・・・・・・・っということで、前回は交渉そのものが成り立たないという認識を持たなければならないと書きました。
交渉が成り立たないとわかっているのに、交渉に望みをつなぐのは無意味です。
わかっているのは長期間続くということです。
双方にとってホルムズ海峡の閉鎖が得にならないことだとわかっています。
まずイランが封鎖によって被る損失。
イランの国内総生産(GDP)全体で見ると、石油部門が占める割合は約10〜15%程です。
思ったより少ない割合ですね。(国内産業育成に力を入れてきた結果です。)
ところが外貨収入という点では話は一変します。
輸出収入の約80%がこの原油、天然ガス、石油関連製品で占められているのです。
イランの経済はGDP以上に石油に依存しているのです。
いまイラン国内が深刻なインフレに陥っているのはそのためです。(年50%以上と見込まれています。)
外貨不足→リアル安→輸入価格上昇→インフレ加速という構造です。
海峡封鎖が長引くことはイランにとって最悪の選択なのです。
では、米国の事情はどうでしょう?
長期間大規模の軍隊を貼り付けることの無駄。
脅しをかけるために使う弾薬の在庫。
主に石油価格の上昇による物価高に対する米国内からの圧力。
経済悪化により国際社会からの非難が集中し、立場を悪化させる。
このように、ホルムズ海峡閉鎖は双方にとってマイナスであるだけなのです。
海峡封鎖は双方にとって「切り札」ですが、それは使えない切り札なのです。
この戦争はLose-Loseの結果となるのは承知なのです。
では、なぜ双方意地を張り合うか?
それは、国家のメンツに関わるからです。
お互いが自分の方こそ「正義」だと信じて疑っていないのです。
こんな問題を解決するために、「国連」があるのですが、拒否権があるために機能不全に陥っているのです。(国連は仲介しようと努力していますよ。)
そんな重荷をパキスタンとか、カタールが背負えるわけがないじゃないですか。
じゃあ、お互いが疲弊するまで、すなわち時間が解決するまで待つしか手はないのでしょうか?
次に、このまま海峡封鎖が続いたらどうなるかを考えましょう。
・・・つづく。
