・・・・・・・っということで、一連のパーティー収入裏金事件について。
一番ガッカリしたのは、派閥の存在意義として「若手議員の教育」が挙げられていたこと。
要するに、議員になってもすぐには使い物にならないから、永田町で生きていくための「村のしきたり」を教えなきゃならない。
その役目を派閥が果たすのだ・・・という意味ですよね。
何じゃそれ?
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いまフランスの首相は、ガブリエル・ニッスィム・アタルという人物で、34歳です。
彼が議員になったのが、28歳。
翌年には大臣に就任し、その後様々なポジションを経験し、34歳で首相です。
彼を任命したのは、マクロン大統領(46歳)で、大統領に就任したのは40歳の時です。
少なくともフランスでは、議員になった時点で「即戦力」であることが分かります。
フランスに派閥があるかどうか知りませんが、政界で生きていく処世術なんか覚える必要はないようです。
議員になった時点で、能力を備えているのです。(ゲイでも、マザコンでも関係ない)
ここがフランスの議員と日本の議員の大きな違いなのです。
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むかし、日本の政治を「パイロットが乗っていないのにちゃんと飛行できるのは、オートパイロット任せだから」と評した外国人記者がいました。
政治家が無能でもやっていけるのは、官僚が優秀だからとの皮肉なのです。
フランスは圧倒的な学歴社会です。
政治家になるためには、グランセコールと呼ばれる大学を卒業していなければなりません。
グランセコールはキャリア官僚の養成機関ですね。
アタル首相はパリ政治学院を卒業しています。
これ以外に国立公務学院という大学があり、マクロン大統領は前身のENAを卒業しています。
フランス大統領のほとんどがどちらかの大学の卒業生です。
フランスの方式がいいか悪いかは別にして、フランスでは政治家のプロを育てる教育体制が整えられていることです。
これは、フランス革命によって貴族制が否定され、テクノクラートによる政治が主流になったからです。
この辺は、貴族制が残るイギリスとは違いますね。
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また裏金事件に戻りますが、「頭悪いね」発言で一躍有名になった谷川衆議委員、自分の頭の悪さを露呈してしまいましたね。^m^
はっきりいって、政治家の資質ゼロの人物です。
彼は82歳で、7期も衆議院議員を務めています。
この程度の人物が政界で生き残っていたこと自体、日本の政界の異常さを物語っています。
こんな頭の悪い政治家が生き残り続けたのは、日本の「優秀な」官僚が支えてきたからです。
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では、その優秀な官僚はどういう人材で構成されているかというと、2021年の国家公務員総合職(=キャリア官僚=高級官僚)合格者の卒業大学別の順位が下図の通りです。
合格者の約5.6名に1人が東京大学出身ということになります。(10年以上前は、3人に1人だったそうです。)
政治ど素人の政治家が優秀な官僚を使って政治をするというのが、日本の構造なのです。
実態は逆で、官僚が政治家を操っているんでしょうが。
これって、明らかにオカシイですよね。
官僚は選挙によって選ばれたわけではないですから。
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ぼくが言いたいのは、プロの政治家を養成する教育機関を早急に創設しないと、日本は衰退の道を辿るということです。
ずいぶん長文になりましたが、以上が裏金事件とそれに関連する派閥問題で考えたことでした。