【河童】
芥川龍之介著
ニンテンドーDS文学全集
いやはや、これは痛烈な皮肉ですね。
河童の世界を持ち出して、現実の常識を批判している。
かなり河童の世界を丹念に描いている。
これほど想像だけで丹念に描けるということは、ヤッパリ芥川は狂気を孕んでいたのだと確信できる。
じっさい、彼は自分をものすごく客観的に観察できた人だと思う。
物語の中の精神患者に語らせる河童の世界という形を取っている。
本当は、自分の言葉なのに、そういう第三者に語らせている。
間違いなく、芥川は自分の狂気に気付いていたし、それを分析しようと試みている。
オレは狂っているのは間違いないが、ひょっとして世の中が狂っている可能性もあるじゃないか。
そんな、自分でも分かりきったことを、この作品であえて世間に問うてみたのかも知れない。