・・・・・・・っということで、ニコラス・ケイジがいい味出しています。
彼以外この役は思いつかないくらい適役です。
彼は大学の冴えない教授です。
(彼ってこんなに頭が禿げ上がっていたのかな?冴えないのを強調するために元々薄かった頭髪を剃ったのかな?)
彼は地味で目立ちませんが、専門分野の本を出版する夢を持っています。
しかし、原稿さえ書き出していません。
そう、彼は「何もしない」のです。
そのくせ、有名になって世間に認められたいと心の奥底では願っているのです。
あるとき、何万人もの人の夢に彼が登場します。
夢の中の彼も、ただ突っ立っているだけで何もしてくれません。
ひょんなところから、彼がネット上で拡散します。
すると、彼が自分の夢に登場したという人が多数現れて、一躍有名人になってしまいます。
多くの人の夢に登場するわけですから、彼の夢を利用して商品を宣伝してもらおうとする代理店まで現れます。
この辺がネット社会を風刺して面白いのですが。
訳のわからないまま、夢だった本の出版まで実現しそうになり、有頂天になります。
彼を適当にあしらっていた人からもちやほやされます。
・・・彼は何もしてないのに。
ところが、何もしなかった彼が突然殺人鬼になって襲いかかる夢を皆が見るようになってしまいます。
するとチヤホヤしていた人たちが手のひら返しをして、彼が気味が悪いと遠ざけ始め、大学の教授の職も失ってしまいます。
有頂天になっていた彼はどん底に突き落とされます。
・・・彼は何もしてないのにと訴えます。
終盤はSFチックになって、他人の夢に自分が入り込める装置が発明されます。
彼は愛する妻の夢の中に登場しますが、その中では何もしないどころか、妻の危機を救います。
そして、「これが現実なら良かったのに」といって、空に吸い込まれていきます。
どうです?変な映画でしょう?
ぼくは好きですが、ニコラス・ケイジが好きな人だけにお勧めします。
★★★★☆