社交ダンスに限らずスポーツをする時も誰もが少しでも
早く上手に演ずる事を願いトレーニングに勤しみます。
教室に頻繁に通ったりサークル活動に精を出したり
様々なメディアを利用し多くの知識を身に付けたりと
自分が望む魅力的な音楽表現を目指し努力を重ねて
いるかと思いますが一生懸命頑張っているにも関わらず
一向に成果が得られず苦しい思いをしている方も多いです。
知識が足りないから運動能力が足りないからと更なる
トレーニングを行う方も多い様ですが練習量を増したり
更に多くの知識を身に付けたとしても中々上手く踊れず
踊る事が楽しく無くなって来た時は知識や努力の至らなさ
では無くて自分が行っている練習方法が間違っている事が
多いです。
しっかりと先生に習ったとかテキスト通り踊っていると言って
頑張りさえすればいずれ上手に踊れる様に成るとは限らず
その練習方法が間違っている場合上手に踊れないと言うだけ
ではなく怪我の原因と成る事が有るのです。
特に自ら進んで多くの知識を取り入れたり人一倍努力をする
タイプの方に限って自分が行っている事を過信しやすく
結果的に思いもしない様な怪我に悩まされたりします。
特に社交ダンスの場合見た目の印象を元に踊ったり練習を
重ねたりしがちであり過剰なトレーニングが怪我を誘発し
せっかくの努力が無駄に成ってしまう事が有ります。
大切な事は自分の身体はどの様に動かすかの基本的な知識
そしてその為の運動機能をしっかりと理解する事です。
一番気を付けなければいけない事は外見的な印象や
説明上のテクニックやテキストに書かれている説明を
そのまま自分の身体に当てはめない事です。
レッスンを受ける時の説明も素晴らしい音楽表現を見た時の
外見的な印象も身体の中の繋がりを持った運動を行った結果
最終的に生み出されたものであると言う事です。
今正に始まらんとしているWBCの戦いに出場する大リーガーの
大スターである大谷翔平選手の投げる時速150Kを優に超える
あの剛速球は投げられる瞬間指先から放たれるのですが
そのスピードは手先の力で生み出していない事は誰でも知って
いるのですが社交ダンスを踊る方々の中にはエキスパートの
美しいトウライズは足の指先の力で演じていると思っている方が
少なくないのです。
トウライズやボールライズは指の力で力強い足腰は床を強く蹴り
出す事で踊ると思っていると上手く踊れないだけでなく下半身を
傷める原因と成ってしまうのです。
力強いバットスウィングやゴルフスウィングもエキスパートに
成ればなる程手具に触れる手や指はとても柔らかくそこから
パワーが伝えられるとしてもインパクトの瞬間にしか強い緊張は
無いのです。
私達は身体に触れるものに対して最初から身体を固く身構えたり
コンタクト部分を緊張したりはしないのが普通なのです。
触れる事で如何に力を加えたら良いかを脳が判断し瞬時に最も
的確な運動を行う事で思うが儘の生活が出来ているのです。
社交ダンスを踊る時も床やお相手に対するコンタクトは
とても柔らかく対象物の運動や状態を感じ取っているのです。
指先に数百キロの物を動かすほどのパワーを与えると言われる
ピッチャーの腕の強いスウィングは強靭な足腰が地面から得た
パワーを全身の筋肉を繋げる事で生まれます。
社交ダンサーの美しいトウライズや全身の音楽表現も同じく
全身の筋肉の繋がりの結果生れます。
この繋がりをしっかりと認識してトレーニングする事が
社交ダンスを思うが儘踊る事であり怪我をしない練習に
成るのです。
自分の頭の中でイメージできる身体の中の筋肉の繋がりを
意識して自分が望む様な音楽表現を創り上げる事が
とても大切です。