スポーツをしたり、社交ダンスを踊ったりしていると
ボディを使って動け、ボディを使て踊れと言った言葉を
耳にすることが有ります。
レッスンの初期の段階から、競技ダンスを習ったり、
デモンストレーションダンスを踊ったりする時も、
運動表現の過程で、何度も使われるこの言葉は
中々正しく理解されていないのが現状です。
私達日本人は、言葉に非常に良く反応する民族で、
社交ダンスを習う時の、様々な言葉、テクニック方法の
単語に記憶の基準を置きがちです。
その為、フットワークに於いて、踵と言われると、踵に
全神経が注がれ、他がおろそかになり、非常に不自然な
ギクシャクとした踊りになって、習う程に、踊りとは
程遠い特殊な運動となったしまいがちです。
ボディを使うと言うと、身体の上体を動かす様に感じて
上半身を暴れさせる方が多く、本当の意味を知ることが
非常に大切です。
ボディを使うという事は、両足から得た床からの力を
上体に伝えて、表現をするという事であり、単独に
上半身を動かすのでは有りません。
しかも、その力は、両足から体の中を通り、上体を伝い
身体の外に抜けて行くものです。
その力の延長上に腕が有ったり、バットやクラブ、
ボールと言った道具が有ったりするのです。
社交ダンスは、御互いの下半身から来た力を
二人の演ずる方向に正しく伝えることが、ボディを
使うという事です。
その為には、正しいバランスと運動の理解が必要で
何の為にボディを使うかが解っていないと、時に
力が相手に加わり、格闘技となってしまうのです。
ボディを使う時の基本は、両足が床に着いている事で
片足づつ運動をしていては、ボディは使えません。
ステップは、ボディを使う位置を決める動作であり、
ボディを正しく使うと、その足に体重が乗り、更には
次の場所へのムービングフットが生まれるのです。