先日、売上に悩まれている経営者の方のお話を聴いて、その時感じた違和感を共有したいと思います。
その方は、
「現在売上が下がり気味なので売上を上げていきたい。」と言われているわりに、話を聴いていてもなぜか新規客獲得の方法についてのお話しかされていませんでした。
「既存のお客様はどうなんですか?」と尋ねると、
「来てくれている人もいますけど、何人かは離れていきました。」と言われたので、
「なぜ離れられたのですか?」と、ふみ込んで聞いてみると、
「仕事や家の事情で難しくなったみたいです。でも新規の方も来られたので、売上の下がり幅は少ないです。」
という返答で、なぜか笑顔でした。
ここにむちゃくちゃ違和感があったんです。
既存のお客様が離れていった。
しかも長いお付き合いのある顧客様だったそう。
にも関わらず、
「売上の下がり幅は少ない。」
と笑顔で回答。
要は、
「既存客が離れても新規が来たらいい。」
「売上が下がらなければいい。」
と思っているんですね。
確かに売上は大切だし、下げたくないのは同じ経営者として痛いほどわかります。
でもそこじゃない。
それだけ長い間支えてくださっていた顧客様が離れるということに、何も感じないのか?と。
離れる理由は何なのか?
そこがむちゃくちゃ重要だと。
ものすごくいい人なのに、
この違和感が、「失う人」にはあるなぁと。
「失う人」とは、
無意識に大切な人を失っていく人のこと。
例えば、来店型のお仕事の場合、
これまでずっと来てくださっていたお客様が、突然来られなくなる(離れる)ことってあります。
もちろんお客様が突然離れる理由は様々考えられますが、基本的には、
①他に魅力的なお店(人)が見つかった。
②何か嫌になる理由があった。
③どうしても来れない理由が出来た。
④必要なくなった。
のどれかであるケースがほとんどです。
そしてほとんどのお客様は黙って離れます。
黙って離れられるとどうしようもありませんが、
中には今後来ない理由をきちんと伝えてくださった上で、来られなくなるケースもあります。
とはいえ、今後来れない理由を言ってくださるお客様の来なくなった本当の理由はわかりません。
1番ダメなことは、
離れたお客様の声を間に受けること。
本当の理由は何なのか?
考えてもしょうがないかもしれないけど、
相手の気持ちを考えたり、想像力を身につけるためにも、問いを立てる習慣は必要。
これは僕自身も常々意識しています。
つまるところ、相手の気持ちを理解しようという思い、まさに相手を思う"想い"が想像力を養い、想いと想像力が商いには必須。
大切な人を失わないためにも。
ここが欠けてしまったら、どれだけ良いサービスや商品を売っていても、売れ続けることは不可能です。
もちろん他人事ではなく、自分に向けても。
走り書きですが共有させていただきました。
今日も感謝。