・・・・・・・っということで、よくもまあこんな映画を作ったものだと感心してしまいます。
テーマは「分断」の行き着く先です。
アメリカ合衆国が東西に分裂して、内戦(Civil War)状態になった近未来を描きます。
アメリカは南北戦争を経験していますので、あり得ない話ではないと感じさせるのがミソです。
明らかに分断を煽っているトランプへの当て擦りです。
戦争が大好きなアメリカ人同士の戦いですから、ド派手な戦争映画かと思ったら、女性戦場カメラマンを中心としたジャーナリスト4人の視線で描かれます。
カリフォルニア州とテキサス州を中心とする西側連合軍(星条旗は星二つだけ)が優勢で、ホワイトハウスに立て篭もる合衆国大統領(=もちろんトランプ)を追い詰めます。
4人のジャーナリストはそのなり行きを取材するために、ニューヨークからワシントンDCに車で向かいます。
その道中記が物語のほとんどを占めます。
いくつかのエピソードがあるのですが、同じアメリカ人同士なのに、敵とみなせば問答無用で射殺します。
相手が負傷していようと、降伏していようが、女性だろうが関係なく撃ち殺します。
4人は武装した民間人に捕まって殺されそうになります。
そのとき、我々は同じアメリカ人じゃないかと問うと、「What kind of American are you?」と聞き返されるシーンがとてもよくできていました。
分断されたからには、同じアメリカ人という常識が通用しないのです。
運悪く中国系のジャーナリストが混じっていて、「香港出身だ」と答えた途端、「Chinaか」と射殺されてしまうのです。
明らかにトランプスタイルですよね。
最後はホワイトハウスを攻撃する部隊に同行取材をして、弾の飛び交う中をシャッターを切り続けるシーンが続きます。
そして合衆国大統領(=もちろんトランプ)は隠れていた机の下から引き摺り出されます。
分裂して戦争になった背景は一切描かれません。
あくまでも「分断」の行き着く先を極端な方法で提示してみせます。
この映画を見て、トランプ支持者たちが目を覚ますとは思えませんが。^m^
★★★★★