・・・・・・・っということで、古い古い記憶。
昔は冬の暖といえば「火鉢」だった。
火鉢を囲んで、皆が手をかざした。
自然と家族の距離が縮まり、物理的にも心理的にも近かった。
現代の家族とはずいぶん違うものだ。
すっぱいみかんと甘いみかん、どっちが好き?
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母の育ての親である「ルイ婆さん」がまだ生きていた頃の話である。
ミカンの皮を裏返しにして器に見立て、そこにミカンを絞って汁を注いだ。
それを火鉢の網に乗せて炭火で炙るのだ。
暖まったところで口に運び、チュッとすするのである。
実にチマチマした遊びである。
だが、子供だった姉とぼくは大喜びだった。
自分達でもやるのだが、火傷しないように注意が必要だった。
実に少量だし、暖まったミカンの汁なんか美味しいもんじゃない。
でも、ぼくらにとって、もの凄く美味しく感じたのである。
ミカンというと、いつもこの記憶がよみがえる。
