社交ダンスを踊るにあたって如何にリード&フォローが
うまく出来るかが求められます。
ただ自分のフィガーやステップを正確に踊ったとしても
お相手とコンタクトして演じている関係上お互いに気持ちよく
踊れなければ思い通りの音楽表現は難しくなります。
その為レッスンの過程で男女が行うリード&フォローを習うと
思いますがこの運動表現を正しく理解していない方が多いです。
言葉通りリードは男子がフォローは女子がすると習うだけで
実際にどの様に演じるかを習っていない方が少なくありません。
言葉をそのまま運動に当てはめ男子が女子を自分の思うように
パワーを持って躍らせよとする事も多く男子中心の女子が
付属的な役割で踊っているペアも多いです。
また女子もフォローと言う言葉から男子の力によって動かされ
自ら積極的に動かないで常に音楽から遅れている場合もあり
どちらの運動表現も社交ダンスを楽しく踊ると言うより
互いに運動表現を邪魔し合って踊っていると言えます。
戦後日本に社交ダンスが広がった時は男子が女子を引っ張り
女子は男子の運動に付いていくのが当たり前の様に思われて
社交ダンスの本来の正しい踊りとはかけ離れた踊り方が
一般的でした。日本社会が男尊女卑の風潮も有ったりして
男子が主導権を握る事が社交ダンスの踊り方を何の疑問も
抱かない踊り手が殆どと言えました。
あれから半世紀以上が経って日本社会は男女平等が当たり前と
言われる様に成ったものの社交ダンスは相変わらず男子が
女子を自分の思い通りに踊らせると言う流れが続いています。
リード&フォローは男女其々の役割ではなくリードもフォローも
男女共に行う事が重要であり社交ダンスが音楽表現を着飾った
女子が中心と成って演ずる事から如何に女子が楽しく自由に
踊れるかが重要です。
男子の運動は基本的にペアとして先の音楽表現を想像し
如何に女子を楽しく踊らせるかを考える事が重要です。
小手先で女子を動かそうとしないで自分の重心を動かし
全身の運動表現で自分の意思を伝える事が大切です。
コンタクト部分には全身が動く事に因って均等に力が
加わることと成り女子は男子のリードをコンタクト面
全体から感じる事が出来ます。
この時男子は次に女子がどの位置で踊る事がペアとして
最適であるかを考え自分の立ち位置を的確に変えながら
踊っていく事が大切です。男子が動く事に因り女子の
演ずる場所やコースが決まりリードの役割を果たすのです。
男子は自分の演技をすると言うより女子が自由に楽しく
踊れる様に運動表現をする事で男子の音楽表現を作ります。
女子は男子の運動を受けてからその後を追いかける様に
踊るのではなく男子がよりポジションを自由に変えて
無理なくリードできるように自分の重心を自ら動かしながら
その時流れている音楽をペアとして最も美しく的確に表現
していく事が求められこれがフォローの運動に成るのです。
リード&フォローはコンタクト面から互いに異なった運動を
行うのではなくコンタクト面から先のお相手の領域を感じ
反射的に自分の運動表現を作り上げていく事が重要です。
ペアとしての音楽表現は美しく着飾った女子が中心と成り
男女其々の役割でリード&フォローが同等に行われます。
どちらの立場で演ずるかは音楽表現をどの様に行うかにより
入れ替わるものでありコンタクト面を通じお相手の運動表現を
感じる事に因って瞬時に変わって行きます。
教師とまだ習い始めの生徒が踊る時はリードは先生が行う事が
自然ですが男女共にお相手の運動表現に関わる様になって来たら
出来るだけペアとして美しい音楽表現を行う為に男女共に
お相手に対してリードもフォローも出来る事が大切です。