・・・・・・・っということで、2017年のアカデミー賞外国語映画賞他、沢山の賞を授賞した評価の高い映画であります。
イランの映画です。
そう、イランの映画。
このテンポの悪さはなんだろう?
そもそもテンポなんて考えていない。
特に引き付けられることもなく、淡々と(ダラダラと?)2時間以上映像は流れる。
芸術性を気取った自己満足の映画なのだろうか?
(我慢して?)見続けていたら、ハタと気が付く。
これは【当局の規制】を意識しているに違いない。
言いたいこと、主張したいことをストレートに表現できないから、持って回った遠回りの表現をせざるを得ないのではないか?
この映画を理解するには、隠されたメッセージを受け取れる感度が高い観客にならなければならないのか?
それに気づくと、俄然緊張して見なければならない。
あぁ~~疲れる。
物語はこうだ。
引っ越ししてきた夫婦。
夫が帰宅したと勘違いした妻がシャワールームで暴漢に襲われる。
何故警察に通報しない?
傷付くのは通報した女性のほうだと、周囲は何となく了解している。
夫は独自で犯人探しに執念を燃やす。
そのうちに、夫婦の間に軋みが出てくる。
何故、玄関の鍵を開けたのか?
妻の心の傷を理解できない夫。
夫はついに犯人にたどり着き、おびき寄せて監禁する。
犯人のなんと意外なことか!
夫は暴力を使うかと思ったが、犯人に最大限の恥をかかせることによって復讐を果たそうとする。
この辺がイスラム的。
妻は夫の復讐に拘る姿勢を見て、犯人を許してと懇願する。
・・・・・・
ここから謎解きが始まる。
イランにおける女性の地位の低さ。
警察をはじめとする国家権力の信用のなさ。
市民生活における相互監視の不気味さ。
生活レベルの遅れ。
自由な表現にたいする規制。
底辺社会の隠れた不道徳。
・・・うぅ~~ん、ありきたりのメッセージだ。
その他、一般市民の生活を垣間見れて面白い。
ピッザとかスポンジボブとかのアメリカ文化の侵入。
監督が伝えたい、もっと重要なメッセージは別にあるはずだ。
先ず変化させるべきは男性社会だとの解釈は採りたくない。
鍵は題名の「セールスマン」に秘められているはずだ。
何故なら、夫婦は舞台俳優を兼務していて、上演中の舞台が【セールスマンの死】だからだ。
このアーサー・ミラーの有名な戯曲を知らなければメッセージが読めないのか?
もちろんアメリカの作品である。
その中で描かれているのは社会の不条理であり、価値観(正義)は移ろいやすく、夫婦間、家族間でも気持ちは通じ会えない。
アメリカだって、イランだって、人間社会の不条理は同じじゃないか。
まっ、こんなところですかね。┐('~`;)┌
★★★☆☆