スポーツのトレーニングに、スクワットとう運動が有ります。
下半身を鍛える運動として、様々な陸上のスポーツに
取り上げられています。
この運動は、両足を肩幅に開いて、重心を落とし、両手を
前後に振りながら、身体を上下します。
何故、この運動が昔から下半身強化に使われるかと言うと、
両脚でプレスした床への力が、ノーフットライズで上体を
持ち上げるからです。
この運動を利用した競技には、重量挙げが有りますが、
重量挙げの選手が、世界一の力持ちと言われるのは、
足の位置を固定して、下半身の力を確実に上体に伝える
スポーツであり、これが、陸上スポーツの原点で
有るからです。
この運動で得られる力は、下半身の力が背中側を通り
上体に抜けて行く、スポーツで一番大切な運動となります。
社交ダンスに於いても、この事は非常に大切で、大きな
表現力を生む力は、床から、いかに背中を通った運動を
継続できるかにかかっています。
最近、腹筋を自慢する芸能人が目立ちますが、腹筋は
見た目の形よりも、いかに背中の力がお腹に抜けないかの
板の役目なのです。
元々腹筋は、私達のご先祖様が四足だった頃の腹膜が
発達したものに過ぎず、下半身と上半身を繋ぐ大きな力は、
背中側の筋肉が四足の筋肉の力とバランスを繋いで
いたのです。
たとえ、二本足になったにせよ、まだ、人類の歩行力は
ようやくバランスを取れる位になった状態であり
今だ進化の過程と言えます。
社交ダンスを踊る時、様々なフットワークが生まれますが、
その形を作るのではなく、どんなフットワークをしていても
床からの力が上体に伝わっていないと意味が有りません。
私達は、二本足で立つようになって、両手が自由に動き
様々な運動ができる様になりました。
上半身と下半身を別々に動かす事によって、人類は
急速に大脳が発達し、全ての生物の頂点に立てたのですが、
この、バラバラに使える事が、実は、運動能力を損ない
スポーツが哺乳類の中でかなり苦手になってしまったのです。
身体全体を動かす時、いかに、上肢と下肢を繋げられるかが
アスリートの条件であり、社交ダンスの上達の秘訣でもあります。
足型と上半身の形を覚えて、バラバラに動かそうとすると
様々なトラブルを生むのです。
私達が太古の昔に使っていた様に、全身に繋がる運動を
社交ダンスに於いても習わなければ、不自然な踊りや
特殊な表現からは脱却できないのです。