今日のイスタンブール行きのバスの出発時刻は13時。
アパートを追い出される時間が10時。
何もすることがない。
高い費用と時間を費やして外国旅行をしているのに、バス待ちだけで半日以上を無駄にさせられる。
なんとも勿体無いことです。
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だけれども、こういう時間がとてもいいのです。
不思議に、こういう無駄な時間が記憶に残るのです。
これこそが分刻みのパック旅行で味わえない、個人旅行の醍醐味なのです。
海岸に面したちょっと小高い場所にベンチが並んでいます。
正面にはビーチが広がり、パラソルが並んでいます。
海水浴客たちがそれぞれノンビリと寝そべっていたり、歩いていたり、少ない人数だけれども、泳いでいる人たちもいます。
時々、子供のはしゃぐ声が聞こえてきます。
今日も快晴で、強烈な光線が降り注いでいます。
いまベンチの一つに腰をかけていますが、太陽とともに木陰が移動して、それにつれ、ぼくも移動しなければなりません。
隣のベンチには、一歩間違えれば浮浪者のようにみえるオッサン。
ただただボォーっとして座っているだけです。
その更に向こうのベンチには、三人のオッサンたちが熱をこめて話し合っています。
デモクラーテなんてぇ単語が聞こえてくるので、政治に対して文句を言っているのでしょう。
かれらは友人同士の旅行者らしく、自転車で走り回るのに飽きて、ここで会話を楽しんでいるのでしょう。
耳を澄ますと、聞きなれないキーキーという鳥の声。
どこかで低く響くエンジンの音。
後ろの方では時々、木を切るチェーンソーの音も聞こえてきます。
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そうこうするうちにここに座ってから1時間半が過ぎようとしています。
いつの間にか隣の浮浪者風のオッサンも消えてしまいました。
さて、バスのオフィスに行くまであと1時間。
残ったブルガリア通貨の10レフを使い切らなければなりません。
700円なんですがね。
下にあるバーでビールとサンドウィッチくらいには足りるでしょう。



結局ピザになりました。