2024年4月 中3道コン国語レビュー | 教科別専門教室FiveSchools OFFICIAL BLOG

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道コンレビューです。

本当は中2とか中1の国語のほうを先に書き上げていたのですが、大問2で採点基準修正が入ったため、修正箇所を知らない人がいたら困るので先に中3をアップします。

 

大問1(漢字)

「操る」を「繰る」と書く人が多そう。

「痕跡」はどれぐらいの正答率になるのか。案外高い気もします。

全体的には標準ぐらいで、正直中2のほうが難しくない? という気も。

 

大問2(資料)

「保護者の声援がなく~」のあたり、中2小説といいなんとなく「コロナの後始末」感がうっすらと出てますね。

こういう問題、5年後とかに解くともう意味が伝わらなくなるのでしょう。

 

問1、問2

どちらも単純に空欄前後の内容・資料Aを比較するだけなので、同工異曲の問題と言えます。

 

問2、道コン事務局から「競技を行うようにする」もOKである旨連絡が来ていますので、もしそれで×にされている方がいれば至急自分の塾に伝えてください。

 

問3

これを間違えるのは、おそらく「手前」というのがどっちを指すのかわからなくなって、エを選んだケースが多いのでは。

「体育館を通って」保護者がトイレに行く、という29行目の情報をふまえて再考してみてください。

 

問4、問5も、問1と同様「どこの情報を見れば答えがわかるか」がシンプルなので、全体としては難しくない作りになっていると思います。

上位高志望者は短時間で満点近く確保したいですね、ここは。

 

大問2までは、とりあえず「やや易」レベルだと思います。

 

大問3(小説)

出典:椰月美智子「十二歳」

(作品紹介文)

小学6年生の鈴木さえ。友だちもいっぱいいるし、ポートボールに情熱を燃やす楽しい毎日を過ごしていたのに、突然何かがずれ始めた。頭と身体がちぐはぐで、なんだか自分が自分でないみたいな気がする。それはいきなりやってきた頭痛といっしょに、さえの気持ちを不安にさせる。大人になったら、自分は特別な「何か」になることができるのだろうか?それまでの自分とは、まったくちがってしまった自分をみつめる、さえの『十二歳』の一年間を描く。第42回講談社児童文学新人賞受賞作品。

 

(作者紹介)

椰月 美智子(やづき みちこ、1970年 - )は、日本の小説家。神奈川県小田原市生まれ・在住。短大を卒業後は会社勤め(実家の介護関係の仕事)をしていた。2002年に『十二歳』で第42回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。また『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞と第23回坪田譲治文学賞をダブル受賞した。2020年に『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。既婚。二児の母。

 

作品紹介文、まっすぐな思春期文学という感じでいいですね。

読んでみたくなります。

 

問1

いきなり「全体の中から比喩を探させる問題」。

正直解くだけなら「首を持ち上げたカマキリ」と「おじいちゃんの背中の匂い」を本文から探すだけなので、別に難しくはないはずです。

どうせなら、ただ比喩を見つけるだけでなく、その比喩で何を表現したいのか、なぜその比喩を使ったのかまで掘り下げる問題にできればすばらしいと思うのですが、機械的にただ発見するだけの作業になってしまうのが問題として惜しいと思いました。

 

問2も、問1と似たような問題で、「みどりちゃん」と「おじいちゃん」が似た状況で、似たポーズになっているところを全体の中から探してくる問題。

 

この場面での「わたし」の心情を思考を考える前に、ただ条件に合うものを機械的に探してくるような問題が先に来るのは、受験生の自然な思考の順番に逆らうようであまりいいものだとは思えないです。

 

問4

間違えた人は、ほぼ質問文のチェック漏れが原因だと思います。

(ちょっと質問文が不親切すぎる気もしますが)

今回は「孫のためにしたおじいちゃんの行動」をまとめる問題であって、おじいちゃんの心境や理由の説明ではないのです。

ここを意識してもう一度問題文と模範解答を見てみてください。

 

問5

「~に驚くとともに愛情を感じながら……」の指定は、さすがに誘導が強すぎる気もしますが……。

 

正直、引用した箇所が良くないのだと思います。

 

「みどりちゃん」の存在が何も活かされていないので、ただおじいちゃんとの思い出を表面的に問うしかなく、しかもおじいちゃんとの思い出が正直大した内容ではないため素直に心情を問うと簡単な問題になりすぎてしまう。よって、問題文や問い方を複雑にさせることで難易度を上げようとしたのかな、と。

 

この小説全体を読んだわけではないですが、前述の作品紹介文を読む限りで言えば、もう少し作品の良さが活かせる良い場所があったのでは。

 

大問4(評論)

出典:茂木健一郎「それでも脳はたくらむ

(作品紹介文)

「脳の中の私」と「私の中の脳」。現代を生きる我々は、脳内にいかにその光景を映し出せばよいのか。脳科学を普段使いして謎に迫るべく、蒙を啓く著者。脳のたくらみと言い分に耳を傾ける。

 

(作者紹介)

1962年、東京生まれ。専門は脳科学、認知科学。

 

問2

「心の理論」を使わずに、という指定はもっと増えていいと思います。

要するに、本文の「それらしいキーワード」を使ったコピー&ペースト答案を防ぎたいわけです。

「~」という言葉を使って、という指定よりもずっと適切に頭を使わせられると思うんですよね。

 

全体的に、設問を順番に追いかけていくと、自然と本文の趣旨がつかめるように構成されていていい問題だと思いますよ。

今回で言えば小説よりこっちのほうが好きですし、国語としてあるべき問題のあり方だと思います。

 

大問5(古文)

出典:鴨長明「発心集」

(作品紹介文)

『発心集』は、鎌倉初期の仏教説話集。『方丈記』の作者として知られる鴨長明晩年の編著。建保4年以前の成立。『長明発心集』とも。仏の道を求めた隠遁者の説話集で、『閑居友』、『撰集抄』などの説話集のみならず、『太平記』や『徒然草』にまで影響を及ぼし、説話の本性というべきものを後世に伝えている。

 

(作者紹介)

鎌倉前期の歌人。通称菊大夫。法名蓮胤(れんいん)。名を「ながあきら」とも読む。京都下鴨神社の禰宜(ねぎ)長継の子。和歌を源俊恵に学びその派の頭領となり、管弦の道にも通じる。後鳥羽院に召されて和歌所寄人(よりゅうど)となったが、のち出家して日野山の方丈の庵(いおり)に隠遁著述の生活を送った。

 

中2の古文もそうなんですけど、結局「なぜ盗人が水飲から脱出できなかったのか」が明確に示されないまま終わるので、読んでいてスッキリしない文章に感じます。

(要するに聖人の法力がすごい、ということなのでしょうけど)

 

問2

本来でいえば、2行目「遠く逃げぬ」の「ぬ」の識別が必要なところですが、問題文の「ーーと思ったのに、……」という指定があるので「ぬ」に特別な意識を払わなくても答えはわかったのでは。

 

その他、難しいところにはすべて注釈がついているので、中学レベルの古典に慣れていれば特に難しいところはなくクリアできたかと思います。

 

全体的にどうでしょう、小説の問題の出し方にクセはありつつも、特にこれといって難しい箇所はどこにもなく、どの大問を取っても「やや易」ぐらいのレベルだったのではないかと思います。

 

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