ビートルズ・ライブ1962 スタークラブ | アナログオーディオと音楽★NetThePopブログ

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ヤフブロ移民組

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 090909でビートルズのリマスター盤の発売で色々と盛り上がっている。これがいかなる代物かはもうあらためて書く必要もないような気がする。今のところ私はリマスター盤を購入していない。

 かつてのCD時代の到来とともにビートルズ・ファンがCDを全部買ったかと云えば違うような気がする。私個人はビートルズに関しては基本アナログである。だから92年のデビュー30周年アナログ再発の際、諸般の事情で欠落していたアルバムを何枚か買い直してそれで良しとして今日に至っている。諸般の事情とは単にちょっとお金に困っていた学生時代にレコードを売ってしまったと云う単純な話である。当時はレコードがなくなることなど想像もしなかったし、ビートルズのアルバムは全部買い直し可能だと思っていた。但し、その読みは甘く、レコードはなくなり、英国オリジナル以外の盤もなくなった。おまけに92年を期に初期4枚のアルバムはモノラル化された。
このブログのオーディオのコーナーで左右のチャンネル完全分離型の録音の違和感故にモノラル再生セットを作ったことを書いたが、ビートルズのアルバムに関しては、発売当時のままで良かったような気がする。今回のリマスターはそこのところに意味があるのかもしれない。
 苦言を呈したいところをあげれば「オールディーズ」と「ハリウッドボウル」が含まれていない点である。まあ「オールディーズ」はビートルズが存命中のベスト盤なので曲がダブるのでボックスセットに入れてしまうと意味がないのかもしれない。しかし、英国編集のベスト盤なので単発商品として再発しても良いような気もする。

 さて、折しものビートルズブーム。私個人は違うところに触手が伸びた。アナログ盤時代の東芝が勝手に曲順を変えた1st,2nd、ジャケ違いのヤァ・ヤァ・ヤァ、米国キャピトル編集盤のヘルプ、何故か米国ユナイテッド・アーティストから出ているア・ハードディズ・ナイトを聞きたいとか思いはじめた訳である。また、かなり違法でありながら堂々と発売されていたドイツのスタークラブでの62年録音盤を未だに聞いていなかったことに気がついた。この盤は62年にビートルズがデビュー後、下積み時代に出演していた西ドイツ(当時の呼び方)のライヴハウスに巡業に行った際の録音。家庭用のオープンリールテープにマイク一本つないで録られた非公式録音である。日本ではビクター、トリオ、テイチクとその版権?が渡り歩いてアナログ2枚組で流通していた。84年のCD時代到来時にテイチクがCDとして発売したのを最後に市場から姿を消した盤である。何故か外盤では未だ購入出来るが…。

 そんなこんなでテイチク盤のCDを先日オークションで手に入れた。音の悪さはまさに質の悪い海賊盤級であるが、実に生々しい録音。個人的にはかなり面白い。32曲収録されていて、1曲は全く別のバンド。ライナーには演奏はビートルズでボーカルが店のウエイターと記されているが、その後の調査では"別物"であることが発覚している。オリジナルはI saw her standing thereのみで他は巡業時代からのロックンロールやポップスのカバーばかり。酔客相手にオリジナルをやったところで物を投げられるだけである。その辺は下積み時代に培った経験なのだろう。西ドイツ時代に関しては映画「バック・ビート」をご覧になればその雰囲気がわかると思う。

 ちょっとしたビートルズ・ブーム。私はこんな楽しみ方をしている。いささかひねくれていると言われそうだが…。