中2 大問1(漢字)
全体的に標準レベルかと思います。
「唱える」「除く」が若干難しいでしょうか。
「除く」は同音異義語「覗く」もありますが……まぁこっちを書く生徒はさすがに滅多にいないかと思います。
中2 大問2(対話、資料)
さっき中3でも書きましたが、もう一度全く同じことをほぼコピペします。
対話・資料系の問題では、毎回必ずリード文を読んで「前提条件」の確認をしましょう。
今回でいえば、
・福祉施設へボランティアへ行く
・そのための事前打ち合わせを職員と行う
この2点ですね。
次に、対話文そのものや、資料そのものを読むよりも、まず「問題文で何が問われているか」を先にチェックしてしまったほうがまず間違いなく効果的です。
今回の問題は大したことないですが、場合によっては特に解答を出すのに必要ないダミー情報がいっぱい混じってたり、どうでもいい会話が比較的長く続いたりすることもありますので。
あくまでも「問題に対して適切に答えること」が国語でわれわれに課せられたミッションなのですから、軸足は常に問題文に置くようにしなければうまく点を取ることはできません。
問1
問題文「時間についてまとめてすっきりさせろ」という指示をベースに「プリント」の情報と照らし合わせれば、「開始時刻」と「終了時刻」がバラバラに書かれていることにすぐ気づけます。問題文の指示がすべて。
問3
「プリントに抜けている内容」なのですから、逆に「今のプリントに書いてあること」を先にチェックしておいたほうがいいですよね。
プリントには「日時、服装、持ち物、間に合うように行く」という4点が書いてあるわけですから、それ以外の情報を「打ち合わせ」から探していけばOK。
「間に合うように行く」って、当たり前すぎてわざわざ「注意事項」に書くことか? という気はしますが……
問2、問4は特にコメントすべきことはありません。
解答解説を読んでもらえればそれで大丈夫だと思います。
中2 大問3(小説)
まはら三桃「たまごを持つように」という、超ド定番文章の出題。
当塾テキストにも採用されているので、うちに通っている国語クラス生は「やったことある」となった生徒も多かったことでしょう。
的中するなら道コンじゃなくて入試本番で的中してほしいのですが。
問1
文法の中でも再頻出の「品詞」ですが、品詞の見分け方を知らなくても「そして=接続詞」というのはだいたいわかりますよね。英語でいう”and“なわけですから。
だから、今回の問題が当たったからと言って安心はできません。
・その他、ア~ウの選択肢が「副詞」であることを見抜けますか?
・ア~ウを「副詞」だといえる根拠を説明できますか?
(「動詞を修飾しているから」だけでは不足です)
以上2点ができていないのであれば実力としては不足ですので、勉強し直す必要があると認識してください。
(読み取るべき心情の流れ、内容)
リード文
・実良 調子を崩している
・先生 実良をレギュラーから外して早弥を入れる
本文
・早弥 自分には荷が重い
=自分をレギュラーから外して、やはり実良にしてほしい
・先生 焦って直そうとすると悪化する可能性
=自然と直るまで時間と練習が必要
・実良 理解できない、たまりかねて出ていく
・早弥 自分が出ていきたい、自分では実力不足
・春 実良の荷物を届けに行くのを誘う
→早弥 実良に不快に思われそうで、ためらう
→先輩 早弥の気持ちを察して自分が行くよう提案
→早弥 自分が行くしかない、試合へのプレッシャー
問2
これも質問文の意図を理解することが重要。早弥の気持ちを単純に聞いているのではなく、「先生に何と言ってほしかったのか」と具体的な指定が入っていることを理解したうえで回答を考えなくてはならない。
要するに「おまえはレギュラーやらなくていい」と言ってほしかったことを、「自分では荷が重すぎる」という3行目の内容から導けばいいわけです。
問4
答えのポイントは、
1 ヘタクソ=早弥にレギュラーを奪われて、実良が腹を立てている
2 そんな早弥に会うのがこわい、ためらわれる
以上2点をまとめればよいのですが、ここで一点注意。
あくまでも1は「早弥が推測した実良の心情」を述べているだけなんです。
本当に実良が腹を立てているのかどうか、実良に聞いてみなければわからないですよね。
意外と気にしてないかもしれないじゃないですか。
だから、こういうときに「実良が自分のことをおもしろくないと思っているので」のように、断定的に書いてしまうことは減点の対象になりえます。
あくまでも「推測」でしかないのですがから「実良が自分のことをおもしろくないと思っているはずなので」のように、これが「早弥の推測」であることがわかる表現にしてほしいです。
このように「断定していいところ」と、「あくまで推測であるところ」を区別することは国語において(数学でも)非常に大切なものの見方になります。
問3、問5は特にコメントありません。
中2 大問4(説明文)
なかなか面白いですね、文章。
どうしてもこういう言語学寄りの文章は個人的に好きなので、高く評価してしまいがちになります。
現代文、特に説明文(評論)というのは、結局のところ
・具体と抽象の往還
・因果関係
この2点を把握できる人が強く、できない人が弱いゲームです。
1~2行目「辞書、文法だけでは思うように解釈できない表現」
これは「抽象」です。具体的にどんな表現か理解不能な表現なので。
「抽象」からスタートした文章は、すぐに「具体」への変換させる必要があります。
そこで2行目以降、今回は「具体例」が3連発で登場します。
「雨が降らない」「嘘つけ」「親父と同じじゃないけれど」
このように「具体例」が複数出てきた場合は、それらの間にある「共通性」を探すことが重要。
つまり8行目「文字通りに理解しては意味が逆になる」「まわりくどい表現」これが、1~2行目の「思うように解釈できない」の意味である、ということが分かります。
すると、次は「なぜそんな意味が逆になる、まわりくどい表現をするのか?」となりますね。
これが「因果関係」です。
すると14行目「そういう言い方をしたくなる、話者の心理があるから」が理由であると発見できます。
これが問1の答えになるわけです。
問2も「文字通りに理解しては意味が逆になる」という8行目の主張を理解しているかどうかですね。「文字通りと逆」なのだから「嘘つけ」は「嘘つくな、嘘をついたな」になるのは当然のこと。
現代文というのは、このように構造を理解することで、客観的に筆者の主張を分析して解くものです。
問3は「書き抜き」という条件さえ見落とさなければ答えは簡単に出せると思いますが、2段落はわりと読みにくく、趣旨がとらえられなかった生徒は多いかと思います。
2段落をうまく読むためのコツは、23~24行目の「だいたい」を見落とさず、その働きを理解することです。
「そもそも」というのは「元来」という意味ですから、その前で話しているよりも「もっと根本的な話」をするときに使っているということ。
だから、その前に書かれている「主語が誰なのか」という話と、その後ろに書かれている「時間という言葉の意味」の話をいったん切り分けて読む必要があるんですね。
だから17~23行目をひとかたまり、24~29行目をもうひとかたまりとして読みなおしてみてください。すると、30行目以降に書いてあることの意味がもっと深く理解できるはずです。
中2 大問5(古文)
ド定番中のド定番文章ですので、すでに読んだことあるという人も多かったでしょう。
拙著「古文単語速読マスター500」にももちろん収録しております。
(現代語訳)
道コン公式の訳ではなく、村上が自分で訳したものですので、多少表現に違いがあるかと思います。
「自然な日本語」にすることよりも、「できるだけ直訳的に置き換えていく」ことを重視して訳していますので、自分が読み取った訳と比較しながら読むとわりと勉強になるんじゃないかな、と思います。
ある人が、弓を射ることを習うのに、二本の矢を手にはさんで持って的に向かう。師匠が言うことには、「初心者は、二本の矢を持ってはいけない。二本目の矢をあてにして、一本目の矢をいい加減にする心が生まれる。毎回、ただ、成功するかな、失敗したらどうしようと考えず、この一本の矢で決めようと思いなさい。」と言う。わずか二本の矢を、師匠の前で射るとき、その一本をおろそかにしようと思うだろうか(いや、思わない)。しかし怠け心は、自分では認識していなくても、師匠は気づいている。この戒めは、あらゆることに通じるだろう。
問2ができない生徒はかなり出遅れてますので、早急に当塾「中学国語基礎Lesson読解編」の受講を強くおすすめします。
中2 総評
大問3の小説、大問5の古文、いずれもものすごく各種試験に出まくっている超定番テキストなので、ちょっと題材選びが安易だな……という気はします。過去にいろんな問題解いて訓練してきている生徒は、下手すると「両方やったことある」となっても全然おかしくないレベルなので。
毎回題材選ぶの大変なのはとてもよくわかるのですが。
あと、難易度的に中1~中3の中で突出して中2だけ簡単かな、と。
学年の差を取っ払って、純粋に国語の問題として中1のほうが難しいと思います。
文章の題材のベタさもそうですけど、大問2なんかも中1のほうが資料も内容も複雑で、明らかに満点取りにくいものになっていますし。
中1と中2、逆にしたほうがむしろ難易度的に適切じゃないかと。
(中1生の問題として出題されていたとしても簡単なほうだと思いますが)