人間は生きて行く為には常に呼吸をし続ける事が必要です。
そんな当たり前の事をと思われるかも知れませんが
多くの方が上手く呼吸が出来ていない事から、様々な
病を併発したり生活リズムを失って健康な毎日が送れて
いない事が分かっています。
普段ほとんど意識することなく行っている呼吸は
誰もが普通に苦労する事無く出来ていると思いがちですが
時と場合によっては自然に空気を取り入れる事が出来ず
思い通りの運動が出来ていない事が有るのです。
社交ダンスを踊る時も上手く踊れない原因がテクニックや
運動表現が出来ていないと言う以前に呼吸が悪い事から
思い通りのパフォーマンスが出来ていない場合があるのです。
レッスンをしていると踊っている最中に呼吸を止めてしまう
生徒がかなり多くいます。
身体を使って大きな運動表現をする時や美しいシルエットを
表現する時に息を止め続けている事に気が付いていない方が
目立ちます。
ステップや運動表現に集中して息を止めてしまっているのかも
知れませんが、運動を行っている時呼吸量が減ってしまうと
全身のパフォーマンスを滞らせる原因と成ってしまいます。
多くの踊り手が曲の初めでは極めて元気なのですが、曲の中盤
ともなると苦し気な表情を見せたり、見るからに運動能力が
減退してパフォーマンスが小さく成ってしまいます。
トレーニングが足りていないとかテクニックや運動表現が
未熟だからと思いがちですが、これらの原因の元が呼吸に
ある事が少なくないのです。
私達の身体は常に新鮮な酸素が摂り入れられなければすぐさま
全身の機能が不全と成ります。
特に脳や神経系は酸素不足は致命的と言え、上手く新鮮な空気が
取り入れられなければ全身の筋肉は緊張弛緩がうまく行われず
運動機能が著しく低下してしまうのです。
素晴らしいアスリートや踊り手はパフォーマンスが最初から
最後まで力強く見ている人に感動を与え続けます。
体力や運動機能が優れていると思いがちですが、彼らに共通の
能力は呼吸が絶え間なく身体に十分な酸素を送り続けている
と言う事でも有るのです。
社交ダンスを楽しく思い通り踊る為に大切な運動は
音楽表現を一曲を通して難なく演じ続ける為の呼吸です。
しかしながら呼吸と言うと口から大きく息を吸うと空気が
充分に身体に取り込まれると思いがちですが、息を吸う時は
出来るだけ鼻から行う事が大切です。
口から息を吸おうとすると反射的に気道が狭く成り呼吸量が
少なく成ってしまいます。これは、食物などを口から取り込む
場合に気管に入り込まない様に反射的に弁が塞がる様に成って
いるからなのです。
意識的に喉を広げて息を吸う事は出来ますが、鼻からの呼吸
に比べてかなりの減量と成ってしまうのです。
口からの吸気は肺に十分な空気を送れ無い事から呼吸回数が
増えてしまいます。
激しい運動をすると鼻からだけでなく口からも息をしますが
これはあくまで鼻からの呼吸を補助する役割なのです。
踊っている時は出来るだけ鼻から深い呼吸を行なう事で
充分な酸素が全身に行きわたりパフォーマンスが思い通り
美しく継続できる可能性が高くなるのです。
普段の生活に於いても鼻呼吸をする事をお勧めします。
口で呼吸する習慣をつけると、常に空気中のバクテリアや
ウイルスが喉周辺の粘膜に付着しやすく病の原因を生みます。
鼻道を通った空気は適度に湿度が与えられ肺に取り込むまでに
体温と馴染む事から気管支や肺のストレスを軽減します。
スポーツや社交ダンスに於いて思い通りの楽しい踊りを
望むのならば、テクニックや運動表現を覚える時ステップや
フィガーを演ずる時にはしっかりと空気を取り込む事が
とても大切と言えるのです。