「It’s Greek to me.」という慣用表現があります。
学校で習ったことを覚えている方も多いのではないでしょうか。
「私にはちんぷんかんぷんです。」などと訳されますね。
Greek(ギリシャ語)は難しいので、理解不能なことの例えに使われているわけです。
英語では「さっぱりわからない言葉」の代表はギリシャ語ですが、その他の言語のケースを調べてみると、なかなか興味深いです。
例えばフランス語では、中国語が「ちんぷんかんぷん」なんですね。↓
http://en.wikipedia.org/wiki/Greek_to_me
さて、話は変わりますが、InDesignのようなページレイアウトソフトには、「グリーキング(greeking)」という機能があります。
小さい文字をグレーの帯で表示することで、表示のパフォーマンスを向上させるものです。
じつは、この「グリーキング」は、先の「Greek to me」と同じ由来なのです。
日本では、カンプ(comprehensive dummy)の段階で、まだ文章が出来上がっていないときに、テキストを左右反転させることがあると思います。
ダミーの文章内容が気にならないようにするためです。
英語では、同様の目的で、英語以外の言語をダミーテキストに使うことがあります。
これが本来の「greeking」です。
実際にはギリシャ語ではなく、ラテン語などが使われます。
ラテン語をベースとした「lorem ipsum」(略して「lipsum」とも)という有名なダミー用のテキストもあります。
以下のようなものです。
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この「greeking」から転じて、ソフトウェアで「小さい文字をグレーの帯で表示する」という場合にも使われるようになりました。