・・・・・・・っということで、旅の神様がエルマー君をぼくの隣に座らせてくれたのはいいのですが、ずっと話しかけてくるんです。
それもつたない英語で。
途中から眠ったふりをしても話しかけてくるんです。
これにはちょっと参った。
彼には両親と妹がいて、行ったことのある国はカザフスタンと自国のキルギスだけ。
父や祖父の代も、キルギスから出た経験はありません。
隣の席に日本人(ぼくね)が座って話すことが嬉しくて仕方ない。
いろんな国に行ってみたいけど、パスポートが有効な国が少ないのがこの国の欠点。(まあ、ロシア圏でしたからね。)
なんと彼は、イタリアの大学に留学するそうです。
カッシーノの大学らしいですが、あの第二次世界大戦で修道院を巡って激戦があったところだねというと、よく知っているなと驚かれました。
経済学部を目指すそうです。
確かに話しかけてくるのはウザかったけど、夢のある好青年でした。
・・・っで、いよいよキルギスとカザフスタンの国境です。
運転手が何かを言いますが、外国の旅行客は誰も何を言っているか分かりません。
そのとき前列に座っていた外人カップルが振り向いて、「君今何を言ったかわかる?」と聞くのです。(バスが交換になりますといったのですが。)
ぼくとエルマー君のつたない英語の会話を聞いていて、彼は通訳に利用できると踏んだのです。
すると、周りにいた外国人たちがこれからぼくらを案内してくれないかと殺到してきました。
エルマー君はにわかガイドに変身して、彼の誘導に従いぼくを含めた外国人の団体が形成され、イミグレーションに向かいます。
彼はまんざら悪い気はしていないようです。
・・・・・・・
このとき、日本人の若者二人と出会いました。
一人は大学生で、海外旅行初心者。
もう一人は会社員で、なんとこれまで100カ国以上を制覇している
兵(つわもの)でした。(@_@;)
いいね、こういう若者がちゃんと存在するんだ。
旅の途中で出会い、意気投合して一緒に旅をしているとのこと。
その後、カザフスタンに入った途中の休憩所でも3人の日本人とすれ違いました。
彼らも、個人旅行だったのに、途中で行動を共にすることになったとのこと。
さて、難関の国境越えに話を戻しますが、なんとエルマー君も迷ってしまいました。
乗車レシートにナンバープレート番号が記載されていて、そのバスを見つける必要があります。
ちょっと引き返した駐車場の中にバスが埋もれていました。
「こりゃ一人では絶対に置いて行かれるワ」とみんなが納得したのでありました。
結局バスには合計5時間乗っていましたが、途中の写真はこれ一枚だけです。
乾燥した大地が延々と続きます。
シルクロードのキャラバン隊はこのような道を超えてきたんですね。
そして、突然タシケントや、ビシュケクやこれから訪れるアルマトイという広大な平地に出くわすのです。
緑に覆われ、いたるところで水が湧き出るオアシスなのです。
オアシスというと、孤立した狭い地域と思われがちですが、驚くほど広い平野なのです。
何で、砂漠気候のこの地域に水が湧き出るのか?
それは、周囲を取り巻く7000m級の山々から浸み込んでくる雪解け水なのです。
ビシュケクの町にいたときは気付きませんでしたが、はるか遠くには雪を戴いた山脈が見えるのです。
この真夏に雪が残っているんですよ。
・・・・・・・
バスはこのあとひどい渋滞に遭遇しながらも、無事にアルマトイのバスステーションに到着しました。
心配していた国境超えられたじゃん。
正直ホッとしました。
ところが本物の試練が待ち構えていたのです。
・・・つづく。
