スタンダードダンスに於いてプロムナードポジションに成る
方法は二つあります。
クローズドポジションからプロムナードポジションに成る時
その前にナチュラル系の運動からかリバース系の運動から
入ったかでプロムナードのペアの形態もその後のサイドへの
運動も大きく違って来ます。
どちらの演技も男女が次の進行方向に顔を向ける事から男子が
女子の右サイドを前方に開けば良いと思っていると次に続く
フィガーやルーティンが難しくなりパフォーマンスを悪く
してしまいます。
間違いやすい事はプロムナードポジションが男子の運動で
女子を進行方向に開いている様に見える事から常に女子の
右サイドに男子が圧力を加え女子は右サイドを開く事で
プロムナードポジションを作ろうとしてしまう事です。
確かにプロムナードの基礎的な運動表現は男子に因る
クローズドポジションからの女子へのリードと成って
いるのですが進行方向に互いに向きを変える動作が
安易に男子の運動表現で成されるようでは思い通りの
その後の展開が難しく成ってしまいます。
大切な事はプロムナードポジションはナチュラル系の
運動で作られるだけでなくリバース系の運動からも
作られると言う事です。
つまりナチュラルの回転運動から男女が互いに進行方向へ
顔を向けるだけでなくリバースの回転でもオープンポジション
が作られるのです。
タンゴにおけるプロムナードポジションへの運動を見ると
二通りのパターンが有ります。
多く使われるプロムナードへの運動表現はリバースの
ウォークから男子が一気に左サイドへの前進を使う事で
女子をプロムナードポジションへと導きます。
鋭いアクションの元女子をプロムナード方向に開き
女子のネックのシャープな右方向への視点の変化が
タンゴの雰囲気を醸し出します。
この時男子のナチュラルの回転を伴った上体の力強い
運動により女子が一瞬にしてネックの方向を変え
オープンプロムナードの形を作ります。
男子の左際サイドの前進とナチュラルのローテーションが
リバースの運動動を一瞬に断ち切って作られるこの
美しい形態の変化はタンゴの雰囲気を強く感じさせます。
この時のプロムナードポジションは男子が進行方向に
身体を閉じた状態で女子が右サイドを少し開いた状態と
成ってプロムナードウォークに繋げます。
男子の右方向への回転の結果生まれたプロムナードの為
真横で無く少し斜め前方に進む事と成ります。
次にリバースの回転からプロムナードポジションに成る時は
オープンテレマークの様に左回りのクローズポジションから
プロムナードポジションに入る事から男子はリバースの
左後方への回転を伴いながらプロムナードポジションへの
リードを行います。
この時作られたプロムナードポジションは男子が左後方への
回転運動の継続から作られる事からプロムナードに開いた
ポジションはナチュラル系の運動で作ったプロムナード
ポジションと異なり男子の左足は少し後方に構えられ
女子は身体を殆ど開くことなくプロムナードポジションと
成って男子が少し開いた形と成ります。
その為プロムナードウォークを行うと真横ではなく少し
男子は斜め後方への運動と成ります。
出来上がりはナチュラルの運動から作ったプロムナード
ポジションと似ていますがその後のフィガーは全く
異なったものと成ります。
このプロムナードで少し男子が後方に開いた状態で
立ち位置を決めるとリバース系のアクションである
オーバースウェイやテレスピンと言ったスピード感と
ダイナミックな音楽表現を創り出すことが出来ます。
テキストに書かれている様なプロムナードのテクニックや
ステップワークを使うと初級の資格テストなどに於いては
どうにかなりますが競技会やデモンストレーションの様に
豊かな音楽表現を行うには難しくなります。
フィガーごとにテキストから抜粋した踊りをすると
前後の事を考えず単体でフィガーを演ずる時は良くとも
ルーティンを組んで踊ると音楽表現が難しくなります。
スタンダードダンスに於いて多くの踊り手はクローズド
ポジションからプロムナードポジションに変わる時に
ペアとしてのコンタクトを失ったり繋がりを失っています。
説明的なテクニックを覚えたら実際に身体を如何に使い
ペアとして踊るのかを知らなければ本当に社交ダンスは
思うがままに踊る事は出来ません。
クローズドポジションの踊り方とプロムナードポジション
の実際の踊り方を習う事が必修と言えます。