・・・・・・・っということで、またまたヨルゴス・ランティモス監督の作品です。
ダサい邦題ですが、原題は【犬歯】です。
この監督の映画は4作目ですが、あり得ないシチュエーションの中で人間の本質を炙り出す手法は同じです。
本作は監督が36歳の時(現在50歳)の作品ですが、これで彼の才能が注目されたようです。
ギリシャ人だからかどうか知りませんが、相当ヒネクレた視点で人間を描いています。
裕福な社長らしき父親が、息子と娘二人を生まれた時から自宅に監禁し、世間から一切遮断した生活を強いています。
そんな子供達が思春期を迎えます。
もちろん連想するのは「独裁国家」ですが、それほど強い政治的メッセージはありません。
むしろ人間社会の縮図であって、狭い解釈をするべきではないでしょう。
敷地の中に居る限り安全で、人間を外の世界は危険だと信じ込ませることは可能か?という実験を通して、人間の本質とは?自由とは?国家とは何か?と普遍的な問いかけをしています。
映画全体を覆う不気味さは、鑑賞者を生理的に不安な気持ちにさせます。
ですから、好き嫌いが大きく分かれるところです。
ぼくは好きな方ですから、★★★★★です。(^^ゞ