・・・・・・・っということで、フィンランド映画です。
フィンランド映画はヘンテコというのが通り相場です。
意外と(?)マトモな部類でした。^m^
老いた美術商がサインの無い肖像画をイリヤ・レーピンの作と見込んで、最後のオークションに臨むというストーリーです。
基本的に目利きなのですが、商才はサッパリ。
借金を覚悟しての最後の賭けですからスリルはあるのですが、主題はそこじゃない。
主人公の老人はいい人なのですが、実は家族を顧みない自己中心的なイヤな奴でもあるのです。
そのうえ、借金を娘どころか、孫にまで無心するというダメ人間。
この歳(76歳?)になって、孫と娘を通して自分に欠けていたものをようやく気づくという筋立てです。
そのきっかけとなったレーピンの肖像画がキリストだと分かるのですが、その肖像画が主人公を見つめる目つきが面白い。
宗教的であるようで違う。
フィンランドと日本の共通点は、何か特別な宗教ではなく、「お天道さんが見ている」という庶民的な道徳観のような気がしました。
本物なのか偽物なのか。
なぜレーピンは絵に署名しなかったのか。
美術商の裏社会。
果ては人間の醜い本性。
家族の絆・・・・など、フィンランドならでは(?)のテンポで描いていきます。
ところどころ辻褄の合わない点が散見されますが、よくできた映画です。
北欧映画は不思議な魅力を持っています。(^^)/
★★★★☆
・・・以下雑感・・・
レーピンはロシアが誇る巨匠です。
この絵は有名ですね。(クルクス県の十字架行進)
↓ムソルグスキーです。
映画で用いられたキリストの肖像ですが、どうやらこの映画のためにタッチを真似た模作のようです。(^^ゞ
フィンランド映画のヘンテコ最右翼は【過去のない男】でしょう。
日本映画ですが、【かもめ食堂】も、フィンランドのヘンテコ病に冒されていますね。



