社交ダンスを踊るにあたって、男女における
リードとフォローの問題は、様々な考えが有り
昔からコーチャーの間でも異論が唱えられて
来たものです。
お国柄や、日本と欧米の感覚のズレがかなりあり
一番適切な方法は、各個人の感覚によっても
それぞれの考えが有り、ペアとして最も適切と
考えられる方法を見つける事がベストと言えます。
しかしながら、多くの方々にとって大切と思われる
基本は共通であり、社交ダンスと言うより、
二人がコンタクトして運動した時、的確に思いを
具現化できる方法として利用されています。
まだ、自分の事で精一杯の方々や、社交ダンスの
経験が浅い方々には、解り難い感覚かもしれませんが、
二人で、音楽表現をする為には、習得しなければ
ならない、リードとフォローの原理の一つです。
社交ダンスを踊る時、まず大切な事は、
お互いが、自分の体の中で、バランスを感じ
それを相手に伝えなければなりません。
この事は、どちらかがバランスを崩した時点で
社交ダンスが格闘技になってしまうからです。
大切な技術の一つが、女子が男子から正しく
リードを受けるために、自分の立ち位置を
教えながら踊る事です。
つまり、どこで体重を乗せ、バランスを取るかを
しっかりと感じ、リーダーに伝える事です。
一般に、多くの女子がフォローと言う意味で、
常に自らの体重をリーダーに託して踊りがちで、
腕にぶら下がったり、身体にもたれたりして
バランスが常にボール側となってしまいます。
その為、バランスを取ろうと、むやみに反ったり
することで上半身が硬直し、多くのペアが陥る
反り身の朝顔形の形になります。
ご存知の通り、社交ダンスは、二人が反りあって
踊っているのではなく、二人の正しい運動が
そのような形を作るのであり、この朝顔型の
不自然な踊りを、欧州のコーチャーは、
昔から、ジャパニーズダンスと言って
首をかしげるのです。
つまり、男子が踊る方向をボディを使って
示したとき、女子は、自分が演技する足の位置を
身体を使ってしっかりと相手に知らせる事であり
その時、的確に自分の足の上に自らバランスを
感じる事が大切なのです。
リーダーは、リードした女子が的確に
自らがバランスを取る事に依って、次々に
新し方向にリードが出来るのです。
アマチュアの方に多く見られる、女子が
男子の身体で押されながら、または引っ張られながら
踊る事に依って、常に自分のバランスが感じられず、
その結果、音楽を感じられない事態を招いています。
男子も、女子を自らのパワーで連れていくのではなく、
踊る方向を示し、女子がその方向を判断して演ずる事
によって、男子は、女子とコンタクトを取りながら
次へにリードをしていくのです。
女子は、次に立つ足でしっかりと自己バランスを取り
次の立ち位置に導いてもらう為にコンタクトしてきた
リーダーに、次に何をするのかを伝えながら踊る事が
大切なのです。
このあたりのセンスは、文章ではとても書きがたく、
多くのコーチャーたちも伝えるのに苦慮するところです。
非常にメンタルな部分が多く、具体的な見える部分で
リードとフォローを説明すれば簡単なのですが、
外見的なリードフォローでは、美しく感動的な踊りは
期待できないのです。
つまり、社交ダンスは、自分の事はもちろんですが、
一曲を通じて、相手の運動、思い、イメージが
常に感じられる事が大切で有り、この事が
正しいリードとフォローにつながるのです。