・・・・・・・っということで、アフガン難民を描いたアニメーションです。
アフガニスタンを脱出した一青年の波乱万丈の半生です。
ソ連がアフガニスタンを侵略し、それに抵抗するムジャヒディンにアメリカが武器援助とゲリラ戦を仕込んだのは知られています。
この物語は、ソ連が出て行った後内戦になって、タリバンが政権を握ったことによって生じた難民の物語です。
アメリカがその後アフガニスタンを見捨てたことによって生じた難民ではありません。
実話ですので、ドキュメンタリーで撮っても良かったのですが、あまりに映像が少ない。
そこで、アニメーションをメインにして展開し、実際の映像で補うという形をとっています。
このアイデアは大成功。
命懸けの逃避行の緊迫感が伝わって来ます。
日本のアニメのような緻密さはなく、ラフに仕上げています。
FLEEとは逃避という意味です。
国を捨てて逃げるということがどれほど大変なことかは、頭では知っています。
その意味では、展開される話に意外性はありませんでした。
そうだろうなぁ〜とうなづくことばかりです。
しかしアニメとはいえ、視覚で訴えられると、心に突き刺さる度合いが違います。
いま世界中で難民問題が生じていますが、この映画はその実態を知る上で大いに役立ちます。
ただ実話とはいえ、主人公がゲイであることに拘った描写は、ちょっとウザかった。
反面、主人公がニューヨークに行って講演会を開くほどの学者になるまでの経緯が、一切省略されていたことは物足りない。
難民に少しでも興味がある人は必見です。
★★★★☆