2024年4月 中2道コン国語レビュー | 教科別専門教室FiveSchools OFFICIAL BLOG

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道コンレビューです。

今日は中2国語です。

 

大問1(漢字)

比較的難易度高いと思います。

上位層でも満点はそれほど多くないはず。

 

「未踏」「安泰」いずれも多くの生徒にとって馴染みが薄いのでは。

書くほうも「おさめる」は複数の可能性があるので、意味と文字を区別して理解している必要があります。

 

大問2(資料)

問1は質問文なので、後ろの「原口さん」の回答と比較対照する。

 

問2~4は資料Bの空欄前後の情報と、資料Aを比較対照する。

 

このように、「空欄前後」「傍線部」「傍線部前後」「質問文」の情報と、各資料を比較対照するだけの地味な作業の連続です。

地道に得点を稼いでいきましょう。

 

問5も結局やることは同じ「比較対照」なのですが、資料AとB全部の情報をスキャニングしないといけないので結構手間ですね。手間が多いだけでやること自体は同じなのですが、ただ時間を浪費させるだけの問題に見えてわたしはあまり好きではない。

 

大問3(小説)

出典:辻村深月「この夏の星を見る」

 

(作品紹介)

亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。

 

(作者紹介)

1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で直木三十五賞を受賞。18年には『かがみの孤城』で本屋大賞第1位に。主な著書に『凍りのくじら』『スロウハイツの神様』『ハケンアニメ!』『島はぼくらと』『朝が来る』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『噓つきジェンガ』などがある。

 

コロナ騒ぎ・自粛騒ぎを、皮肉と批判を含めながらクールに描いた小説に見えます。

出版年が2023年ですから、まさに最新作なんですね。

あまりにも内容がリアルで、読んで身につまされる思いをした生徒も多いのでは。

 

問1

盲点になりがちな文法知識。

文節単独の問題ならともかく、「文節どうしの関係」までは勉強が行き届いていない人が多いでしょう。

 

問2

模範解答の日本語にちょっと無理があるのは、書くべき内容に対して、字数制限が少なすぎるからだと思います。

 

自分の家が旅館である

→外部からの宿泊者受け入れ

→コロナ蔓延の元凶扱いをされる

→同じ部活の人に移すと迷惑をかける

→しばらく部活を休みたい

→母にそれを言うと、母が「自分の商売のせいで子供に迷惑をかけた」と感じる

→母が自分に謝る

→母は悪くないので、謝らせたくない

 

ちゃんと説明しようとすると、このぐらいの内容になるわけで、これを60字で説明すること自体が無理があります。

きちんとした日本語で書こうとすると内容を省略せざるをえず、逆に内容をしっかり説明しようとすると日本語が崩壊するはず。

 

模範解答はムリに詰め込んで途中過程をハショリまくったせいで、一読して何が言いたいのかわからない内容になっています。

模範解答というのは、本文を読まずに本文だけ読んでも意味が伝わるものであるべきだとわたしは思います。

 

それこそ普段道コンがよくやるように、空欄前後に文章をつけて、空欄部分を埋めさせるような記述方式にしてもよかったんじゃないですかね。

 

大問4(評論)

出典:長谷川眞理子「ヒトはなぜヒトになったか」

1952年、東京都生まれ。理学博士。総合研究大学院大学学長。東京大学大学院理学系研究科人類学専攻卒業後、専修大学法学部助教授、教授、早稲田大学政治経済学部教授を歴任。総合研究大学院大学教授、理事・副学長を経て、2017年4月より現職。専門は行動生態学、自然人類学。

 

短めの評論です。

いや、昔だったら(20年前とか)ごく標準的な長さだったのですけど、今だと入試レベルと比べて半分の長さです。

小説がやや長めなので、バランスを取ったのでしょう。

文章の難易度も低めで、それこそ20年前の「わたしが学生講師だったころの北海道入試」という感じです。

小説がハードめなので、こっちは満点近く取りたいですね。

 

問1

「チンパンジー」の段落を答えたくなるかもしれませんが、この段落は「7歳」までしかコメントしていないので、問題文の指示にある「一人前になるまで」の時間は説明できていません。

 

問2

空欄前後の内容から「頭部が大きくなることで引き起こされる、ネガティブな結果」を書けばいいと判断できるかどうか。

 

大問5(古文)

出典:「今昔物語集」

平安後期の説話集。保安元年(一一二〇)頃成立か。作者に関しては、古来の源隆国説、鳥羽僧正覚猷説その他があるが未詳。内外の文献の翻案を含む説話一〇〇〇余を、天竺(インド)、震旦(中国)、本朝(日本)の三部に分けて収めた、日本最大の古説話集。全体に仏教的な説話が多いが、本朝世俗部などには地方武人や庶民階級の生活を伝える説話も集めてあり、力強い現実描写にすぐれる。漢文訓読調に和文脈をまじえた文体で、古写本は片かな宣命体の表記法をとり、国語史料としても貴重である。書名は、説話が「今は昔」で始まることに由来。

 

話は特に難しくないと思うのですが、これ何のオチもないのですね。

てっきり「自分の演奏に感動したと思ったが、実は全然違った」みたいな笑い話なのかと。

 

漢字、問2のラスト、問3と、前半が難易度高めで、後半が易しめのバランスに見えます。

全体を通してみると標準におさまるかと思いますが、前半で時間食いつぶして易しめの後半でタイムアップになった生徒は厳しい偏差値になりそうです。

 

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