◆日本の根底を支える50人以下の企業に最良の経営とITを届ける男 -2ページ目

稀少性の原理

すぐに商品販売などのビジネスに使える知恵をお伝えします。こんな実験の結果があるの知ってますか?

「10枚のクッキーが入ったガラスのビン」と「2枚のクッキーしか入っていないガラスのビン」を100名に渡して、どちらのクッキーが美味しかったか、質問しました。

さて、食べて「美味しい」と殆どの人が答えたクッキーはどちらだと思います? 大体、想像がつきますよね。

そう、「2枚入ったビンの方のクッキー」です。

なぜ?でしょう。「中身は同じクッキーなのに・・・」

この原理が、ブランド戦略やTVショッピング、限定販売のビジネス に応用されているのです。人は「稀少性のあるもの」や「限定商品」などに価値を見出すものなんですね。 そして、その商品を手に入れた自分も特別だとみなし、満足するのです。

これは、心理学上は【稀少性の原理】って言います。

いつでも、何処でも手に入るものは価値が低く、数が少ないものは価値が高いと考える、経済・生活行為の中で人間が身に付けている共通認識であり。常識とも言われています。

「今、決断しないと無くなってしまう」
「この機会を逃せば二度と手に入らない」
「少ないからこそ他人も欲しがるはず」
「数が少ないなら高額でも当たり前」
「良い物だから他の人が買った結果、残りが少なくなった」・・など、

供給される数が少ない事には相当の理由があると考え、『充分な検討をする事なく購入』 という、消費行動が取られる事になるんですね。

ちなみに、この2枚入りのクッキーのビンを渡す際に、「実は、他の人が食べてしまったんですが・・」といって渡すと、更に多くの人が2枚入りのビンのクッキーを美味しいと答えるそうです。

マーケティングに応用する場合は、「実は、他の人が食べてしまったんですが・・」という言葉を付けることが重要。希少性の原理は、あらゆる場面で皆さん目にしてますよね。

「100台限りの限定車」
「一日20個限定」
「一日10食売り切れご免」
「一日3組様のみご宿泊」・・・など

これに限定の理由を付けるのです。

『手間ひまが掛かっているから数が少ない』
『特別な事情がある』
『決め細やかなサービスが受けられる』 などの理由を考えてみてください。

ただ、何気なく見ている限定販売なども、このように一歩深く捉えていくと、実際のマーケティングに幅が出てきます。 WEBサイトなどでは、残数を表示するというテクニックもあり、TVショッピングなどでは、広告後すぐに、受注しているオペレータの映像を流したりすることも効果的です。 ビジネスで効果を高めるには、もう一歩踏み込めるかどうかが、成功を左右するものです。

実際に行動するのは、【あなた】。やるのは【あなた】ですよ。


あとがき

【希少性の原理】理解されましたか。この原理を使うのに注意しなければならないことがあります。それは、限定ということが日常になってしまうこと。特に数量限定。リピート購入を狙う商品などの場合は、限定の連発は注意してください。

顧客は、ウソ(矛盾)を簡単に見抜きます。

「どんぶり勘定からの脱却」

今回は、お世話になっているクライアントさんとのやり取りを思い起こし、「どんぶり勘定からの脱却」というのをテーマにしました(笑)


▼「どんぶり勘定」というのはどういうことか?

調べてみると、こういうことです。そのままですね。

「細かく収支を計算したり、帳面に記入せず、あるにまかせて金を使うこと」

どんぶり勘定の「どんぶり」は、職人などの腹掛けの前に付けた大きな物入れのことで、職人達が、このどんぶりにお金を入れて無造作に出し入れしていたことから、大雑把な金の出し入れを「どんぶり勘定」と言うようになったらしいです。

なぜ突然、こんなことを言い始めたのかと言うと、この「どんぶり勘定」というのは、なにもお金のことだけの話ではないからなんです。


▼自分はしていないと思っている「どんぶり勘定」

みなさん、「どんぶり勘定」というと、大ざっぱで、行き当たりばったり的なイメージを持っていると思います。

「おまえは、どんぶり勘定だからな」

なんて言われると、ちょっと嫌な気持ちになりますよね。大抵、自分は、そんなこと無いって思っているもんです。ですが、この「どんぶり勘定」というのは、大部分の人がしている、というか人間は「どんぶり勘定」することが得意で好きなんです。

先程も言いましたが、なにも「お金」のことだけを指して言っている訳では無いですよ。

「どんぶり勘定」自体は、考え方ですから。


▼「どんぶり勘定してる人」=「どうして良いのか分からないと悩む人」

「どうして?悩む人が、どんぶり勘定なの」

これは、わたしがコンサルタントという職業をしているからでしょうか?

気づいてしまったんです。

現状につまづいて、混乱し、「どうしよう、どうしよう」と悩んでいる、経営者の方や、リーダーの方って多いんですよ。問題解決の糸口や切り口さえも、掴めないでいる状況で、藁をも掴む気持ちで、わたしの様な外部の専門家に相談してみようと、呼ばれる訳です。

こういう場合、なぜ問題解決の糸口さえも掴めないのか分かりますか?

それは、全ての物事をトータルで考えているからなんです。

これは一見、トップリーダーには不可欠なスキルで、全体感で物事を見ることは確かに必要なんですが、ちょっとした勘違いをしている場合が、ほとんどなんです。

その結果、どうして良いか行き詰ってしまう。


▼「全体感で見る前」に「分けて見る」

トップリーダーが勘違いしていることとは、

「自分はトップだから個々の作業やプロジェクトに関しては、部下に任せ
 て、そのリーダーから受けた報告でジャッジしていくもんだ」

「良い判断をするには、細部にまで自分が係わってはいけない。
 全体が見えなくなる」

こんな、大会社のトップやリーダーが言っていることを鵜呑みにしているケースが非常に多いんです。こんな考えは、中小企業では、なんの役にも立ちません。


わたしが、よく言わせて頂く言葉があります。

「小さい会社の社長は、会社の便所にあるトイレットペーパーの減り方まで意識してみてください。そういう意識を持つことで、問題は自然に解決していきますから」

これを言うと、「なに言ってるんだ、このコンサルは?」となるんですが特に小さな会社の場合は、全体感で見る前に「分けてみる」ということをトップ自らが実践していかないと、成長していきません。


▼「分けてみる」ということは「分析する」ということなんです。

「分析」とは「分けて解析する」ということ。

「解析」とは「細かく調べる」ということ。

なので、「物事を分けて(分類)して、その分類した中を細かく調べる」ということが「分けてみる」ということです。

これをトップが自ら実践している会社は、間違いなく成長していきます。
成長して規模が大きくなるとこれを、各リーダーに分業していくだけです。


▼では、「分析」とはどのようにすれば良いのでしょうか?

「分析」と言う言葉は良く、目にするし聞きもする言葉ですよね。

現状分析・財務分析・経営分析とかというのがそうです

だけど、なにやら難しくて、カッコつけている様な感じだし、結果の数字だけを見て経営はデータだとかなんとか言うのがどうも気に入らない。

そんな風に、思っている方も少なくありません。

ですが、これはカッコつけでもなければ、難しいものでもないんです。

例えば、財務分析なんてのは、会社を経営していく中での損益を、どんどんと「分けて」いくこと。

経常損益を分けると、本業の営業損益と営業外損益に分かれるし、営業損益は売上と費用に分離される。更にこれは事業部毎や店舗毎に分離できるし費用などは原価計算を行って製品毎の売上から差し引く事で損益が把握出来る。

こういう風に、構成要素を分けて見て行くことで、それぞれの要素が明らかになってくるんです。

現状分析なんてのは、現状を分けて解析することですから、会社の機能を生産・販売・物流・仕入れ・会計・人事・総務・研究開発・ITなどに分けて、これを更に、機能を構成する要素別に分けていけば良いんですね。


▼すなわち、分けて考える「分析」というのは

「分析」。これでなにが、見えてくるのかということです。

気が付きましたかね?

「どんぶり勘定」の逆が「分析」なんですよ。(笑)

分析することで、今まで見えなかった事実を、数多く発見することもできるし、その発見した事実から、様々な問題点を発見することもできます。

問題が分かれば、対策する方法が検討出来るということです。

何から手を付けたら良いのか分からなかったり、どうすれば良いのか悩んだら、「あなたの目の前にある現実を、分けて解析してみてください」。

これで、あなたは「どんぶり勘定から脱却」して、ビジネスを軌道に乗せることが出来る様になるはずです。


どうでしょう?

あなた、「どんぶり勘定、してませんでしたか?」



いざ!ゴールへ。
日々鍛錬。前へ前へ、一歩でも前へ。


「夢は見るものじゃなく、叶えるもの」
「幸せは成るものじゃなく、感じるもの」
良い言葉です。

「線を描いて点を捉えることのできる人は成功する」
「人が人を繋ぐもの」「人は人を繋ぐもの」
(川端語録)


本の底をえる50人以下の業へ良の営とITを」
FIRSTITPRO 代表 川端 俊之

「顧客主導」「顧客第一」で業績は上がるのか?

今回のお話は、先日、クライアントさんの会議に出席させて頂いた中でお話させて頂いたことです。


▼「お客様の視点」「顧客第一主義」なんてのは、当たり前

会議に参加して、最近つくづく思ってしまうんです。

「お客様の立場に立って、商品のメリットを打ち出せ!」

「お客の視点から、サービスの問題点を抽出しろ!」

「お客様はどういう時に、何を考え、何に興味を湧かせるのか」

「もっと、お客の心理を考えて手を打て!」

こういう会話が、端々に出てきてます。

これはもう、「流行語大賞」みたいですね(笑)

商売もそうですが、物事にも、大体の場合はインプットとアウトプットがあるものです。

お客様をインプットとして考えて、商品やサービスをアウトプットとして考え、提供していくというのが顧客主導(マーケットイン)という発想。

考えて見れば、これって『当たり前過ぎる』くらい、当たり前のことです。


▼だから、「お客様から遡るやり方ばかり」

経営コンサルタントの方々や、勉強熱心な経営者達は、まずは徹底した「顧客主導」というものを推進しようとします。

いままで、顧客を始点にして考えたことが無かった企業は、お客様から遡るやり方で、自社の業務プロセスを見直して、再構築することを始めます。

ここで、もう一つ出てくるキーワードが「顧客満足(CS)」ということ。

そもそも、お客様が満足してくれない商品やサービスを提供していては売上なんて上がるはずも無いと考えて、既存の商品・サービスの改善に注力していくんですね。

これはこれで、モチロン、素晴らしいことです。

だけど、今となっては、周りの競合企業も、こんなことはやっている。


▼問題は『既存の』商品やサービスの改善に終始してしまうこと

顧客満足なんて言いだすと、現状で、どの程度、お客様が自社の商品やサービスに満足しているのかということを知ろうとするわけです。

「アンケート」「モニター」などで情報を収集していくんですね。

このような情報から、既存の商品やサービスを見直して、更にお客様の満足度を上げるように起業努力を繰り返していくのです。

素晴らしいことです。

顧客主導という考え方が、新発明のように思っている経営者の方も実際には、多くいたりするんですよ。

今まで、こんな発想で自社の業務を見直したり、改善したりしたことが無かった場合は、こうすることで、商品やサービスは充実し、内部の体制も良くなる、そしてお客様にも満足を与えて、今よりも増収増益するだろうと、期待するんです。

様々な書籍にも「顧客主導」「顧客第一」のマーケティング戦略なんていうのが書いてありますので、その気になります。

ですが、経営者たるもの一歩高みから見なければなりません。

「アンケート」「モニタ」から得た情報は、既存のマーケットでかつ、既存顧客から得た情報なんです。

ということは、既存のマーケットのシェアを維持することで終始してしまう危険性が高いということ。

これに気がつかないと、顧客主導で、お客様から遡るやり方で、業務プロセスを変え、商品やサービスの質を見直し改善した割には、肝心の売上にあまり結び付かないという結果に終わります。

実は、これで悩んでいる経営者の方々って多いんです。

「顧客主導で、再構築したのに結果は少し良くなっただけなんです」

「なにが、問題なんだろう」

こういうことになります。


▼目標が既存のマーケットのシェアを維持することになっている

目標を「顧客主導で売上○○○円達成」などと掲げても、今のままで、この目標を裏から読むと「既存のマーケットシェアを維持する」という目標にすり替わってしまっているんです。

『顧客主導』だけでは、達成できない何かが足らないということですね。

誤解しないでくださいね。

顧客主導が悪いと言っているのではありませんし、お客様から遡って考えることがナンセンスだと言っているわけでもありませんよ。

「当たり前だ」と言っているだけです。

ここまでの改善で「既存のマーケットシェアを維持する」という本当の目標は達成できると思います。

ただ、求めている目標が、更に高いのであれば、『顧客主導』だけでは足りないのです。


▼『顧客主導』だけでは足りない、『何か』とは

これは、何だと思いますか?

大げさに聞こえるかも知れませんが、わたしがクライアントさんにお話した「何か」の答えは、以下の言葉で表されます。

『顧客に未来を提供すること』

こんなことを言ったら、クライアントさんからはこんな言葉が返ってきました。

「なんですかそれは?抽象的すぎてピンとこないです」

「かっこいいけど、何をすればいいのか分からない」

・・・ETC

まあ、いきなり「未来を提供する」なんてこと言えば、ピンとこないですよね。

でも考えて見てください。

いくら顧客視点で物事を考えて、お客さんにアンケートで、「どんな商品・サービスが欲しいか」「どんなものに満足するか」なんて聞いてもお客さんは先を見通すことなんてできないんですよ。

だって、あなたの会社にどんな技術やどんな人材やどんな資産があって、何を提供できるのかなんてこと、お客さんは知りませんから。

だから、「顧客主導」「顧客満足」の観点では「未来を提供する」ことは難しいのです。

「未来を提供する」という観点は、あなたの会社が生み出すもので、この生みだされた商品・サービスは「新たな価値」となってお客に提供されていくということです。


▼「顧客に未来を提供する」時は「顧客満足」ではない

そう、「新たな価値」を提供する時には、「顧客満足」ではなく、「顧客教育」「情報伝達」という視点がメインになります。

ということは「顧客主導」ではなく「自社(自己)主導」という全く逆のアプローチになるんですね。

20年前に携帯電話やipadやiphone、スイカなどの電子マネーなんてものを顧客が望んでいたでしょうか?

これらは、みんな顧客では無く企業が生みだしてきた「新しい価値」です。

「教育」「情報伝達」された顧客は、それを「価値あるもの」として受け入れ、お金を払い購入するわけです。

ここに「提供された未来」があるんですね。

最初は、競合の少ないマーケットになりますから、大きな収益を上げることが可能になります。

ちょっと、例えが大きな話だったのですが、実は企業には、こういう観点が欠落してしまうと衰退の道を歩むことになるんです。


▼安心してください「提供する未来」には様々な大きさがあるんです

「うち位の会社では、こんなに大それたもの提供できませんよ~」

こういう風に言われそうですね(笑)

まあ、実際にこの様なことも言われました。

ですが、この視点は大小ではないのです。

あなたの会社の既存の商品・サービスの中にも潜んでいるんですよ、顧客が想像できない「価値」。

携帯電話でもそうですよね。

最初は、携帯電話という価値に、メールという価値が提供され、テレビやゲーム、お財布など様々な「新しい価値」が付加されていきました。

そして今では、携帯電話はスマートフォンへと、新たに生まれ変わってきてます。

『顧客に未来を提供すること』

これが、企業の本来の軸であることを忘れないでください。


あなたの会社はどうだろうか・・・?



いざ!ゴールへ。
日々鍛錬。前へ前へ、一歩でも前へ。


「夢は見るものじゃなく、叶えるもの」
「幸せは成るものじゃなく、感じるもの」
良い言葉です。

「線を描いて点を捉えることのできる人は成功する」
「人が人を繋ぐもの」「人は人を繋ぐもの」
(川端語録)


本の底をえる50人以下の業へ良の営とITを」
FIRSTITPRO 代表 川端 俊之