その話を聞きながら、僕も1週間ほど前に見学案内を担当した時に同じことがあったのを思い出した。日中に見学して一度お帰りなられたお客様が、20時頃、僕宛にお電話を下さった。『今日中に入会の手続きに行きたかったのですが、仕事の都合でどうしてもいけません。月曜日には確実にいけるんですが、内海さんはいますか?』とのこと。
この時も、嬉しさと驚きでゾクッときた。なぜなら僕はこのお客様と通常の見学案内よりも、非常に短い時間しかお話できなかったから。
このお客様が最初にご来館された時のこと。
服装などから、あきらかに仕事中の合間に寄ってみたという雰囲気。もしかしたらあまり時間がないかな~と思ったが、初めてご来館されたお客様に『もし、お時間がございましたら~』などとは言ってはいけない。その一言でお客様との関係づくりが瞬時に崩壊することもある。
お客様は僕の話をよく聞いて下さるが、僕の背後にあるフロントの掛け時計に一瞬視線が動いたのを感じた。それに気づいていながら無視するわけにはいかない。時間がないことを言い出したくても、そのタイミングがつかめない時もある。携帯や腕時計ではなく、壁掛け時計をチラ見した時などは、まさにそんな時かも知れない。
『いまお急ぎなんですね?』
『あ、まぁ、少し。』
『何分くらいまでにご案内が終われば間に合いますか?』
『30分くらいまでなら大丈夫です。』
『承知致しました。ではその時間内でお客様にあった内容を。』
残された時間は12分。僕はその時間内で終わらせることを最優先にご案内を終わらせたので、十分なコミュニケーションはとれなかった。しかしお客様が指定した時間を守ることは、説明やコミュニケーション以上に、お客様にとっては大切な時もある。
話は変わるが、僕がそれを実感したこんな出来事を思い出した。
たしか2012年9月。iPhone5の予約受付開始日。アップル大好きの僕は、仕事の休憩時間中に、auショップへ向かった。受付開始時刻の30分前にショップには着いた。待ちの順番は5番目。
時刻がきて、受付開始となるが、最初は1~4番目の人まで。『くそ~もう1つ順番が早ければ・・・』僕の焦りは具合は分刻みにアップしていく。なぜなら30分後には、職場で週次ミーティングの予定が入っているから。しかも、普段は出張が多く、ほとんど秋田にいない上司が
やばい!と思い、店員さんに手続き時間はどのくらいかかるのかを聞くと15~20分ほどだと言う。となると、ミーティングはギリギリ遅刻かも知れない。
焦らずに考える。ここから職場までは信号に捕まったとしても5分。その逆算した時間までに終わらなければ、どうしても行かなくてはいけないことを相談してみよう。難しそうな顔をされたら、予約の手続きは諦めてすぐに帰る。これは僕のわがままだ。
僕の予想に反し、店員さんの返事は『分かりました。何とか間に合うとは思いますので。』だった。ミーティング遅れたら、とんでもない事態だ。さすがにそこまで店員さんにプレッシャーをかけることはできないが、信じて待つことに。責任は全部自分にある。
いよいよ僕の順番。席に案内してくれた店員さんが受付の店員さんに事情を説明してくれている。ありがとう!手続をしながら、あと何が残っているのかを説明したり、『もう3分あれば終わりますので』と言ってくれたりして、僕の気持ちに配慮して下さった。
急ぎに急いで手続き完了!時間はショップを出るリミット1分前。あの時の『よっしゃーっ!』という気持ちは今でもはっきり覚えている(笑)
猛ダッシュで職場へ戻り、着替えてミーティング場所へ着くと、開始時刻の1分前だった。思い切って店員さんに相談して良かったーーーー!自分の都合で急がせる嫌な客にはなりたくないので、諦める覚悟もしていたが、本当に感謝だった。
その感謝の気持ちは、時間に間に合ったことよりも、手続き中の配慮に対して。手続きと同時進行で、僕みたいな客に、あとどんなことが必要なのかや、残り時間の目安などを伝えてくれる気遣いのおかげで全くストレスを感じることなく終えることができた。
こういった対応は自分の仕事にも関係おおありだなぁと感じた。手続き1つでも、お客様のことを思って行動すれば、もっとお役に立つことがあったり、もっと気持ちよく感じていただけることがある。
目の前のお客様には様々な背景がある。店側からすれば、毎日のように行っている『同じことの繰り返し』。でもお客様にとってはそうではないということ。それを忘れてはならない。忘れたら、自分がお客様の役に立てているという実感を得ることもできない。
誰かから感謝の言葉をいただくことも嬉しいが、そういう言葉や良い評価を得られなくとも、自分自身が『あの人のお役に立つことができた』と思えるかどうかが大切だと僕は思う。自分ではなく、自分以外の人への関心が強くなるほど、自然とそうなってくるのではないでしょうか。
僕が担当した見学のお客様からの電話で、そんなことを思い出した。そのお客様が実際はどんなところが決め手となり、ご連絡して下さったのかは分からない。でも僕の中では、『あぁ、あの時、ちゃんとお客様が指定した時間を守ってあげることができてよかったなぁ。』そんなふうに思えてくるのです。
もう2年くらい前の出来事だったけど、いま改めてauショップの店員さんにも感謝の気持ちがわいてきたのでした。
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