映画【秘密の森の、その向こう】 | so what(だから何なんだ)

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68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・・っということで、この映画は理屈で考えてはダメです。

 

 

監督はあの【燃ゆる女の肖像】で知られています。

 

8歳の少女が祖母を亡くし、両親に連れられて祖母が住んでいた家の片付けに行くと、森で8歳の母に出会うというストーリーです。

 

見立てはSFですが、サイエンス・フィクションの要素は全く見せません。

 

子供の母親に自分はあなたの娘だよと言っても、何事もなかったようにさらりとかわされ、物語は進んでいきます。

 

男性は理屈っぽい生き物ですから、こんな「理屈」で理解できない展開に拒否反応を示してしまいます。

 

そうじゃないんです、この映画は理屈で理解することを放棄しなければならないのです。

 

それでも、何を言いたいのかこの映画は?・・・は、男女共通の疑問でしょう。

 

あえて言いたいことは、自分の母親が自分と同じ歳だった頃、何を考え感じていたのだろうという、だれでも持つ疑問を想映像化して見せただけです。

 

そういう点で、理屈で考える男性より、女性の方がこの映画と波長を合わせることができるでしょう。

 

主人公の少女は、監督自身を投影していると考えて間違い無いでしょう。

 

この子は頭がいい。

 

クロスワードパズルをさらりと解いて見せます。

 

この子は思いやりのある優しい子です。

 

運転する母親に後部座席から、スナックを口に入れてくれたり、ジュースを飲ませてくれます。

 

祖母の死に際し、さようならを言えなかったことを後悔しています。

 

そして、感受性がとても強い。

 

なぜなら、この映画全体が彼女の妄想で成り立っているからです。

 

母親も感受性が強い。

 

娘と二人で創作劇を演じたり、木の枝を集めて家を作ったりします。

 

勉強が得意というより、芸術面での才能が豊かです。

 

その芸術的な才能は、少女の祖母からも受け継いでいるはずです。

 

彼女は、その持て余すほどの感受性を扱いかねているように見えます。

 

そんな自分を理解してくれるのは、母親であって、その母親に会いに行くのは必然なのです。

 

理解してもらうには、今の大人になった母親じゃダメで、やはり少女だった頃の母と分かち合わなくてはならないのです。

 

子供ならではの漠然とした不安。

 

子供ならではの漠然とした悲しみ。

 

夜になって、ベッドの麓に黒いヒョウが見えたり、自分の足が不自由になるのではないかとの不安。

 

【燃ゆる女の肖像】の監督ですから、同性愛に持っていくのかと思ったら違います。

 

さらに、娘と母との愛憎には実に複雑なものがあります。

 

しかし、その方向にも進まない。

 

あくまでも、感情の起伏を極端に減らして映像は淡々と進んでいきます。

 

この映画は監督自身の気持ちを整理するための、プライベート色の強い映画のように思われます。

 

以上、ずいぶん理屈っぽく書いてしまいました。(;^_^A

 

短いですが、記憶に残る映画です。

 

★★★★☆