2024年4月 中1道コン国語レビュー | 教科別専門教室FiveSchools OFFICIAL BLOG

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道コンレビューです。

今日は中1国語です。

新中1生の、中学生としての初めてのテスト、どうでしたでしょうか。

小6時から時間も10分長くなり、文章の内容も「小学生用に書かれた文章」から「大人向けの文章」がメインに変わります(特に評論)。

 

同じ「国語」なのでやるべきこと自体は何も変わらないのですが、やはりある程度の慣れは必要です。

さらに、今後「古文」「文法」が加わるので、夏、冬と難易度が徐々に上がっていきます。

「国語は勉強しなくてもできる」と現状思っている方が多いかもしれませんが、油断していると「アレ??」という結果になってしまうものです。

 

大問1(漢字)

「区域」の「域」あたりが若干難しめでしょうか。

「店頭」を文脈を考えずに「転倒」と書くとかもありそう??

全体的には普通レベルかと思います。

 

大問2(資料)

問2、中学生で答えがアだったら面白いな、と思って一人で笑ってしまいました。

 

特にこれと言ってコメントすることが思いつかないのですが、こういうタイプの問題が毎回これから出るのだ、ということを認識していただければよいかと。

 

大問3(小説)

出典:にしがきようこ「イカル荘へようこそ」

 

(作品紹介)

「もう、イヤ! もう、たくさん!」中学2年の真子は、揉めてばかりの両親にうんざりし、家を飛び出した。偶然たどり着いた画廊で夏鈴さんに出会った真子は、夏鈴さんの住む「イカル荘」でホームステイをさせてもらうことに。インドネシアからの留学生・デフィン、イカル荘の隣に住む夏鈴さんの父・ジジ、夏鈴さんの甥で真子と同級生の颯太らに囲まれ、イカル荘での新生活が始まった。
みんなでご飯をつくること、笑いながら話すこと……そんな当たり前の幸せをイカル荘の生活で感じていく真子。今まで気にしたことのなかったイカルやガビチョウの鳥の声、目の当たりにしたイスラム教のデフィンの断食……広い世界に目を向けるきっかけを与えてくれたイカル荘。
イカル荘での生活も一ヶ月がすぎ、明日はパパが真子を迎えに来る日。最後にみんなでバードウォッチングに出かけ……。
多感な時期の少女が葛藤しながらも、両親との関係修復へと向き合っていく――。

 

(作者紹介)

愛知県名古屋市生まれ。東京都青梅市在住。第49回毎日児童小説コンクール優秀賞受賞。第8回日本児童文学者協会・長編児童文学新人賞受賞。受賞作『ピアチェーレ 風の歌声』(小峰書店)で、第21回椋鳩十児童文学賞受賞。『川床にえくぼが三つ』(小学館)で、第65回小学館児童出版文化賞受賞。著書に『おれのミューズ!』『ぼくたちのP(パラダイス)』(以上、小学館)、『ねむの花がさいたよ』(小峰書店)などがある。

 

問3

解説があまりにあっさりしているので、納得いっていない人も多いのでは。

「だれかの力になってる」が解答根拠になっているのですが、プラスしてその「力になってる」が、具体的には5行目~9行目の真子の様子で説明されていることに気づく必要があります。

 

両親との関係が悪く悩んでいる真子に「お帰り」と語りかけて、気持ちをやわらげているわけですから、となると「人の感情に働きかける」が最適であることに納得いくはずです。

 

問4

「真子が」思い浮かべた姿なので、「夏鈴さん」のセリフを答えにしてはだめです。

問題文の指示を忠実に守るのが高得点への道。

 

問5

これも、傍線部が「夏鈴さん」のセリフですが、答えるのは「真子」の考えであることを把握できるかどうか。

 

問6

これも「ママ自身」の考えであることを把握する。

 

問4~6まで、いずれも「主語」を間違えた段階で試合終了になる問題だらけです。

「主語」をつかんでから答えることが重要なのだ、と道コンが教えてくれているのです。

 

大問4(評論)

出典:齋藤孝「国語力が身につく教室」

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー作家、文化人として多くのメディアに登場。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導を務める。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞。『読書力』(岩波書店)、『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『こども孫子の兵法』(日本図書センター)など著書多数。著書発行部数は1000万部を超える。

 

冒頭で「きちんと聞いている」と相手に伝えるためにはどうすればいいのか?

というテーマが明確に提示されているので、そのテーマを念頭に置いて読むことが重要です。

 

国語力というのは、とどのつまり「新しい情報を、過去に出てきた情報を結び付ける」技術だと思います。

テーマが事前に提示されたということは、そこから先に出てくる内容を、すべて「きちんと聞いている」と相手に伝えるためにはどうすればいいのか? というテーマに結び付けて読めばいいということ。

 

前半の「相手との間に線を引く」という比喩がつかみにくいかもしれません。

 

「相手との間に線を引く」というと、一般的には「距離を置く」という意味になりがちですが、ここではそうでなくて「相手と心を通じ合わせる」という意味で「線を引く」という言葉を使っています。

 

問2

このタイプの問題は最近出題されにくくなっているのですが、これも結局は「抜き出された文章」と、「本文全体」の関係づけです。すべては「関係づけ」なのです。

抜き出された部分が「教師」という具体的な状況になっていることが分かれば、同じく「筆者が教師として具体的に行動している」箇所であるCが正解だとわかる。

 

問3、問5

北海道の高校受験は「問題文の指示」が複雑で、それに正しく従うことが得点に直結します。

そういう意味で「北海道の高校入試はこういうものなのだぞ」ということを新中1生に伝える、ある意味でチュートリアル的な問題と言えるでしょう。

この2題ができなかった人は、本文を読み直すこともいいですが、「問題文」をもう一度読んで、何を答えるように指示されているのかをつかみなおしてください。

そして、解答解説を読めば、なぜ自分の答えが減点されるのかが理解できるはずです。

 

今後、今回の文章よりさらに複雑なものが出題されていくと思いますが、結局は「本文内容の関係づけ」と「問題の指示に正しく従うこと」の2点ができればいいのです。

そういう意味で「今後、国語の勉強はこういうふうに行っていってね」というメッセージが道コンから中1生に投げかけられていると考えてほしいものです。

 

中1の道コン、特に4月とか8月の問題は「中学国語をどう勉強していくか」を問題を通じて中1生に教えようという姿勢が感じられて好感が持てることが多いです。

今回も、その意味でとてもいいと思いますね。復習しがいがある問題だと思います。

 

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