いやる。

主要な登場人物は4人だけで、グィネス、アンソニー・ホプキンス、ジェイク・ギレンホールは語りつくされているとして、キャサリンの姉クレアを演じたホープ・デイヴィス。野心にあふれ、欺瞞に満ちて、最も苦手なタイプの人間として焼きついた。紋切り型でこういう役どころが多いのかと思いきや「アバウト・シュミット」「アメリカン・スプレンダー」では全く違う顔を見せる。というかキャストプロフィールを見て気づいた。カメレオンだった。

30年弱生きてきて、僕の人生でエポック・メーキングなできごとは3つあって、その中で最も大きかった、言うなればターニング・ポイントとなったことは、阪神淡路大震災である。

高校卒業は決まっていたが大学は全て不合格、就職する気はさらさらなく、日の4分の3は口を開けているような締まりがない顔だった時、惨事は起きた。よほど人の役になど立ったことがなかった僕は、のうのうと生きているのが申し訳なくなり、時間だけは持て余していたので、ザックを背負って神戸に向かった。激しいショックを受けた。

長田区役所近く、川沿いの細長い公園にテントを張って、ボランティアグループに属し、できることは少なかったが雑用をこなした。そこで受けた衝撃に加えて、初めて人のために事をおこなったという実感を持った。つまり僕はそこで、不謹慎だが、充実していたのだ。感受性も普段以上に高まっていたと思う。

それから、何度かボランティアという名目で神戸へ行った。2度目だったか3度目だったか、須磨区だったか長田区だったか、ピラミッド型の大きなジャングル・ジムがある公園で、復興祈願フリーライブのようなものがやっていた。そこでソウル・フラワー・ユニオンと今は亡きどんとを見る。後にも先にもあれだけ感動したライブは経験していない。“満月の夕”では頬が濡れた。

1月17日を忘れない。そして“満月の夕”を聞く。

ソウル・フラワー・ユニオン
ELECTRO AGYL-BOP

禁煙を、宣言する。健康は大事である。とりあえずこの結果 が出るまで。

以前に禁煙した時は4ヶ月で断念した。その時は禁煙の天敵である飲み会がしばらくなかったのが幸運だったが、今回は週末に集いが予定されていて、いきなり山を迎える。そこを乗り切ることができるか否か。

その前回はなし崩しだった。北海道の野外フェスティバルでどうしても吸いたくなり、そこから日に5本とか10本とか、結局吸い始めたら元の本数に戻るまで時間はかからなかった。

さて、明日から飯はうまくなり、些細なことできれる日々が始まる。

カミュなんて知らない 昔は名監督として名を馳せた人物が教鞭を振るう大学。丸井、東武、東京芸術劇場が近場の風情あるキャンパス。セリフでもわざわざ池袋と言わせて、もう架空ではなく立教大学と言い切っていいだろう。

立教大学の映画ゼミで作品を作ることになった。高校生が全くの他人である女性を理由もなく殺害したという、実際に起こった事件を題材にする。学生たちは意見をぶつけ合いながら映画を製作した。

時間軸をいじらずにクランクイン前の1週間を描き、群像を捉える。「黒い罠」「ザ・プレイヤー」を語りながら長回し、「ベニスに死す」「アデルの恋の物語」を引き合いに出してキャラクターを説明する。映画好きが、映画作りを題材にして、映画好きを前面に出した、映画好きに贈る、映画だと感じた。しかし、それら引用された名画が未見のエセ映画好きの僕でも楽しめたのは、12人もの主要な登場人物が丹念に描かれ、個性や相関関係がはっきりしていたから。元映画監督の中條教授が、美しい生徒レイに恋心を抱く。常軌を逸した目で彼女を見る。女神のごとく彼女はその実、教養を感じさせない女だった。落胆さらに恥もかかされ、中條は我を失う。皆、浅はかだった。

映画作りに目を輝かせながら尽くし、それ以外にも恋や就職活動など将来を案じ、青春を謳歌しているように見えた。何か目標に向かってやり遂げることの充足を僕は、味わったことがない。苛立ちや腹立たしさが混じった羨望を向けて共感できないとして、しかし確信犯的にそんな感情移入をさせまいとする柳町光男の気概が、戯曲のような演出に感じられた。

移転したユーロスペースは当然きれいで、やはり禁煙だった。座席は見やすい配置で、スクリーンもかなり大きくなっている。会員になったが、会員証はオープンに間に合わなかったようで後日渡すという。

音楽でいうところのミクスチャー。16からなる短編はミステリー、SF、ファンタジーが混ざる。ユニークな設定、まずその発想があまりに豊かで、心してかからないと置いてけぼりを食う。オチがしっかりしているためか、大衆娯楽のようでいて骨が太い。世界は、見聞の段階で既に創造、主観が入らないことはなく想像といえる。長けている。

奇想天外な作風のアヴラム・デイヴィットスンは、解説を読むと文章も奇想天外らしい。類を見ないという悪文は原文でのトライを欲させる。

アヴラム・デイヴィッドスン
どんがらがん

旧ユーロスペース、現シアターN渋谷にまだ行ってない。テーマが重いこと、知名度が高い役者が出演していないことで「ホテル・ルワンダ」は日本での公開が危ぶまれていた。しかし映画ファンの水木雄太氏が尽力し、4600人分の署名を集めるなどして、メディア・スーツ配給でシアターN渋谷にて公開となった。彼が現在、そのメディア・スーツで宣伝のアルバイトをしているということも面白い。

映画館に通いつめたため、司法試験に2度落ちたという弁護士の内藤篤氏も魅力的。名画座・シネマヴェーラ渋谷を作ってしまった。北野武やマキノ雅弘のレトロスペクティブを組むという。今年の目標は、ここや池袋の文芸坐、京橋のフィルムセンターへ通うこと。退路を断つために会員になろうと思う。

そのシネマヴェーラ渋谷と同じビルには新ユーロスペースが含まれる。特集上映にキアロスタミ、カネフスキー、カウリスマキなど相変わらずのラインナップ。「カミュなんて知らない」「ギミー・ヘブン」の両オープニング作品は見逃さない。

さらに同ビルはQ-AXシネマという映画館もある。こちらは上映作品から大したところではないと判断する。