社交ダンスのリード&フォローは口で伝える事は非常に難しく
お相手に自分が思うように踊って欲しかったら自らの身体を
自分がイメージする様に使う事でコンタクト面を通して
お相手の身体を反応させる様にして行います。
教える立場にある方が口頭でどの様に演ずるかを説明して
いる場面を見るているとどんなに強調して説明したとしても
習う側には殆ど伝わらない事が多く生徒は説明を自分の頭で
勝手に解釈する事で全く望まない運動表現と成ってしまい
教える側を困らせる事が有ります。
プロの先生のレッスンを見ていると知識を前面に出し
かなり高度で的確な説明をしていたとしても生徒は
その真意を正しく理解しているとは言えません。
習う側の頭の中に踊り方のハウツーが刻み込まれても
それは言葉の知識に過ぎず実際の音楽表現とは程遠い
思い通り楽しい踊りとは成りません。
難しい理論を説明されても殆ど理解出来てはいないのが
普通とも言えその知識が実際に自分の身体でどの様に
具体的な音楽表現に成るかを知らなければ成りません。
社交ダンスがペアとして一体感の有る音楽表現と成るには
お互いの運動表現が反応し合って生まれる事が大切です。
先ず大切な事は理論以上にその時流れている音楽を
シッカリと自分なりに理解し感じる事です。
自らの身体が流れる音楽に反応する事でその時流れる
素敵な音楽が具体性を持つのです。
コンタクト面を通じてお相手を踊らせると言うより
自らの音楽表現を感じさせる事が大切です。
この事はリード&フォローに於いてとても大切であり
コンタクト面におけるやり取りの内容を決め音楽の
特性を生み出す事に繋がります。
お相手を自分が力を使って思う様に動かそうとすると
直接的な力は身体に拒否反応を生み出す事と成ります。
急に力によって運動をさせられようとすると反射的に
拒否する様に私達の身体は出来ています。
コンタクト面からは誰しもお相手の身体の状況を感じ
如何に演じたら良いかを知ろうとする様に成っています。
つまりお相手の身体の状況に応じて的確に身体を動かす
という運動機能が有るのです。
所がお相手の身体の中に運動が感じられずコンタクト面や
その周囲の筋肉を緊張させるだけでは身体は反応出来ず
動くとしたら頭の中の記憶の再現でしかありません。
多くの踊り手がコンタクト面に直接力を加えたり周囲筋を
使うのみで全身の筋肉の連動が無い事でペアとしての演技が
思い通り出来ていないのです。
社交ダンスが特定の人としか踊れなかったりルーティンを
決めてしか踊れない方が多いのはこの互いの運動表現が無く
ただコンタクト面に力を入れ習った通りのステップや
フィガーを踊ろうとする事に有ります。
リード&フォローによりお相手と力のやり取りをする前に
自らの身体が音楽表現をしている事が重要です。
これはお相手を動かそうとするものでは無く自らの心と
身体が感じている様子を伝えている事に成るのです。