・・・・・・・っということで、皆さんは興味ないと思いますが、軍用機のオスプレイ(V-22)の操縦はどういう仕組みになっているかずっと疑問でした。
ホバリングモードと水平飛行モードを兼ね備えた機体です。↓こういうやつ。
ヘリコプターと比べるとブレードというよりプロペラといった方が近いですね。
↓こちらがヘリコプター。
調べてみたら、ヘリコプターと同じように周期的にプロペラの角度(ピッチ)を変化させることでスラストの向きをコントロールしているそうです。(スワッシュプレートで行うのも同じです。)
これくらいの大きさのヘリコプターになると、操縦系は油圧を使います。
電力が失われると油圧系統は死んでしまいます。
でも、操縦桿(スティック)を力一杯動かすと、操縦は可能なのです。
ぼくも経験したことがあるのですが、ものすごい力が必要です。
そこで気になるのがオスプレイは電気が失われたら操縦できるのかという疑問です。
ぼくが睨んだ通り、オスプレイは操縦桿とプロペラのピッチ装置の間にPFCS (Primary Flight Control System)という操縦を補助するコンピュータを介しているのです。
PFCS によって、プロペラ角度や出力を最適に調整するのです。
PFCSの助けが必要なのは、プロペラの制御が難しいからです。
ヘリコプターと同じように、ホバリングする時が一番不安定なのです。
ヘリコプターのパイロットなら、なんてことないのですが、突風に遭遇したとき経験があるがために過剰に反応してしまうのです。
PFCSに任せておけばいいのですが、つい癖が出てしまうのですね。
オスプレイは開発段階から「Widow Maker(未亡人製造機)」と呼ばれるほど多くの事故を起こしました。
その原因は、人間とコンピュータの親和性に問題があったのです。
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もう少し調べていくと、オスプレイは「オートローテーション」ができないことを知りました。
オートローテーションとはエンジンの動力が失われてもソフトランディングする機能です。
オスプレイのプロペラを見ると明らかに無理ですね。
コンピューター制御ですから、電源が切れたらパイロットには対処する手段がありません。
残された運命は石のように落下するだけです。
ただ、エンジンの片方が故障したら、残りの一基の動力をもう片方に伝える工夫はしてあります。
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オスプレイは危険な航空機だとマスコミが騒いでいますが、正直なところヘリコプターの方がずっと安全なのです。
オスプレイは便利な乗り物ですが、民間に使えない理由は上で述べた通りです。
それでも隊員をたくさん乗せて高速で移動し、不整地でも展開できるという軍の要求に応えられるのはオスプレイだけなのです。
自衛隊はオスプレイを買わされましたが、扱いかねていると聞いたことがあります。(離島防衛に有効ですが。)


