・・・・・・・っということで、母が言った言葉「フィンランドには何もないよ」。
実際に来てみて、そう思いました。
でも、ここには日本にはないものをたくさん持っていると気付かされました。
図書館を例に取ってみましょう。
巨大なビル全体が、図書館であることに驚かされたのはすでに書きました。
まず受付に行ってここは図書館ですか?と聞いたのはそういう理由からでした。
受付の女性が、「はい、Pubric Libraryですよ。」と誇らしげに答えたのです。
そのPublicという言葉が印象的でした。
そう、ここは「市民の図書館」なんです。
行政が勝手に作ったハコモノとは真逆です。
その証拠に、館内は人工構造物なのに、まるで自然の中にいるように作られているのです。
広い窓からは見晴らしのいい景色が見えます。
床は真っ平ではなく、数々の少ない階段や、傾斜がついているのです。
大きめの植木がかなり配置されています。
そして、本棚が低い。
人々は思い思いにさまざまな椅子に腰掛けたり、階段状になったところに座ったり、床に寝そべったりしながら本を読んでいます。
もちろん寝ている人もたくさんいます。
そうなんです、ここは郊外の丘のような雰囲気でまとめられているのです。
だから、これだけの巨大な建物になったのです。
そして子供たちが坂道を駆け降りてきます。
姉妹が走ってきて、お姉さんが膝を折ってサッカー選手のゴールシーンみたいに滑ります。
それを妹が真似をして、両膝で滑ります。
それをずっと繰り返す様は微笑ましいものでした。
もちろん床は安全のため厚い絨毯になっています。
だれも騒がず静かにしろなんて咎めません。
だって、ここは草原の丘なのですから。
フィンランド人は子供を大切にします。
日曜日であることも理由でしょうが、父親が多く子供を連れてきていました。
受付で写真を撮ってもいいか聞くと、どうぞご自由にとの答えとともに、「子供は絶対に撮らないでください」と厳格な表情で付け加えました。
子供を大事にする国は幸福な国になるはずです。
図書館を充実させるのは、教育に力を入れている証拠です。
大きな窓からはたくさんの光が入ってきます。
そういえば、低い本棚のように、街にも高層ビルが見当たりません。
冬が厳しいのでしょう。
光に飢えているのです。
こういった要素が図書館に加えられたのは、それは上から押しつけられたものではなく、市民が要求したからなのです。
文字通り「Pubric Library」なのです。
フィンランド人を理解する上で、ぜひ図書館を訪れてください。
まだ書き足らないので、つづきはまた。(^^)/