・・・・・・っということで、レシピどおり作っても必ず美味しく仕上がるとは限らない。
そもそもそのレシピが美味しくない場合だってある。
でも、それを考案した本人は美味しいと感じているかも知れない。
レシピといっても、大さじ小さじでは大雑把過ぎる。
中間のグレーゾーンがあって、それが成否を分けることがある。
使う材料の鮮度や、サイズ、産地?などの固体の違いも味に影響する。
全く同じ人が同じレシピで作っても、作るのにかかった時間で差が出てくる。
手早く作った料理が美味しいことが多いが、じっくり作ったほうが美味しいこともある。
だいたい出来立てが美味しいが、カレーのように日数が経つほど美味しくなる場合もある。
こう考えていくと、料理の美味しい不味いの差は実にビミョーで、無限の味というものが生まれる可能性がある。
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一方、料理の世界には絶対間違いない組み合わせというものが存在する。
ほうれん草とベーコン、茄子とひき肉、サーモンとアボカド、マグロと山芋、大根と豚肉、ニラと卵、鶏肉とチーズなどなど、余程のことがない限り不味くは作れない。
スパイスの使い方で味がガラッと変わることも多々ある。
カレー粉、バジル、バルサミコ酢、鷹の爪、レモン、シナモン、ごま油・・・ほんの僅か加えるだけで、仕上がりを左右するほどの影響力がある。
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家族から、ぼくの作る料理が最初の頃より美味しくなったと言われた。
自分なりのクセが出てくるものなのだろう。
その究極のものが「おふくろの味」といわれるものだろう。
すると、料理には作る人の個性が表れると考えるべきだろう。
結婚した当初、カミサンの料理はとても褒められるものじゃなかった。
だが、30年後の今は家庭の味といっていいものになっている。
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そんな料理の世界で、料理家という職業が存在する。
料理番組を見ていると、そんな高い材料ばかり使ったら、だれでも美味しい料理が出来らぁ~と思われる料理家も居る。
あるいは、そんな材料日本じゃ手に入らねぇーよとか。
だけれども、フツーの素材でヘェ~そんな意外なものを加えるの?とか、そんな手順があったの?という意外性を見せ付けられると、さすがプロと納得せざるを得ない。
彼らの頭の中はどうなっているのだろうか?
素材の持つ成分同士を掛け合わせると、1+1=2以上の味が生まれることを知っているのだろう。
いわゆる黄金の組み合わせなのだが、それを導き出すのに数々の失敗があったのだろうか?
確かに試行錯誤があったに違いないが、それほど沢山失敗してきたとは思えない。
長年培った勘というものがあるはずだ。
絶対ここで、小さじ一杯の生姜を入れたら美味しくなることを知っているはずだ。
それが、大さじ一杯では多すぎるのだ。
それが分かる人を料理のセンスがある人というのだろう。
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そのセンスはどうやって磨けばいいのか?
あるいは天性のものがあって、いくら料理を作っても限界があるのだろうか?
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分からん。
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少なくともぼくのレベルでは、クックパッドのレシピどおりのものを作るしかない。
だが、それは料理とは言わない・・・とぼくは思う。
レシピどおり作って美味しいといわれても、単に作る手際が良くなっただけじゃないだろうか。
そうじゃなくて、こう作ったほうが美味いヨと言ってみたい。
深く考えずに、大さじ小さじも考えずに、指で調味料を掴んでパラッとかけるスタイルに憧れる。
冷蔵庫にある材料をパッと見ただけでアイデアがいくつも湧いてきて、5つも6つも料理を作ってしまう主婦を尊敬してしまう。
・・・まっ、ぼくには無理でしょうね。