触れる事から得た知識は豊かなセンスを生みます | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

私達は日頃から視覚から得た情報で80%以上動いていると

言われています。

日常生活だけでなく仕事をしている時も、更にはスポーツや

ダンスを踊っている時も視覚からの情報を元に自分の記憶や

経験を利用しスムーズな生命活動を行っています。

その為、多くの知識を身に付ける時も、視覚に頼る事で

素早い状況判断が出来、学業や仕事に於ける便宜が

図れていると言えるのです。

 

しかしながら、この目から入って来る情報は学問や仕事に於ける

一定の答えが決まっている場合は非常に有効なのですが、

スポーツや社交ダンスに於いては多くの勘違いや誤解を

生む事があり、同じように習っていてもその習得にはかなりの

個人差が出て来ます。

特に社交ダンスに於いては、ステップやテクニック説明が

文章化されたり見てわかりやすく解説される事から、実際に

男女の間に成されている目に見えない運動表現が解らず

一生懸命習った通り踊ろうとしても、思い通り踊れるとは

限らないのです。

 

また、生徒の多くは、教師のテキスト説明的なレッスンを

受ける事から、実際の運動表現と言うより、頭の中の記憶として

踊り方を理解する事がとても多いです。

その為、間違わない様に踊っていると言っても、それは自分の

頭の中の記憶通り踊っていると言う、現実の男女のやり取りとは

違った運動表現を行う事になり、二人の間には常に違和感のある

思い通りに動けない苦しさが伴うのです。

 

どんなに正しい説明で有っても、実際に踊る時は、目の前の

お相手と音楽、そして環境から来る情報に反射的に応える事が

一番大切なのです。

その為には、身体の中をコンタクト面から伝わって来るお相手の

生の情報をしっかりとキャッチする能力が必要です。

実際にお相手に触れてコンタクトしている接触面を通した情報が

最も大切と言えるのです。

身体の中に直接伝わって来る情報は極めてエキサイティングで

自らの心と身体に大きく影響を与えます。

視覚からの情報は、自らの記憶や経験を当てはめる事から

どちらかと言えば分析的であり、ダイナミックな運動表現とは

異なったものと成りがちです。

 

普段から特に手の平や指の腹で様々な物に触れてその感触を

理屈でな無く新たなる情報として感じる習慣がとても大切です。

指や手の平からの情報は脳に非常に大きな影響を与える事が

解っています。

視覚では感じられないお相手の情報がライブで伝わる事で

お相手や音楽に瞬時に対応できる様に成るのです。

また、指の腹や手の平に在る脳に通じる神経センサーは

全身の運動を活発化し更には脳自体にも大きな影響を与え

老化を遅らせ運動機能を高める事が知られています。

 

私達は視覚で判断するとそのまま情報を頭に入れがちです。

しかし、五感をフルに使って得た情報は、全身を活性化し

より正しい知識を選択する力に成ります。

社交ダンスを踊っている時、様々なステップやテクニックを

記憶だけに留まらず、その時触れているお相手との触感を

伴う事でより豊かな表現と成るのです。

頭の中では解り切っているステップやテクニックであっても

その時自分のコンタクト面がどの様に感じ取っているかを

常に感じられる方はお相手だけでなく見ている人にも

本当に自然で人間性富んだ素敵な踊りが感じられるのです。