【ローマ人の物語 XIII】 | so what(だから何なんだ)

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一日に数本書いていますので、遡って読んで下さいね。

【ローマ人の物語 XIII】
最後の努力
塩野七生著
2004年発行
新潮社

第14巻は先に読んでしまったので、あと1冊。
長かったなぁ~。

順番が前後してしまったので、ちょっと繋がりが思い出せない。
まあ、防衛線(リメス)が再三蛮族に破られ、ローマのシステムが崩れて行く過程。

やっぱり人だな。
上に立つ。

皇帝による政策が次々に出されるのだが、塩野氏が言うローマらしさを根底から覆すような結果となる。
法令を出した時点では、善き動機であったのだが、結果として取り返しのつかない事態に進んでしまう。

歴史を知っている者からすると、なぜ?・・・っという疑問だが、出した時点で本人は気づかない。

要するに、先を正確に見通せる指導者を得られるか否か。

こればかりは、運命というか、神(?)の気まぐれというか、運不運としか言えない。

やっぱり人だなと書いたばかりだが、ローマ帝国という巨大なシステムが、衰退に向かって進むとき、
もし優れた人物が出現したとして、その方向を食い止められるのだろうか?
たった一人の天才によって。

これは、難しい問題である。

ローマ帝国末期にも、傑出した人物が現れていたフシがある。

だが、くだらない人物の嫉妬で殺されたり、病で倒れたり、戦死したり、はたまた雷に打たれて死んでしまったり。

傑出した人物でも、衰退のスピードをやや遅らせる程度にしか作用しないのか。

塩野氏の大嫌いなキリスト教が、良きローマらしさに止めを刺したとの論法には、そうかなぁ~っとも思わされる。

これだけ、長く付き合ってきたのだから、塩野氏に洗脳されたのかもしれない。

翻って、現在の日本である。

やっぱり人だなぁ~。